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「なぜ悠仁さまは学習院を外したか」男性・男系天皇にこだわり天皇制を維持する社会制度を整えない日本の怠慢 2024/09

2024-09-06 20:10:59 | 気になる モノ・コト

「なぜ悠仁さまは学習院を外したか」男性・男系天皇にこだわり天皇制を維持する社会制度を整えない日本の怠慢
  プレジデントOnline より 240906 島田 裕巳


 悠仁親王の大学進学先に注目が高まっている。なぜ、悠仁親王はいちども学習院で学ばなかったのか。
 宗教学者の島田裕巳さんは「秋篠宮家の場合、両親はともに学習院大学の卒業である。それでも子どもを学習院に行かせなかったのは、よほどの事情があると推測される」という――。

( 玉川大農学部の昆虫を研究する施設を視察される秋篠宮さまと悠仁さま=2024年4月6日午前、東京都町田市(代表撮影) - 写真提供)

⚫︎公言されない悠仁親王の大学進学先
 悠仁親王はこの9月6日で18歳になり、成年皇族となった。筑波大学附属高等学校の3年生であり、その大学進学をめぐって議論が巻き起こっている。

 東大に推薦で入学するのではないかという予測が立てられただけではなく、それに反対する署名運動まではじまっている。それは皇族としての特権の行使にあたり、公平であるべき入試制度が歪められるというのだ。
 ただ、本人も、親である秋篠宮夫妻も、その点について公式に発言しているわけではなく、どの大学に入学しようとしているのか、それは分からない。

 一方、愛子内親王の方は、今年の3月に学習院大学文学部日本文学科を卒業し、4月からは日本赤十字社の常勤嘱託職員として働いている。
 これまでの皇族の場合、教育は学習院で受けるのが基本となってきた。現在の天皇も皇嗣である秋篠宮文仁親王も、そして愛子内親王も幼稚園から学習院である。

 悠仁親王の場合、幼稚園から学習院を選択せず、お茶の水女子大学附属幼稚園に入園した。当時、母親の紀子妃がお茶の水女子大学で研究活動を行っていて、女性研究者を支える特別入園制度によるものだった。秋篠宮妃は、その後、論文を提出し同大学から博士号(論文博士)を授与されている。

⚫︎華族学校から官立学校となった学習院
 悠仁親王は、小学校も同大学の附属で中学校まで進んでいる。ただ、高校から女子校になるため、筑波大学附属高等学校に進学することとなった。それは、お茶の水と筑波の提携校進学制度によるものだった。

 この制度は、悠仁親王のために設けられたものだとも言われるが、筑波大附属のサイトを見ると、現在でも募集が行われている形にはなっている。
 東大の推薦入試に反対する声があがるのも、悠仁親王が一般の入試を経験せずに今日に至っているからだろう。

 愛子内親王を含め、皇族が学習院に進学してきたのは、そもそも学習院が皇族や華族のための教育機関として設置されたからである。

 学習院大学のサイトによれば、江戸時代の終わり、1847年に京都御所に公家の学問所が設けられ、49年に孝明天皇から「学習院」の額が下賜されたことで、学習院という校名が定まったという。明治になった77年には、神田錦町に華族学校が開設され、そこが学習院の名を受け継ぐことになった。したがって、皇族や華族という特権階級の教育機関である学習院は、法律によって宮内省立の官立学校となった。
 しかし、戦後になると華族の制度は廃止され、それにともない、学習院も1947年に私立学校、1949年に新制の私立大学として改めて開学されることになった。それでも皇族は学習院を選んできたのである。

⚫︎愛子内親王は学習院で和歌を研究
 秋篠宮家では、長女であるかつての眞子内親王が、高校までは学習院に通ったものの、大学は国際基督教大学に進んでいる。次女の佳子内親王も、学習院大学に入学したものの中途退学し、改めて国際基督教大学に進学している。
 悠仁親王は一度も学習院に入ることなく、大学に進学しようとしている。
これが、近代の皇室において異例であることは間違いがない。

 現在の学習院大学は総合大学で、5つの学部を擁しているが、愛子内親王が卒業したのは文学部日本語日本文学科であった。父親である現在の天皇は、同学部の史学科の出身である。
 しかも、ここが相当に重要なことになるが、愛子内親王は和歌について研究し、卒業論文は「式子内親王とその和歌の研究」というものだった。式子内親王は、平安時代末期の後白河天皇の皇女で、当時の代表的な女流歌人だった。
 和歌は、漢詩と対照される日本語の詩ということになるが、和歌を詠むということは古来から天皇や公家のたしなみとされてきた。だからこそ、式子内親王も多くの歌を詠んだのであり、天皇や上皇によって撰者が指名される勅撰集に多くの歌が選ばれてきた。

⚫︎天皇について詠うことが皇后のつとめ
 宮中において、和歌がいかに重要かは、毎年正月に開かれる「歌会始」に示されている。これは鎌倉時代のはじめから続く皇室の伝統行事である。

 近年の歌会始において抜群の存在感を示してきたのが、現在の美智子上皇后である。最後の歌会始は平成31年になったが、「お題」は光で、上皇后は「今しばし生きなむと思ふ寂光に園の薔薇のみな美しく」と、皇后を退くことの感慨を詠っていた。

 特徴的なのは、その前年の歌(お題は語)で、それは、「語るなく重きを負ひし君が肩に早春の日差し静かにそそぐ」という形で、譲位する当時の天皇の心情が詠われていた。

 上皇后の歌には頻繁に「君」、つまりは明仁天皇のことが登場した。それは、天皇について詠うことが、皇后としてのつとめであるという自覚にもとづくものであろう。
 それは、皇后にしか果たし得ない特権であり、だからこそ上皇后を現代において並ぶ者のない最上の歌人としてきたのである。歌集も刊行されてきた。

⚫︎上皇后の後継者といっていい内親王の歌
 愛子内親王が和歌を研究テーマに選ぶ上で、祖母である上皇后の歌が大きく影響している可能性が考えられる。
 しかも、和歌は皇室の伝統でもあるのだ。
内親王の研究の成果は、今年の歌会始(お題は和)で詠まれた「幾年の難き時代を乗り越えて和歌のことばは我に響きぬ」に示されている。

 難き時代とは、直接には、内親王が大学に入学した年から経験したコロナ禍のことをさすであろう。対面授業は4年生になってからだった。
 だが、日本の社会がこれまで経験してきたさまざまな苦難を含むものとも解釈でき、歌としてのスケールは相当に大きい。内親王ならではの歌とも言える。

 私はこれまで、毎年上皇后の歌に着目し、いくたびも感銘を受けてきたが、その後継者が生まれたのではないかと感じている。
 そこに学習院で学んだということがどこまで影響を与えているかは分からないが、少なくとも国際基督教大学に進んでいたら、和歌を研究することはなかったであろう。

⚫︎戦前は定められていた「ご学友」の存在
 では、秋篠宮家が学習院で学ぶことを選択しなくなったのはなぜなのだろうか。

 さまざまなことが言われているが、一番大きいのは、学習院がもっぱら皇族や華族のための教育機関ではなくなり、一般の私立大学として、すでに長い歴史を重ねてきてしまったことだろう。
 戦後、華族制度は廃止され、学習院で華族が学ぶことはなくなった。愛子内親王が卒業したことで、学習院で学んでいる皇族もまったくいなくなった。今後、そうした皇族が現れる可能性は極めて低い。
 しかも、戦前においては、将来皇位を継承する皇族が学習院に入った場合、「ご学友」というものが定められた。昭和天皇の場合だと、学習院に校舎が一棟新設され、12名のクラスメートがご学友と定められ、ともに学び、ともに卒業していったのである。

 現在の上皇にも、こうしたご学友が定められた。皇太子の時代、外国訪問が長期にわたったため、単位が足りなくなり、結局、中退することになるのだが、留年も選択肢に浮上したものの、ご学友と同じ学年でなくなることが留年を選ばなかった一つの理由となった。
 現在の天皇には、戦後ということで、ご学友など定められなかった。華族がクラスメートにいないわけだから、そんなことは不可能である。

⚫︎皇族が学ぶ場としてふさわしいか
 親は、子どもの学校選びにおいて、自分と同じ学校や、性格の似た学校を選択しようとしがちである。秋篠宮家の場合、両親はともに学習院大学の卒業であり、それでも、子どもを学習院に行かせなかったのは、よほどの事情があるものと推測される。
 その事情のなかには、学習院が、昔のように皇族が学ぶ場として必ずしもふさわしくなくなっていることが含まれるであろう。学習院の側としても、私立大学として生き抜いていかなければならない状況にあり、皇族のことばかりを考えているわけにもいかない。
 戦後の日本社会では、天皇という存在が残り、しかも憲法では、日本の象徴、日本国統合の象徴と位置づけられた。

 ところが、天皇や皇族の存在を支える上で重要な役割を果たすものについては、それをほとんど残さなかった。
華族が廃止されたことは大きい。そして、学習院が宮内省立でなくなったことも相当に大きな影響を与えている。秋篠宮家における進学先の選択も、それとは無関係ではないはずだ。
 日本社会の保守派は、男性天皇、男系天皇にばかりこだわり、天皇制を存続させる社会制度については、何ら提言をしてこなかったし、言及さえしてこなかった。それは、ひどく怠慢なことなのではないだろうか。

 私個人としては、悠仁親王が将来天皇になる可能性が高いという理由だけで、推薦で東大に入学してもよいのではと思っている。
 そこには、知性を養える環境が整えられており、しかも教育はかなり厳しい。中退率は0.5%だが、全体の4分の1が留年を経験している。日本の象徴として世界で認められるには、知性の高さは有力な武器になるはずである。東大で学ぶことが、かつて学習院が果たしていた役割を代替してくれるのではないだろうか。



島田 裕巳(しまだ・ひろみ) 宗教学者、作家
 放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員、同客員研究員を歴任。『 葬式は、要らない』(幻冬舎新書)、『 教養としての世界宗教史』(宝島社)、『 宗教別おもてなしマニュアル』(中公新書ラクレ)、『 新宗教 戦後政争史』(朝日新書)など著書多数。
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【日本は地熱大国になれるか?】世界が羨むポテンシャル 純国産エネルギーで「地熱革命」を起こせ 202408

2024-08-30 01:14:00 | 気になる モノ・コト

【日本は地熱大国になれるか?】世界が羨むポテンシャル 純国産エネルギーで「地熱革命」を起こせ
 Wedge より 240830  鈴木賢太郎


 JR盛岡駅から車を走らせること約80分。山道を縫うように進んだ先に、雄大な自然と調和したウグイス色の発電所棟と茶色の配管網が姿を現した。標高1130メートルに位置する安比地熱発電所(岩手県八幡平市)に到着すると、7月下旬にもかかわらず、半袖のシャツでは肌寒さが感じられた。
 東北有数のスキー場があることで知られる岩手県八幡平市の安比高原に、安比地熱発電所は建設された(APPI GEOTHERMAL ENERGY CORPORATION)

 出力1万4900キロワット(kW)を誇る同発電所は、今年3月に営業運転を開始した。しかし、地質の調査開始から運転開始に至るまでに四半世紀の年月を要した。
 安比地熱(同前)の菅野雄幸社長は「既存の地熱開発の難点は、最低10年以上というリードタイムです。地熱資源の調査や環境評価、井戸の掘削、発電所の建設など、越えるべきハードルは多い」と話す。

 また、地熱発電の特有の仕組みが開発リスクを高めている。その仕組みはこうだ。
地下1000~3000メートルまで浸透した雨水がマグマで加熱され熱水となり、岩盤の下やそのすき間に蓄えられることで「地熱貯留層」を構成する。
 ここに向けて井戸(生産井)を掘り、熱水や蒸気をくみ上げタービンを回している(次ページ図)。しかし、地熱貯留層を掘り当てることは容易ではない。
 安比地熱の兼子高志技術部長は「生産井を1本掘削するのに数億円のコストがかかります。事前に調査していても実際に掘削すると、貯留層に当たらない場合もある」と話す。

 自治体や地元住民との合意形成も一筋縄にはいかないことが多い。八幡平市は1960年代から地熱発電で得られた蒸気を地元のホテルや民宿などに供給し、産業が発展したという経緯があるため、問題は生じなかった。
 しかし、多くの場合は、自治体や地元住民から建設に難色を示されたり、温泉事業者が地下資源の枯渇や温度低下を懸念し開発が難航したりするケースが少なくない。

 安比地熱発電所の事業化を進めた三菱マテリアルには現在、国内4カ所で地熱発電所の開発計画がある。同社の山岸喜之再生可能エネルギー事業部長は「FIT(固定価格買い取り制度)やFIP(フィードインプレミアム制度)により、安定した収益が見込め、『出口』が保証されているため、事業性の絵は描きやすい。
 一方、開発リスクが大きく、投資に対するリターンが得られるまでに10年以上を要するなど、地熱開発の『入り口』には大きな課題があります。事業者のリスクを低減させるために、国主導の技術開発や地熱調査の拡充を期待したい」と話す。

 火山活動が活発な日本は世界第3位の2347万kWの地熱資源量を有する「地熱大国」だ。地熱発電は太陽光・風力発電と比較し、24時間安定的に発電ができるベースロード電源でもある。しかし、その設備容量は約60万kWで、日本の電力消費量の約0.3%にすぎない。

 2021年に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、30年の地熱導入量を148万kWと見込み、開発リスクの低減や技術開発のための予算確保などの支援策を実施した。しかし、発電所の新設は少なく、目標の達成に青息吐息の状況だ。

 この要因について、国際エネルギー機関(IEA)地熱部門の議長で、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の安川香澄特命参与は「日本の政策支援は諸外国と比べ、決して低いというわけではありません。
 しかし、森林法や自然公園法、土地所有法など、数多くの法律が地熱開発を妨げています。そのため、たとえ地熱開発を促進する新法を制定しても既存のしがらみを取り払うことは難しそうです。
 例えば、山地の道路や橋梁などの強度が資機材の重量に耐えられず、分解して運搬するためにコストがかさむなど、新法の制定や規制緩和だけでは解決できない日本固有の課題も乗り越えていく必要があります」と指摘する。

 また、地熱発電に詳しい九州大学工学研究院の藤光康宏教授は「地熱資源の約8割がある国立・国定公園の地下の掘削に関する規制緩和はされたものの、事業者側が地表への影響を懸念し、強引な開発を避けていることも一因と考えます」と話す。

 さらに、掘削技術者の養成機関として22年4月に開校したジオパワー学園掘削技術専門学校(北海道白糠町)の島田邦明理事は「地熱に特化した掘削技術者は日本国内に250~300人しかいません。30年目標の達成を難しくしている背景には、技術者不足の影響もあるでしょう。中長期的に地熱産業を発展させるためには、地熱に精通した掘削技術者の養成が不可欠です」と話す。

 一方、ロシア・ウクライナ戦争後のエネルギー情勢の混乱の中、各国はしたたかに資源の獲得にまい進している。火山帯がなく地熱資源が限られる英国では、約40年にわたる調査研究が実り、南西部のコーンウォールで出力3000kWの地熱発電所が今年中に稼働する予定だ。
 前出の安川氏は「日本と同じ島国である英国は、地下5キロメートルを超す井戸を掘り地熱発電所を建設するほど、エネルギーの確保に必死です。日本は英国が羨むほどの地熱資源を有しており、そのポテンシャルをもっと生かせるはずです」と話す。

⚫︎米国が本気で取り組む次世代地熱のポテンシャル
 在来型の地熱発電の普及には乗り越えるべき課題が数多くある。しかし、元経済産業審議官の片瀬裕文氏は「地熱発電は技術のイノベーションにより、飛躍的に成長する時期に差し掛かっている」と話す。

 実際、米国は地熱発電を大幅に拡大させようとしている。米国エネルギー省(DOE)は今年3月、「Pathways to Commercial Liftoff:Next-Generation Geothermal Power(次世代地熱発電:商業化への道)」というレポートを発表した。これは、現在世界各地で実証実験が行われている地熱増産システム(EGS)やクローズドループという次世代地熱発電の方式(下記図)が30年頃に商用化できることを示しており、30年には全米で10~15ギガワット(GW)、50年までに90~300GW(原発90~300基分)の発電所が建設される見通しであるとしている。現在の米国の地熱発電量が3.4GWであることを踏まえると、革新的な内容といえる。


※1 地熱増産システム(EGS):地上から高い水圧をかけ地中に割れ目を作り地熱貯留層を人工的に造成および水を圧入し、蒸気を生産する方法
※2クローズドループ:地上と地下数千メートルをつなぐ網目状のループを掘削し、その中で水を循環させ、水を介して地下の熱を取り出す方法 写真を拡大
 このレポートには二つのポイントがある。一つは、地熱の資源量が圧倒的に拡大するということだ。在来型の地熱発電は、地下に「熱」「透水性(水)」「地熱貯留層(器)」という3つの条件が揃わなければ開発は困難だ。しかし、次世代地熱発電は、人工的に器を作り出し、地上から水を注入するため、原理的には熱源さえあればどこでも発電が可能になる。DOEは米国の地熱資源量は、在来型の地熱発電を前提とした場合の40GWから、次世代地熱により5500GWに拡大するとしている。

 もう一つは、個々の開発プロジェクトに銀行が融資しやすくなるということだ。在来地熱は十分な熱水が地下にあるとされていても、長期間にわたり減衰せずに利用できることの評価が難しく、米国では銀行が地熱発電に融資しにくいという状況があった。しかし、次世代地熱は地下のリスクが極めて小さくなるので、銀行が融資しやすくなり開発スピードも速くなることを示している。

⚫︎国家の存亡をかけて地熱技術大国を目指せ
 前出の片瀬氏は「次世代地熱の採算性を確立するためには掘削コストの大幅な低減などの技術課題がありましたが、米国は、これらの技術課題はほぼ解決の見通しが立ちつつあるとし、24年から50年まで、2年ごとの発電量の具体的な導入見通しを掲げ、本気で次世代地熱を推進しようとしています。日本も覚悟次第で、『地熱革命』のリーダーになることは可能ですが、そのためには、政府が将来のビジョンを明確に示して本気で取り組まなければいけません。

 次世代地熱が実現すれば日本の地熱資源量が増加することは間違いない。第7次エネルギー基本計画で次世代地熱を前提として地熱発電の電源比率に関する野心的な目標を掲げ、官民が全力で地熱開発を進めていかなければ日本の国益を損ないます」と話し、こう強調する。

 「今、米中が開発競争を行っている汎用人工知能(AGI)のトレーニングには、AGI一つで10GWの電力が必要だといわれています。日本が先進国であり続けることはもとより、国家の安全を確保するためにも日本発のAIの開発も不可欠であり、大量の低炭素の電力を何としてでも確保しなければいけません。これは既設の原発再稼働や運転延長だけでは不十分です。新増設には15年から20年以上かかるため、その間に世界のAI開発競争から取り残されてしまいます。

 『電力は国家なり』ともいうべき状況下で、日本の将来の戦略的な位置付けを決定的に左右するのは、地熱技術大国になれるか否かです。単なるエネルギー安全保障という視点だけではなく、国家の存亡をかけて、地熱発電を推進すべきです」

 純国産エネルギーである「地熱」のポテンシャルを活用しないという選択肢はあり得ない。従来の延長線上の議論や発想ばかりでなく、今こそ日本の将来を見据え、英知を結集し、〝覚悟の火〟を灯すべきだ。
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量子コンピュータが現実のものに?6万量子ビットで実用的な計算が可能に― 202908

2024-08-29 01:33:00 | 気になる モノ・コト

量子コンピュータが現実のものに?6万量子ビットで実用的な計算が可能に―大阪大学と富士通
 日本インタビュ新聞社より 240829


■日本の技術が世界をリード!量子コンピュータ開発で画期的な進展

 大阪大学と富士通<6702>(東証プライム)は8月28日、量子コンピュータの早期実用化に向けて共同開発を進めている「STARアーキテクチャ」の性能を飛躍的に向上させる新技術を開発したと発表。
 位相回転操作時の精度向上技術と量子ビットの効率的な操作手順を自動生成する技術により、計算規模を大幅に拡大することに成功した。

 これらの新技術により、6万量子ビットを用いて、現行コンピュータで約5年かかる物質のエネルギー推定計算をわずか約10時間で実行可能になることを示した。
 この規模は、早ければ2030年頃に実現すると期待されている。
これにより、量子コンピュータが現行コンピュータよりも速く問題を解決できる量子優位性の実現方法を初めて示すことに成功した。

 今回の成果は、材料開発や創薬などの様々な分野で技術革新を加速させることが期待される。
 特に、高温超伝導体開発のためのハバードモデルのより大規模な解析が可能になるなど、電力インフラの送電ロス削減などにもつながる可能性がある。
(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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2024年で「固定電話」☎️サービスが終了!?自宅にある電話は使えなくなるの? 202408

2024-08-28 20:56:00 | 気になる モノ・コト

2024年で「固定電話」サービスが終了!?自宅にある電話は使えなくなるの?
 執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 240828 


 日本の固定電話サービスが大きな変革期を迎えています。
NTTは、アナログの固定電話網をIP網へ移行する計画を進めており、2024年1月からサービスの切り替えが始まっています。
 そこで気になるのはIP網へ移行すると自宅にある電話は使えなくなってしまうのかということです。

※本記事では、IP網への移行の背景や通話料金はどのように変わるのかについて解説していきます。

⚫︎アナログ固定電話はIP電話に統一される
 総務省によれば、NTTのアナログ固定電話網は、電話の交換設備が2025年ごろに維持限界を迎えることや加入電話の契約数も減少していることなどを背景に、2025年1月までにIP網への移行が予定されています。
 これにより、ユーザーである私たちはIP電話を利用することになります。
IP電話は、距離に依存しない均一料金が特徴で、通話品質も現行のものと同等の水準が保たれる見込みです。


☎️通話料金について
 通常固定電話の料金は、基本料金(回線使用料)と通話料金がかかります。固定電話のIP網への移行に際して、基本料金はこれまで通りで変更はありませんが、通話料金については距離に依存しない全国一律の分かりやすい料金体系に変わります。
 IP網移行前の通話料金と、IP網移行後の通話料金は表1の通りです。

表1

出典:NTT東日本「固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行 料金」を基に筆者作成

 現行の距離に応じた料金体系から全国一律の料金に変更される予定で、コストの透明性が向上する見込みです。

☎️固定電話の種類
 今回移行になるIP電話以外にも、固定電話にはおもに次のような回線があります。詳しく見ていきましょう。

【アナログ回線】
アナログ回線は、インターネットを利用せず、音声もデータ変換されずに銅線でそのまま伝送される電話回線です。インターネットの回線状況に左右されないことがメリットとしてあげられます。

【ISDN回線(デジタル回線)】
ISDN回線(デジタル回線)は、デジタル化した音声を銅線を使って伝送する電話回線です。音声をデジタル化することにより音声がはっきりと明瞭になり、1契約で2通話利用が可能だったり、通話しながらFAXもできたりします。

【IP電話】
IP電話は、デジタル化した音声データをインターネット回線を経由してやり取りする電話回線です。「050」で始まる番号が多く、インターネットを利用していれば通話料金を安くおさえることも可能です。

【光電話】
IP電話の一種である光電話は、データ化した音声をインターネット接続の光回線を使ってやり取りする電話回線です。通話品質が安定している一方で、ネット回線の混雑時には通話品質が低下することもあります。

☎️IP網移行に伴う手続きや切り替え工事は必要?
 NTT東日本によれば、サービス移行に伴い、利用者の自宅などでの手続きや工事は不要であり、現在利用中の電話番号や電話機もそのまま利用可能となっています。
 また、この移行に際し悪質な販売勧誘には注意が必要です。
NTTは、既存の電話機などがIP網でも利用可能であり、端末購入は不要であると明言しています。
特に「今までの電話機が使えなくなる」などとして、必要のない機器購入・設置契約を強引に迫るなどの悪質な販売勧誘には注意するようにしましょう。

☎️固定電話のIP網移行に伴う手続きや工事は不要|通話料金は全国一律に
 2025年ごろに電話の交換設備が維持限界を迎えることや加入電話の契約数の減少などにより、現在IP網への移行が進められています。
 固定電話のIP網への移行は,日本の通信インフラにおける重要な転換期といえるでしょう。
 具体的には、移行に関する手続きや工事は不要であり、現行の距離に比例した料金体系から全国一律の料金に変更されます。

 固定電話のIP網移行・工事完了状況はNTTの公式サイトで確認可能です。気になる方は一度確認してみてはいかがでしょうか。


◆出典
総務省 固定電話網の円滑な移行
NTT東日本公式ホームページ 固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行 料金
NTT東日本公式ホームページ 固定電話(加入電話・INSネット)のIP網移行 IP網移行の概要

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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JAXA、月着陸実証機「SLIM」運用終了 「通信復旧の見込みはない」 202408

2024-08-27 10:43:00 | 気になる モノ・コト

JAXA、月着陸実証機「SLIM」運用終了 「通信復旧の見込みはない」
  IT media News より 240827 

 JAXA(宇宙航空研究開発機構)は8月26日、小型月着陸実証機「SLIM」の運用を終了すると明らかにした。23日にSLIMの活動を停止させるコマンドを送信したという。


LEV-2(SORA-Q)が撮影したSLIMの画像。エンジンが上を向いている

 SLIMプロジェクトの公式Xアカウント(@SLIM_JAXA)によると、プロジェクトチームは8月22日と23日にもSLIMとの通信を試みたが、応答はなかったという。

 このため「今後もSLIMとの通信復旧の見込みはない」と判断。23日の午後10時40分ごろに「SLIMの活動を停止させるコマンドを送る停波運用を行いました」。

「ここまで運用が続くとは」
 SLIMは、2023年9月7日に「H-IIAロケット」47号機で打ち上げられ、今年1月20日に月面へのピンポイント着陸に成功。ただし着陸の際のトラブルにより、目標地点から東に約55m程度ずれた場所に逆立ちした状態で着陸していた。

 SLIMは-170℃にもなる月の夜を越えられる設計ではなかったが、その後3度に渡り“越夜”に成功して貴重な観測データを送り続けた。しかし5月下旬以降、通信は回復していない。

 プロジェクトチームは「想定をはるかに超える長期間にわたってSLIM自身の状態や周囲の環境の情報を送信し続けてくれました。打ち上げた当時はまさかここまで運用が続くとは誰も想像していませんでした」と振り返る。

 SLIMの運用は8月23日をもって終了。SLIMプロジェクトのXアカウントも年度内をメドに終了する予定だという。
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