脱炭素おどろきの新素材 おなじみの食べ物が大変身
地球の環境を考え、今、脱炭素への取り組みが加速している。
FNNニュース より 220220
そうした中、日本人に欠かせないある食べ物が、環境に寄り添う新たな材料として注目されている。
千葉県の幕張メッセで開かれた展示会。
大勢の人で、ひときわにぎわっていたのが、こちらのブース。
展示されているのは、スプーンやフォーク、ストロー、さらにはボールペンなど、日常にありふれた商品だが、実は“ある秘密”が隠されている。
スタッフ「(ブースの特徴は?)ライスレジンという国産のコメをベースにした、バイオマスプラスチックを紹介している」
⚫︎コメから作られたプラスチック「ライスレジン」。
地球温暖化や海洋汚染の原因とされる、石油由来のプラスチックに代わる、環境に優しい材料として今、注目されている。
コメを使った理由について、開発者は。
株式会社バイオマスレジンホールディングス代表取締役CEO・神谷雄仁さん「無駄になってしまうコメがたくさんあることを知っていたので、それを生かしたいという思いはやっぱり強かった」
緑豊かな田んぼが広がる、日本を代表するコメの産地、新潟・南魚沼市。
ライスレジンの“ふるさと”。
これまで、小粒だったり、欠けたりした規格外のコメは、使い道がほとんどなかった。
ところが、このコメにプラスチックの樹脂を混ぜて固めるという、独自の技術でライスレジンを開発。
コメは二酸化炭素を吸収して育つため、ライスレジンを燃やしても、二酸化炭素の排出量は差し引きゼロ。
こちらは、ライスレジンで作られたレジ袋。
数字の“25”は、コメが25%含まれ、二酸化炭素を25%削減していることを示している。
さらに、市場に流通しないコメを使っているため、フードロスにも貢献している。
株式会社バイオマスレジンホールディングス代表取締役CEO・神谷さん「(商品を通じて)社会貢献や脱炭素とか、身近に感じてもらえればありがたい」
⚫︎環境に優しいライスレジン。
すでにさまざまな商品が開発されている。
こちらは、100万人以上の消費者に選ばれたというお米のおもちゃ「お米のらっぱ」。
ボールやなめかみ、歯がためなど、どれも原料はライスレジン。
お米の匂いがふんわりと感じられ、赤ちゃんがなめても安心だという。
丸の内のビルに勤める人が利用する食堂「東京21cクラブ」。
箸やストローを、石油由来のプラスチックから、ライスレジンに変更した。
三菱地所株式会社 東京21cクラブ事務局・鈴木七波さん「(導入した理由は?)社会課題の解決につながるような商品を、少しでも多くの方に知っていただくことにつながるかなと。これがコメからできているんだというのは、みなさんとても驚かれていた」
2022年4月からは、ホテルで提供される歯ブラシやカミソリなど、一部の商品で、プラスチックの削減を義務化する法律が施行されるため、企業の問い合わせも増えているという。
脱炭素の動きは、着実に進んでいる様子。