伊勢ー白山 道

集団では無く、社会の中で心身の健康を正しく個人で目指します

霊障も肥やしに出来る

2009-10-19 10:48:38 | Weblog
有名な禅僧は、書や水墨画を数多く残しているものです。しかし、禅僧として評価の高い白隠(はくいん)の書でも、功名心や野心を感じる物が中には有ります。その点、近年でも人気の高い良寛(りょうかん)の作品は、心の垢が確かに少ないと感じます。
良寛の様な「世捨て人」に憧れる人は多いですが、勘違いをしている人間が多いと思います。もし、良寛の立場で出生していれば、普通の魂ならば自殺していると思います。出生した家系の霊線の詰まりから来る霊障に、非常に苦しんだ人物でした。
彼の生家は、商売を営む富豪であり、新潟県出雲崎町の石井神社の神官を代々継承していた家系でもありました。有名になる人物は、神社との縁が深いのも興味深いです。仏教信仰家でも、背景には神縁の作用で大成した人物が多いです。日本に住む限り、魂の出生に関与する土地の精霊として、産土神(うぶすなのかみ)の存在が在ります。
長く商売などをしていますと、関係者の逆恨みや従業員の事故死などの念が滞積して行き、家系の霊線の詰まりと成って行きます。良寛でさえ、生まれながらに表現できない家系の霊障を感じて、理由の無い不安感と無気力感に苦しんだと感じます。
彼は長男でありながら、18歳の時に家業を継ぐのを拒否して出家しています。期待された長男故に、父親との軋轢も在ったでしょう。母親の存在は、彼に母性への憧れを生涯持ち続けさせた素晴らしい人物でした。彼の父親は、後年に家業を衰退させて、京都で入水自殺をしています。良寛でさえ、心には深い傷を抱えていたのです。

良寛が縁側で昼寝をしている時に、自分の着物から出て来たノミを捕まえて「これこれ棲家を離れて何処に行く?」と言いながら大切そうに着物の奥に仕舞い込んだり、
ボロボロの住居の畳下から竹の子が生えれば、屋根を良寛が壊して「ご苦労様」と言いながら見守ったり、
大きな屋敷の外塀で寝ている時に窃盗犯と間違えられ、生き埋めにされている時も、一切の弁明をせずに「仕方が無い」と言い覚悟をしていたとか・・・
無邪気な子供の様なエピソードに満ちた人物ですが、その心象背景は、挫折と悲哀と無常観を乗り越えてのものでした。
自由奔放を心底から演じながら、自らは九十項目にも上る戒律を設けている人でもありました。良寛に戒律とは、最も似合わない感じがしますが、そこが唯の放浪者では無いところです。
*人の話に割って入るな *自説を無理強いするな *人を軽く見るな *酒に酔って屁理屈を言うな *間違いを隠すな *知識を誇るな *簡単に約束するな *後悔を口に出すな *愛想笑いをするな *立場の高さを誇るな *憎い心で他人を叱るな・・・などなど九十条も意識していたのです。
良寛は、努力の人でもあったのです。

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私の返答が無いコメントは、霊的な問題では無いと言う事です。
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