究極の楽しみ方

私は何事にも執着しないという、コノ世を離れた視点を持つ楽しみに安住しています。
この楽しみは、普通の人々には分からない究極の楽しみです。

この楽しみは、厳しい規則や修行によっても得られません。
猛勉強しても理解はできません。
どんなに瞑想を極めてもムダです。
人里離れて一人で住んでも得られない境地です。

修行する世の人々は聞きなさい。
自分の心の良心を汚す間は、何をしてもダメなことを。

（原始仏典　ダンマパダ１９章－２７１・２７２番）

（感想）
釈尊がご自分の心境を説明しています。
それも、非常に楽しい心境であり、
「私がどんなに楽しんでいるのか、君たちに分かるかい？」
と問い掛けています。

大切なことは、コノ世の喜怒哀楽という色々な欲望に満ちた中に住みながらも、それでも何事にも「嫌な」「変な」執着を持たないことが大切です。
これは努力をするな、という変な意味に勘違いをしないで下さい。
思いっ切り努力をするが、その結果にはこだわらない、執着しないことが大切です。
その「過程」を楽しむのです。
何事にも過程を「楽しむ」視点には、執着がありません。

この項で釈尊がはっきりと明言していることに、
「どんなに瞑想を極めてもムダ」
としています。
大事なことは、瞑想をしようと座る時点で、既に目的のための瞑想であり、「何かのため」の執着を既に持ちます。
座れば座るほど、自分の「心境」という執着が発生しています。
こんなことを１００年してもムダだと釈尊は示唆しています。

ましてや他人先生に金銭を出して、わざわざ出向いて座りに行くとは、何を目指しているのでしょうか。自ら「瞑想のため」という執着にハマっています。
真の瞑想とは、自分の日常生活の中に既に在るのです。
自分が無心に熱心に、目の前の仕事をしている「最中」が、すでに瞑想であり、本当の真の瞑想状態なのです。
そのために道元さんも、座禅の時間以上に、日常生活という「作務」を重視した伝統があります。

神道では、中今（なか・いま）と言いまして、永遠に継続する時間の中の、今しか見ない、という心境が神様の気持ちだという啓示があります。
瞑想などしなくても、大自然に日々の感謝を捧げる「行為」を継続する中で、究極の答えを得る訳です。

日々の生活行為が自分に教えてくれるのです。
だから日常生活から「離れて」、わざわざ座り瞑想する人間が悟ることは１００％無いのです。ましてや、これに金銭が絡むなどは有り得ない商売であり、愚かな行為です。
これは近代の聖者・ラマナ・マハルシも同じことを発言しています。

自分の今の日常生活こそが、善悪含めてちょうど良い、のです。すべての因果が反映して、常に今の環境が出現しています。
自分の因果を昇華させようと「してくれる」環境が、常に示現します。良い意味でも悪い意味でも、自業自得が有ります。

だから、もし今の環境が苦しくて嫌ならば、その中で執着を持たずに頑張ることが大いなるチャンスです。
出すものを出し切れば、後は変わるしか無いのです。
中途半端に自分が文句と屁理屈を言いながら逃げる間は、今の嫌な環境は継続します。
良い意味でアキラメて、今の環境の中で頑張ることが誰にも大切です。
これが極まれば、必ず次の情景が広がります。

この生活の過程こそが真の瞑想なのです。
それも釈尊が言われますように、その中でも嫌な執着を持たずに「純粋に」頑張ることが出来れば、最高の楽しみが分かるように成ります。
そして最も大切なことは、以上の過程を自分の良心から外れないように歩いて行くことが最重要なのです。


（明日は早朝から、自然現象の観察日です。http://blog.goo.ne.jp/isehakusandou/e/f1946b35d0e779d1152a9c698e31f155）

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