ギリシャの国民投票が「緊縮政策」反対で勝利した。
IMFやEU側は「緊縮政策」によって、浮いたお金で借金を返せと
迫った。公務員削減、年金、福祉の削減等々・・・
その結果、どうなったか。
国のGDPが大幅に下がり、税収も落ち込んだ。その結果、債務の
GDP比がどんどん膨らんでいった。そして、この数年間に中小企業
と国民の生活に大きな傷跡を残した。だから「悪循環」とよんでいる。
この「緊縮政策」は、金を貸した側の論理、投資家側の論理である。
国民の生活がどうなろうと、金さえ返してくれればよいわけだ。
もっと言えば、資本の論理でもある。
高金利のサラ金時代、返すために生活をぎりぎりに下げながら、さら
に借りて返すという悪循環に陥ってしまう人が多かった。
どうするか、まずは支払い停止、債権者会議で債権を大幅に引き下げ、
圧縮し、返せる金額で返済をつづける。当然生活も人間らしくなる。
そういえば釧路市のMOOも特定調停で、銀行など貸主側に30億円だっ
たか、棒引きしてもらい、再建にむかった。
企業は解散して消滅できるが、国と人間は解散し消滅することはでき
ない。人権と命がかかっている。相手に債権放棄をしてもらい、返済
できる金額に圧縮するしかない。でなければ個人の場合は自己破産と
免責ですべてを無しにする。
これが債務奴隷からの解放の道である。
ギリシャ国民は、悪循環となった「緊縮政策」にノーをつきつけた。
国際金融機関や投資家に、返済ストップを主張したわけである。
働く国民の側からの再建策こそ必要だったわけだ。
新自由主義に別れをつげなければならない。
ひるがえって、日本はどうか。
アベノミクスは、長年続けてきた自民党型の経済政策の規模を大きく
したもので、やっていることは借金を増やし、国民に「緊縮」を押し
付けることばかりだ。いわば「悪循環」をいっそう押し付けている。
地方経済はこの押しつけで、域内循環が悪化し、疲弊の度を深めてい
る。
消費税増税はただちに止め、年金、生活保護などの社会保障の引き下
げを止めることこそ求められている。
気になるのが、テレビによるギリシャ危機の解説。
昨日も公務員が多い、年金が高いなど説明していた。これは金融機関
の側から、投資家の側からの、緊縮政策を行っている側からの解説で
ある。投資家は目先の利益で動く。そうではなく、5年、10年を見す
える政治こそ必要ではないか。
地方の小さな金融機関にその回答があると、私は考えている。