「ナノ」は大きさの補助単位。
半導体の製造ですっかり有名になった感がある。
マイクロプラスチックの問題はかなり以前から指摘されてきた。
マイクロよりさらに1千分の一の大きさの補助単位である「ナノ」。MNPは、micro and nano-plasticsの略。
何年か前に、ナノ単位のプラスティックが人間の血液の脳関門を突破するという報道があった。
そして、3日付の医学誌に米ニューメキシコ大学などの研究グループが発表した。
ナノプラスティックが人体のどこに蓄積するのか。
研究グループは、二十数人の解剖調査により、
脳では平均が1グラム当たり4763マイクログラム
肝臓では、同465・3マイクログラム
腎臓では24年が同666・3マイクログラム
24年の調査だが、16年よりかなり増大している。
認知症との関連も疑わしい結果が出ているとのこと。
(5日付しんぶん赤旗)
いま世界中にあふれているプラスティック。
そこから発生する「ナノ」単位の微粒子。
人間は複雑な有機物の集合体ともいえる。
プラスティックは有機物そのもの。
人間や動物界の未来にとって、取り返しのつかない結果を招くかもしれない。
エンゲルスの警告。
「しかしわれわれは、われわれ人間が自然にたいしてかちえた勝利にあまり得意になりすぎることはやめよう。そうした勝利のたびごとに、自然はわれわれに復讐する。」
「『資本主義』の社会科学、古典派経済学は、主として、生産と交換にむけられた人間の行動の社会的効果のうち、直接それと意図して生じた効果だけを取り扱っている」
(エンゲルス、自然の弁証法:サルが人間化するにあたっての労働の役割)より
130年も前の論文だ。
目先の利益、利潤第一主義の資本主義の矛盾を的確に言い当てている。
エンゲルスの時代より、途方もなく生産力が巨大となっている。
資本主義社会をのりこえる人類の力がためされている。