電車脱線、50人死亡 300人けが 兵庫のJR宝塚線 (朝日新聞) - goo ニュース
JR西日本の宝塚線(福知山線)の尼崎-塚口間で、快速電車が脱線、誠に痛ましい「脱線事故」が起きたものである。一瞬、昭和38年11月9日に起きた「鶴見事故」を思い出した。国鉄の電車が神奈川県の東海道線鶴見-新子安間で2重衝突し、死者161人の被害者がでた大事故である。
高校2年生のときで、保健体育の教官が、横浜方面に向かう電車に新橋駅から乗った。何か予感がして、いつも乗る当たりから乗るのを避けて、1車両ずらした。横浜方面から東京に向かう電車が、教官の乗っていた電車に乗り上げるような形になり、車両が倒れ、教官は、土手に投げ出された。辺りには、被害者が散乱し、地獄模様だったという。「乗り上げた車両の下敷きになった車両が、いつも乗る辺りの車両だった。気迷いがなかったなら、その車両に乗り、即死していただろう」と話していた。
毎日新聞に入社して初任地である浦和支局に配属され、当時のデスクが、横浜支局出身で「鶴見事故」が起きたとき、現場に急行して取材したときの苦労話をさんざん聞かされたものである。
それにしても、いまの電車の運転手が、「1人」というのは、あまりにも無謀である。ベテランだから安心というものでもない。最近問題になってきている「無呼吸症候群」(新幹線の運転手の例もある)により、一瞬、意識を失ったり、脳梗塞などで急死したりする危険を予測していないのだろうか。
今回の事故は、国鉄民営化後「最悪の電車事故」である。「鶴見事故」とは、時代も違うので、単純な比較はできない。「民営化・合理化」との因果関係はあるのか。事故の原因は、果して何だったのかは、国土交通省やJR西日本の事故調査委員会の調査結果を待たなければならない。
だが、一つだけ、気になることがある。アメリカのレーガン大統領が昭和57年ごろから、「大規模な規制緩和」をどんどん進めて行ったなかで起きたことである。
レーガン大統領は、金融業界をはじめあらゆる業界の「規制緩和」を徹底的に推進した。このなかには、当然、交通・運輸業界が含まれていた。幸い、鉄道では、大規模な事故は起きなかったが、航空業界で、事故が多発した。運賃をめぐり「値引き競争」など熾烈な戦いが繰り広げられた。経営者は徹底した合理化やコスト・カットなどにより、集客を図った。ところが、この裏側で「安全」のための費用を惜しんだため、墜落する飛行機が続出した。
「規制緩和」と「安全性」との因果関係は、容易に証明できるものではないけれど、「地上」と「空」との違いことあれ、「安全性」への気の緩みや、手抜きがどんな悲惨な結果を招くかについて、検証しなくてはならないだろう。
「合理化」は、コスト面から「安全」を軽視する危険性を孕んでいる。合併による再編と合理化が進む航空業界において、日本航空機が整備ミスなどにより国土交通省から、厳しく注意を受けているが、地上での大事故が、「空」へと波及しないことを願わずにはいられない今日このごろである。類が類を呼ぶ「凶兆」は、すでに日本航空はじめ航空業界から健在化しつつある。身内にパイロット(機長)がいるだけに、心配である。
JR西日本の宝塚線(福知山線)の尼崎-塚口間で、快速電車が脱線、誠に痛ましい「脱線事故」が起きたものである。一瞬、昭和38年11月9日に起きた「鶴見事故」を思い出した。国鉄の電車が神奈川県の東海道線鶴見-新子安間で2重衝突し、死者161人の被害者がでた大事故である。
高校2年生のときで、保健体育の教官が、横浜方面に向かう電車に新橋駅から乗った。何か予感がして、いつも乗る当たりから乗るのを避けて、1車両ずらした。横浜方面から東京に向かう電車が、教官の乗っていた電車に乗り上げるような形になり、車両が倒れ、教官は、土手に投げ出された。辺りには、被害者が散乱し、地獄模様だったという。「乗り上げた車両の下敷きになった車両が、いつも乗る辺りの車両だった。気迷いがなかったなら、その車両に乗り、即死していただろう」と話していた。
毎日新聞に入社して初任地である浦和支局に配属され、当時のデスクが、横浜支局出身で「鶴見事故」が起きたとき、現場に急行して取材したときの苦労話をさんざん聞かされたものである。
それにしても、いまの電車の運転手が、「1人」というのは、あまりにも無謀である。ベテランだから安心というものでもない。最近問題になってきている「無呼吸症候群」(新幹線の運転手の例もある)により、一瞬、意識を失ったり、脳梗塞などで急死したりする危険を予測していないのだろうか。
今回の事故は、国鉄民営化後「最悪の電車事故」である。「鶴見事故」とは、時代も違うので、単純な比較はできない。「民営化・合理化」との因果関係はあるのか。事故の原因は、果して何だったのかは、国土交通省やJR西日本の事故調査委員会の調査結果を待たなければならない。
だが、一つだけ、気になることがある。アメリカのレーガン大統領が昭和57年ごろから、「大規模な規制緩和」をどんどん進めて行ったなかで起きたことである。
レーガン大統領は、金融業界をはじめあらゆる業界の「規制緩和」を徹底的に推進した。このなかには、当然、交通・運輸業界が含まれていた。幸い、鉄道では、大規模な事故は起きなかったが、航空業界で、事故が多発した。運賃をめぐり「値引き競争」など熾烈な戦いが繰り広げられた。経営者は徹底した合理化やコスト・カットなどにより、集客を図った。ところが、この裏側で「安全」のための費用を惜しんだため、墜落する飛行機が続出した。
「規制緩和」と「安全性」との因果関係は、容易に証明できるものではないけれど、「地上」と「空」との違いことあれ、「安全性」への気の緩みや、手抜きがどんな悲惨な結果を招くかについて、検証しなくてはならないだろう。
「合理化」は、コスト面から「安全」を軽視する危険性を孕んでいる。合併による再編と合理化が進む航空業界において、日本航空機が整備ミスなどにより国土交通省から、厳しく注意を受けているが、地上での大事故が、「空」へと波及しないことを願わずにはいられない今日このごろである。類が類を呼ぶ「凶兆」は、すでに日本航空はじめ航空業界から健在化しつつある。身内にパイロット(機長)がいるだけに、心配である。