ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

習慣性発作性頻拍症発作!

2008年04月28日 09時42分03秒 | Weblog
 先週末に急な動悸と胸部苦悶を訴える患者さんが来院。脈拍は150前後であり、微弱で触診でははっきり脈拍数が解かりにくい。さっそく心電図を施行したところ、上室性頻拍症であることが判明。まずセルシン1Aを静注したが効果無く、強心剤ジゴシン1A静注しましたがこれまた効果が無く、脈拍も180まで急増してまったく動けない状態となりました。最後の手段としてリスモダンP2A静注を看護師にオーダーして、その間頚動脈洞圧迫法(左)を試して診たところ、あれよあれよというまに脈拍は100までスト~ンと落ちまして、患者さんも楽になったとのことで追加のリスモダンは中止しました。迷走神経刺激することで房室結節伝導を抑制すると頻拍発作が収まることがあり、今回は頚動脈洞マッサージが有効でありました。そのほか深呼気時の息こらえ(Valsalva法)や寒冷反射(冷水を一気に飲むあるいは顔を付ける)などが有効であり、習慣性の方は試してみるのもよいかと思います。原因はWPW症候群と房室結節内リエントリーに起因するものが多く、精査が必要であります。
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