さらに高血圧・心不全症例(19例)についてNT-proBNP値と心エコー
(ドプラ法)による心機能改善についてアーチスト効果を検討しました。
結果では、その投与量(2.5~20mg)によって心機能改善効果に差が
あることを認識しました。その高投与量ではやはり副作用である除脈・伝
道系ブロックなどの発生が認められ、特に高齢者では忍容性が低いと思
われます。ですから高齢者や除脈傾向の方は少量から始めるべきでしょう。
実際には1.25~2.5mgから開始すべきであります。しかし、一般に心機
能改善効果は容量依存性との報告があり。忍容性の高い方では増量~MAX
量まで投与した方がBESTであるとも考えます。今回の健闘では心筋肥大の
退縮効果は最大20mgで約半分/年(IVSd)が期待できました。しかし、心機
能改善効果では収縮能(EF%)および拡張能(Em)はあまり変化(改善)しま
せんでした。むしろ5mg投与症例では退縮効果および心機能改善効果が伴に
認められ、忍容性も高かったです。またNT-proBNPの検討では前後負荷が
取れると著明に改善しますし、また悪化すると速やかに高くなりますので、左室
機能や負荷の状態を敏感に反映すると思われます(ただし、AfやCKD症例では
かなり高くなりやすいのでその評価には注意が必要であります)。