ドクトール隆の日常日記(秋田県大館市 伊藤内科医院)

日常診療とプライベイトに思う・・・

高血圧・心不全に対するアーチストの心機能改善効果

2013年02月14日 08時06分59秒 | 診療&トピツクス

 さらに高血圧・心不全症例(19例)についてNT-proBNP値と心エコー

(ドプラ法)による心機能改善についてアーチスト効果を検討しました。

結果では、その投与量(2.5~20mg)によって心機能改善効果に差が

あることを認識しました。その高投与量ではやはり副作用である除脈・伝

道系ブロックなどの発生が認められ、特に高齢者では忍容性が低いと思

われます。ですから高齢者や除脈傾向の方は少量から始めるべきでしょう。

実際には1.25~2.5mgから開始すべきであります。しかし、一般に心機

能改善効果は容量依存性との報告があり。忍容性の高い方では増量~MAX

量まで投与した方がBESTであるとも考えます。今回の健闘では心筋肥大の

退縮効果は最大20mgで約半分/年(IVSd)が期待できました。しかし、心機

能改善効果では収縮能(EF%)および拡張能(Em)はあまり変化(改善)しま

せんでした。むしろ5mg投与症例では退縮効果および心機能改善効果が伴に

認められ、忍容性も高かったです。またNT-proBNPの検討では前後負荷が

取れると著明に改善しますし、また悪化すると速やかに高くなりますので、左室

機能や負荷の状態を敏感に反映すると思われます(ただし、AfやCKD症例では

かなり高くなりやすいのでその評価には注意が必要であります)。

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