2題目は東邦大学センター大橋病院教授の柴輝男先生の御講演で
あります。本邦における疫学研究JDCS結果からDMの心血管イベント
のハイリスクはLDL‐C・TG・HbA1cが3大リスクとされている。さらに
これらのリスク因子が重複するメタボ症例では相対的危険度が増大する
ことが示唆されれている。やはり、DM症例では小腸からのコレステロール
吸収が亢進している症例が多く、それにより食事性リポ蛋白カイロミクロン
の分泌増加と高TG血症を合併する頻度も高く、同時に動脈硬化惹起性の
レムナントCやsdLDL‐Cも高値を示すため、これらの治療は難渋する場合
が多い。このような症例群に対し、スタチンとゼチーアの併用で脂質の量的
改善だけでなく、質的改善も期待できる。またDual TargetとしてLDL‐C
とhcCRPの改善を達成することで冠動脈リスクを26%減少させることができ
るとしている。さらに冠動脈イベントとPCSK9との強い相関があり、これを抑制
することの意義を強調しておりました。