昨日は上部消化管セミナーに参加しました。講師は秋田大学の飯島教授で
あります。演題は「ピロリ陽性・陰性者における上部消化管疾患~新たな展望
~」であります。現在HP感染率は確実に減少しており、高齢者でも50%以下
になってきている。しかし、胃がん死亡数はさほど減少していない現状にあるが、
HP除菌や衛生環境の改善に伴って今後は確実に減少することが予想される。
一方、GERDなどの酸関連疾患の増加が懸念される。特に食道病変ではバレット
上皮の増加に伴いバレット腺癌の増加が予想されるが、元来日本人は欧米人と
は胃酸分泌平均レベル(BAO&MAO)が半分程度なので、増加傾向はあろうが、
爆発的な増加には転じないであろうとの見解でした。また、これに類似のHP陰性
の噴門部がんの増加と鑑別は些か混乱を招くくかもしれい。最後にHP(‐)でNSA
IDs内服(‐)の消化性潰瘍を”特発性潰瘍”と診断されるが、再発性で易出血性で
あり、今後増加する可能性があるとのことでしたが、私見ではステロイド製剤など
薬剤起因性が主体であろうと思いました。以上。