奈良県桜井市多武峰にある「談山神社」は、飛鳥の東方にそびえる多武峰(とうのみね)の山中にたたずむ神社です。「大化改新(乙巳の変)」談合の地として知られ、「藤原鎌足公」が祀られています。中大兄皇子とこの山で国家改新の密談を交わしたことから、「談い(かたらい)山」と呼ばれ、これが社名の起こりとなっています。
今回は、紅葉に染まる「談山神社」の様子を紹介したいと思います。
境内には桜とカエデが豊かで、春は桜、初夏は新緑、紅葉に染まる秋と季節ごとに素晴しく、「関西の日光」といわれるほどの美しさです。
「談山神社」は、大和路を代表的する紅葉の名所です。秋は約3,000本のカエデが、社殿の朱色と競うように赤や朱色に燃え立ちます。
三間社春日造の本殿には「藤原鎌足公」像が祀られており、日光東照宮のモデルになった社ともいわれています。
拝殿下の鳥居をくぐると、恋神社へと続く「恋の道」があります。古来より縁結び信仰があり、縁結びの神として祀られている鏡女王(かがみのおおきみ)は、万葉の歌人・額田王(ぬかたのおおきみ)の姉であり、情熱的な恋の歌を残した歌人です。鏡女王は、「藤原鎌足公」の妻であり、不比等の生母と伝えられています。女性として幸せな一生を送ったことから、いつしか恋神社と呼ばれるようになったそうです。すぐ近くに、神が宿るといわれる「むすびの岩座(いわくら)」があります。
また境内には、木造としては我が国唯一の「十三重塔」が彩られる様は、一度見たら忘れられない景色です。現在は、5分~6分の紅葉でしたがとても綺麗でした。11月中旬から下旬頃には、見事な全山紅葉の景色が見られると思います。その時期になりましたら、また見にいきたいと思っています!