Dr. Jason's blog

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探検,植民地 / 租借地,貿易,戦争...

2005-06-05 | Weblog
 一見、相互に関係なさそうな事象でも,複数の角度や断面から観察/考察すると,それまでに見えなかった背景やストーリーが見えてくることがある.

[ヨーロッパ列強とアフリカ]
 従妹が,アフリカの探検やイギリスの経済の歴史について研究しているのにつられて,いくつか参考書を買って勉強している.
 当初の探検は,地理的,科学的興味や,宗教的な目的(布教)から端を発している.
 しかし,そのうち,政治的,経済的目的が第一となり,結局は,植民地争奪戦やその後の大きな戦争につながっていったことは,歴史が示している.
 
アフリカ大陸探検史

創元社

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# 表紙の画像が出ないのは残念ですね.


自由貿易主義と大英帝国―アフリカ分割の政治経済学

新評論

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[日本と中国,台湾,韓国]
 父の兄弟は,みな戦前の朝鮮で生まれた.祖父が,仕事で朝鮮に赴任していたためだ.
 最近,叔父と日清戦争やその後の日本の植民地政策などについて議論する機会があった.(叔父は戦後の韓国で,日本人として初めて,韓国の大学から「法学博士」の学位を授与されている法学の研究者である.) 歴代の中国政府の要人達のアヘン戦争への評価と日清戦争や日中戦争への評価の違いについて,興味深い意見交換ができた.
 祖父母,伯母,叔父らの実際に見てきた話しを補完する意味と,ヨーロッパの列強と日本との比較という意味で,台湾,朝鮮,満州についてもいくつかの参考書をあらためて読み直している.

明治の冒険科学者たち―新天地・台湾にかけた夢

新潮社

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韓国は日本人がつくった―朝鮮総督府の隠された真実

徳間書店

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満州国の遺産―歪められた日本近代史の精神

光文社

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[アメリカと日本]
 少し前に,知人とのメールのやりとりで,「第二次世界大戦に於ける軍事的攻撃による民間人の被害」について,意見交換をした.私の意見は,以下のようなものだ.
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 被害者のオーダーだけがすべてではありませんが,20世紀の戦争における,一つの都市への1回の攻撃による民間人の被害者(死者)の数でいえば
 1) 広島
 2) 東京 (東京大空襲)
 3) 長崎
が,Top 3 でしょう.
ロンドンや,ドレスデンの被害は,これほどではないとおもいます.
特に,1), 3) は,米国はちゃんとデータもっているはずです.軍港の呉ではなく,近くの広島を狙ったのは,人口が多いからだそうです.
# 事前に,スパイ活動で,色々な情報を入手していたのです.
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 このやり取りのあと,興味深い視点でまとめられた本を発見した.
 アメリカの戦略にとどまらず,中国の内戦の状態やソ連の状況認識についても,日本の政府/軍部の問題など,大変勉強になる参考書である.
 
原爆を投下するまで日本を降伏させるな――トルーマンとバーンズの陰謀

草思社

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コメント
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