だいぶ違う二人を並べるのは、非難されるでしょうが、
神田沙也加さんが自殺し、林家三平が笑点を卒業しました。
神田さんは、聖子の娘と言う七光りから、完全に脱却し、
独自の世界をつくるアーチストになっていたと言えるでしょう。
20代のころは、単なる七光りタレントと思っていましたが、
結婚を機に、親の影響から離れ、一人で歩けるようになりました。
ただ、聖子の娘である限り、一般人にはなれず、厳しい芸の世界を選ばざるを得なかったのかと、
自殺した今は思います。
舞台は、非常に過酷で、孤独な仕事だと思います。
でも、その世界に立ち向かわなくてはいけなかったのでしょう。
三平も、一人では、まあほのぼのとした味を出していたのですが、
笑点では、ちぐはぐでした。
笑点は、シナリオライターが、ほぼすべての言葉をつくっていて、
落語家は、それを演じるだけというのは、公然の秘密でした。
ベテランは、それがわからないように、うまく話していましたが、
三平は、出来合い感が、どうしても残っていました。
笑いを取るために、母親を始めとする親族を落とすことを言わされるのは、
本意ではなかったことでしょう。
始めから、どうして三平なのか、という声も多かった。
三遊亭好楽 の弟子に、林家を名乗らせようとしたら、三平の一族が反対したことから、
メンバーとの関係もこじれていたように見えました。
それは、林家正蔵と言う名跡を、他家にとられたと言う恨みのせいですが、
もう少し、弟の三平の立場を考えてあげればよかった。
針のむしろに座っている感じが出ていました。
好楽と三遊亭一門の代わりに、林家を名乗る木久扇がいじめ役になっていて、
ちょっと雰囲気が悪くなっていました。
そんなに気にするほど、しゃべりは悪くなかったのですが、
三平自身が、耐えられなくなったのでしょう。