高校受験、万引き誤載自殺；刑事責任を問えるか？

また、学校を舞台にした痛ましい事件が起こりました。
事件のあらましについては既知として、学校の担当した職員の責任はどうなるのでしょうか？

単なる自殺であれば、生徒のいじめが原因であっても、刑事事件にはなりませんでした。
民事責任が問われ、賠償金の問題だけが争われます。

今回の自殺の原因には、学校側の過失が関与しています。
生徒記録に万引きの記録が、誤って入力され、それが訂正されないまま、進路指導が行われたことが、自殺のきっかけになっています。

まず、この記録が公式文書に当たるかどうかが問題です。
もしそうであるならば、虚偽公文書作製罪に当たる可能性が出てきます。

当初は、完全な過失での記載ですが、懐疑により指摘され、それを改正する機会がありました。
知っていながら、虚偽の内容を維持し続けたことになります。
もちろん、現時点でどの人に責任があるかは、断定できません。
どの範囲まで広げるかは分かりませんが、集団としての犯罪行為として立件することは可能でしょう。

さらに、この誤った記録により、生徒を万引きしたことがあると言及した担任はどうなるのでしょうか？
名誉毀損や侮辱罪には、該当しそうです。

担任は、誤った記録に基づいて、生徒に接しました。
つまり、故意はありませんが、このような重大な事項は、十分確認してから生徒に接する義務はあるでしょう。
しかも、決められた生徒指導の要件を満たしていません。
廊下で話をしたというのは、正当な業務遂行には当たらないと判断される可能性もあります。
十分刑事事件として立件できる要件は備えています。

もちろん、これらは、軽微な罪であり、立件して訴訟になっても、書類送検で罰金刑程度で終わるでしょう。
しかし、彼らは公務員です。
刑事罰、しかも業務上の行為での刑罰ですから、公務員規則の処罰の対象となります。

それが、どの程度の処罰になるかを監視する必要があります。
何人かは、懲戒免職までされなくては、世論に許されないし、自殺した生徒も成仏できませんね。