クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

主体展、大画面に描き込まれた個性的な絵は迫力満点

2015年10月04日 19時38分28秒 | 美術展
昨日見てきた主体展。
大画面に描き込まれた個性的な絵は迫力満点です。

そんな中でも私のお気に入りは、伊藤吉一さんの「光と風の響 Ⅰ」。
ダークトーンで描かれた立ち並ぶ樹木。
一部の木が部分的に金色に輝いています。
そして画面上部から降り注ぐ陽光が舞っています。
落ち着いた空気の中に大きな周期のリズムが感じられ、惹き寄せられます。

そして、塚本照子さんの「つなぐⅠ」。
白い表皮の大木が切り出され横たわっています。
大木の手前には、白く退色した数多くの葉がふんわりと重なっています。
悠久の時がゆったりと、そして着実に流れ、心地よい幸福感を感じます。

更には、薗田雅俊さんの「ヒヨリミ」、グェン・ディン・ダンさんの「THE HEADLESS BIRDS」、新島知夏さんの「永遠の微熱」。
いずれも人間の存在の不条理を表しているようにみえます。
自己の肯定と否定の狭間に顔を出す不条理に染められた体ごとの苦悩。
心の内面を、自我を表す人物と花や鳥との対比に託された世界は圧倒的な力を持ってます。

伊藤明美さんの「STAGE」。
若い男女が我を忘れて立つ姿は、そして無心に唄う姿には、見る者を彼、彼女の脇に立ちたいとの衝動を与えます。

第51回主体展は、今日まで愛知県美術館ギャラリーで開催されました。
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牧内則雄さんが描くからくり人形と一緒に空を飛ぶのは楽しい

2015年10月04日 18時45分47秒 | 美術展
人形が空を飛んでます。
手と足を伸ばし水平姿勢で飛んでる人形。
こちらを向いて、立位でふんわり空に浮かぶ人形。
からくり人形は、人形の遣い手から微妙な動きの力を得て、唐風の一張羅を着こんで、気持ちよさそうな顔をして、街の屋根を下に従えて飛んでいます。

画家牧内則雄さんが描くからくり人形たち。
牧内さんによれば『西は大津、北は高山、南は師崎、東は田原まで。』が、からくり人形が伝えられている地だそうです。
『尾張藩の勢力の及んだ地域に伝わるからくり人形は、中国故事ゆかりの物語に乗って舞う。』人形。

先月愛知県美術館で行われた「第41回中部白日会展」で出品されていた牧内さんが描くからくり人形に感銘を受けた私は、昨日は「描かれたからくり人形たち 牧内則雄展」に足を運びました。
ちょうど会場におみえになったにこやかな表情を崩さない牧内さんとお話ができたのは、幸運でした。
これからもこの地域に伝わるからくり人形を取材して描き続けるという牧内さん。
人形遣い手の情念と画家の情念が描き込まれたからくり人形を前にして、人形と一緒に空を飛ぶ気持ちのよい浮揚感がいっぱい味わえそうです。

「描かれたからくり人形たち 牧内則雄展」は、2日(金)~4日(日)に常滑市市民文化会館で開催されました。
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