テレビジャパンの「関口知宏のファーストジャパニーズ」という番組で、
オーストラリアの世界遺産「ゴンドワナ多雨林地域」でエコガイド(自然案内人)をやっている
32歳の藤井さんという日本人男性について紹介していた。
特に興味を惹かれたのは、藤井さんが旅で森を訪れる人々に目隠しをして、
視覚以外のあらゆる感覚を通して森を感じてもらうという試みをしていたことだった。
森の中で、関口さんが目隠しをすると、鳥の声が聴こえ、
射し込む太陽のあたたかい光を肌で感じると言い、
そのまま15分ほど経った頃に藤井さんは「あたたかく感じる方を向いてください」と言って、
関口さんが目を開けると、目の前には太陽の光ではなく、苔の生えた巨木が立っていた。
それは新鮮な驚きだった。
巨木の生命力を感じたのだろうか。
そこでふと、何年か前に訪れたカリフォルニアのレッドウッドフォレストを思い出した。
巨木が立ち並ぶ森の中に入ると、外界の音が遮断されたようにシンとして、
空気は流れることなく止まっているようで、ほんのりあたたかかったのを覚えている。
人間よりも、ずっと長い長い時を経て存在しているものの力とか、優しさとか、
そんな計り知れないあたたかさが漂ってるのかもしれない。
またそこに行ってみたい。