世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

猿の目

2017-02-13 04:18:16 | 黄昏美術館


オスカー・ココシュカ


自画像であるが、目と顔つきが一致していないことが明らかにわかる。

渋いことのできる男の顔に、猿のように弱気な目が灯っている。本霊はほとんど何もしていないが、訳のわからない不安にいつもさいなまれているのだ。

それはおそらく、自分を他人から盗んでいることへの呵責であろう。

何も偉いことをしていないのに、実力がある人間の人生を歩んでいることに、何らかの怯えを感じているのである。その様が絶妙の筆で描かれているが、残念ながら本人が描いているのではない。

この画家の作品は、ピカソのように、将来的に廃棄の対象になるだろう。人間の勉強が進めば、正体を見破られ、ごみと同様のものになる。

20世紀の芸術には、そういう絵画が多い。






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