アレクサンドル・イリチェフ
原題「ジャコメッティ」
彫刻家アルベルト・ジャコメッティの肖像らしい。よくいる偽物の芸術家である。
人間は、肉体を霊魂の姿に近づけるために、霊体にある種の霊的技術を施している。その技術の顔の部分を他人から盗み、自分の霊体の顔にくっつけ、全然自分とは違う顔になるということを、馬鹿は昔から繰り返している。
その技術が、馬鹿になってくると、こういう感じになるのである。本人が、顔を剋するような馬鹿なことをしたため、顔が腐って来るのだ。
ジャコメッティは針金のような人間の彫像を作って芸術家として名をなしたが、その名声も芸術も偽物だった。本霊は何もせず、活動はほとんどバックの霊界にいる他霊にやってもらっていた。いかにも重いことをやりそうなこの顔は、他人から盗んできたものである。本人の本当の顔は、もっと貧相で子供じみている。
大人として痛いことができそうなこの顔を、本人が子供じみたことをすることによって、傷めたのだ。だからまるで顔が今にも溶け落ちそうなほど、おかしなことになってくるのである。