萩尾望都
20世紀の芸術を考える上では、漫画文化を無視するわけにはいくまい。
これは現代の漫画家の中でも、数少ない上質の本物だという作家である。
だが、この作家は女性であるがゆえに、霊界的にも、人間界的にも、様々な妨害を受けている。その表現活動はその影響を受け、本人の本質からはあまり想像できない歪んだ形の作品も多い。馬鹿にならないと認めてもらえない人間社会の中で、自分を世間に合わせようともがいている表現者の魂が見える。
同性愛的な表現があるが、それは実は本霊のしていることではない。何らかの霊的存在が影響してやらせていることなのだ。
女性の表現者というものは、どうしてもこういう妨害を受けるものなのである。
その中で、この作品は、画家本来の長所を引き出している。彼女は本来このように、素直でかわいらしい女性なのだ。
男性を美しく描くのは、女性の表現によくあるものだ。男が男を描くときは、男の汚さを無視できないが、女性にはそういうところはあまりない。男性に対する愛をあまねく表現するとき、それはそれは、美しい男の姿ができる。
そういう女性の表現を、人間はもっと素直に喜ぶべきである。