ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

ポイントは目 2001.11.1

2001-11-01 08:33:55 | 嫩葉
ポイントは目 わたしは子どもの目を見るのが好きだ。明るい目、輝く目、優しい目、お茶目な目、悲しい目、眠そうな目、疲れた目、やる気を失っている目、何か訴えている目、子どもたちの目は一人ひとり違うし、瞬間瞬間変化する。従って、好き嫌いの問題ではなく、園長としての日課のように思っている。 子どもたちの言葉は必ずしも正直ではない。子どもたちは自分の身を守るために、時には嘘をつく。この嘘は決して罪ではない。 . . . 本文を読む

9.11ショック 2001.10.1

2001-10-01 08:32:31 | 嫩葉
9.11ショック 9月11日(火)夜、京都から奈良に向けて車を走らせていた。かなりきつい会議を取り仕切り、疲れ切って運転していた。今晩は、どこかで休憩しないと家までたどり着くことができるか心配であった。その時、突然意味不明のニュースがラジオを通して飛びこんできた。アナウンサーの声も震えていた。そこから自宅までは眠気どころではなくなった。やっと、自宅でテレビの画像を見ても何かスペクタクル映画を見てい . . . 本文を読む

わがまま 2001.9.1

2001-09-01 08:30:58 | 嫩葉
わがまま 何時頃からのことか、一生懸命思い出そうとしても小学校の3、4年生より前のことになると記憶がかすみどうしてもハッキリしたことが思い出せない。しかし、その事実だけは鮮明に思い出すし、その思いはかなり長くわたしの心にとどまり、今でも懐かしく思い出す。それは、日曜学校で歌った讃美歌の歌詞である。 当時の讃美歌を開くと今でも残っている。「うるわしき朝も、静かな夜も、食べ物、着物もくださる神さま。わ . . . 本文を読む

「なんで」 2001.7.1

2001-07-01 08:29:36 | 嫩葉
「なんで」 こういう言葉に出会った。「生きる意味をいつか問われん子を持ちて今日より答えを探す道のり」。長尾幹也という歌人の言葉である。(朝日新聞2001.7.10朝刊、家庭欄) そして長尾さんは次のように語る。 一人息子は4歳である。近ごろ、「なんで」「ど-して」という問いかけをよく口にするようになった。今は単純な質問ばかりだが、「人は何のために生きるのか」という根源的な問いを発する日がいつか来る . . . 本文を読む

サインにうそはない 2001.6.1

2001-06-01 08:27:51 | 嫩葉
サインにうそはない 「サインに嘘はない」というとその裏に「言葉には嘘がある」という現実が響いてくる。また、「言葉は誤解をうむ」と言えば、「サインは見落す」という言葉が共鳴する。誤解が生み出す人間関係の亀裂と同様に、サインの見落しは深刻な結果となる場合がある。特に、子どもが発するサインの見落しは悲劇的である。ところが、多くの場合、見落した大人は本人も自覚しないし、周囲もとがめない。悲劇は子どもだけが . . . 本文を読む

コゲラ 2001.5.1

2001-05-01 08:26:21 | 嫩葉
コゲラ 先日、園舎の裏の土手に植わっている古木の幹に奇妙な穴を見つけた。古木自体は数年前に枯れているが、幹にはかつらの枝が絡みついておりあたかもそれ自体が生きているように見える。直径2.5センチほどのまん丸の穴は、まるでやすりで磨いたように美しい。いろいろ想像しながら数日観察していると、やがてその秘密が明らかになった。きつつき科の小鳥コゲラが巣を作っていたのである。黒白の縞模様のかわいい小鳥が穴の . . . 本文を読む

主の祈り 2001.4.1

2001-04-01 08:24:05 | 嫩葉
主の祈り どんな人間でも、一生に一度くらい、真剣に祈りたいと思うときがある。たとえ、神を信じていない人でも、自分の力の限界にぶち当たったり、愛する人に裏切られたり、愛する人の死に直面したりしたとき、無邪気に祈れたら救われるのにと思うときがある。そういう人々の願いを代表して、弟子たちは主イエスに質問した。「どう祈ればいいのか」(ルカ11:1)。それに答えられたのが、「主の祈り」の原型である。従って、 . . . 本文を読む

美しいことば 2001.3.1

2001-03-01 20:46:56 | 嫩葉
美しいことば 先日、富山聖マリア保育園の創立50周年を記念する講演会で、児童文学者齊藤惇夫氏のお話をうかがった。齊藤氏は長く福音館で子どもの本の編集に携わった方で、非常に感銘深い内容のお話しであった。特に、わたしの心に残った言葉は「子どもが読むのだから」というエピソードである。カナダのある図書館で、「ナルニア国ものがたり」(全7巻)を読書ルームの棚に置くべきかどうかということで、7年間もかかって議 . . . 本文を読む

リズム 2001.2.1

2001-02-01 21:34:40 | 嫩葉
リズム 「リズム」というものがある。これは音楽だけの話ではない。人間関係、体調、社会、そして自然、それら森羅万象をリズムが支配している、という。(宮下富実夫著「リズム絶対主義」扶桑社)そこまで大げさに言わないまでも、確かにリズムというものが重要な役割を果たしている。特に感情とか、体調とか人間に直接する現象において非常に大きな影響力を持っている。リズムが狂うと何もかもうまくいかないし、リズムに乗ると . . . 本文を読む

新世紀 2001.1.1

2001-01-01 16:17:57 | 嫩葉
新世紀 新しい世紀を迎えるにあたって何か記念になるような文章を残したいという欲求のようなものがわたしの内部からふつふつと湧きあがってくる。しかし、残念なことに21世紀に何も「新しさ」を感じない。それはある意味では当然のことであろう。21世紀を20世紀から区別する標識はもっと後になってだんだんと見えてくるものなのだろう。 それにしても、わたしの中にある「新しい時代への欲求」は執拗である。単なる「現代 . . . 本文を読む

信実 2000.9.1

2000-09-01 16:15:30 | 嫩葉
信実 「セリヌンティウス」メロスは眼に涙を浮かべて言った。「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君が若し私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ」 セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯き、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから優しく微笑み、 「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日間、たった . . . 本文を読む

親子関係 2000.8.1

2000-08-01 16:52:54 | 嫩葉
親子関係 「ラヴ・ユー・フォーエバー」(岩崎書房)という絵本がある。一部ではかなり知られ、アメリカでは1200万部を突破したと言われている。日本でも毎月1万人の人々に読まれている、と帯表紙に書かれている。ひょんなことからわたしの目にとまり、1200円払って買い求め、読んだ。筋なんてものはない。同じ言葉の繰り返しである。それも、一人の母親が自分の子どもに対して語りつづける一つの言葉の繰り返しである。 . . . 本文を読む

名前 2000.6.1

2000-06-01 16:51:02 | 嫩葉
名前 人間には一人ひとり名前がついている。その人が生まれた時,命の次ぎに与えられたプレゼントである。それは間違いなくその人のものであり,その人自身になる。名前は他人がその人と他の人と区別するための符号や記号ではない。もちろん,そういう働きもある。幼稚園の先生たちが園児の名前を覚えるとき,外国語の単語を覚えるようにして覚えるのではない。面白いことに,その子どもの顔を見るまで絶対といえるほど名前を覚え . . . 本文を読む

復活 2000.4.1

2000-04-01 16:18:35 | 嫩葉
復活 キリスト教における信仰の中心に復活信仰がある。十字架刑によって死に,墓に葬られたイエスという人物が復活し,墓を破って出てきたという信仰である。この信仰はどう考えても「信じられる物語」ではない。しかし,キリスト教の歴史の最初期の指導者である使徒パウロが「キリストが復活しなかったのなら,わたしたちの宣教は無駄であるし,あなたがたの信仰も無駄です」(コリントⅠ15:14)と言いきるほど,この信仰は . . . 本文を読む

母親 2000.1.1

2000-01-01 16:17:04 | 嫩葉
母親 東京都文京区で起きた春奈ちゃん殺害事件以後,「世間の目」は母親たち,特に幼稚園児をもつ母親たちに向けられている。それは決して「暖かい目」ではない。同時に多くの母親たちからの告白に似た発言もある。ただ,それらのほとんどは匿名である。 今朝の朝日新聞(1999.12.12)の社説の欄でも「自分らしく生きて」という見出しで「公園のママ」たちのことが取り上げられ,「みんなと同じでなくてもいい,と腹を . . . 本文を読む