ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

リズム 2001.2.1

2001-02-01 21:34:40 | 嫩葉
リズム
「リズム」というものがある。これは音楽だけの話ではない。人間関係、体調、社会、そして自然、それら森羅万象をリズムが支配している、という。(宮下富実夫著「リズム絶対主義」扶桑社)そこまで大げさに言わないまでも、確かにリズムというものが重要な役割を果たしている。特に感情とか、体調とか人間に直接する現象において非常に大きな影響力を持っている。リズムが狂うと何もかもうまくいかないし、リズムに乗ると実際以上の能力が発揮される。著者の宮下さんはイチローの高打率を生み出している秘密はリズムにあると言う。ボクシングや相撲など格闘技において勝つ秘訣は相手のリズムを狂わすことにあるとも言う。
リズムには民族性があり、太平洋戦争において日本人は「軍隊のリズム」において統一され、敗戦後それを否定した際に、日本人の民族的リズムまで見失ってしまったとも言う。
話はそこまで広げなくても、日常的に幼稚園においてもリズムは決定的に重要な役割を果たしている。このリズムに対する感覚が鋭い教師と鈍感な教師とでは園児との関わりが異なってくる。一日の保育を省みて、今日の保育はうまく行ったと思うとき、それは子どもたちが持っているリズムに乗れたときである。さらに付け加えるならば、当然一人一人の子どもたちは朝登園してきたとき異なったリズムを持っている。先ず、子どもたちの中に「リズム合わせ」をすること、これをする際に音楽が非常に大切で、ここで先ずつまずいてしまうとその日の保育はうまくいかない。これがうまくいけば保育者はそれに「乗れば」いい。ところが、リズムに鈍感な保育者はその「リズムに乗れない」。
リズムに乗っていない歌はどんなによい歌でも楽しくないし、美しくない。つまらない。それは音楽だけの話ではない。園児にとっては幼稚園生活そのものが退屈になってしまう。
子どもたちはリズムに乗りたがっている。リズムに乗ればすごい力が発揮されるし、生命そのものがリズム(脈動)する。誤解するといけないのではっきり言うと、子どもたちをリズムに乗せるのではなく、子どもたちの内側に脈動しているリズムを読み取り、保育者側が合わせるのである。音楽に固有のリズムと子どもたち自身が持っているリズムとが合致したとき「生命と美」が発光する。つまり、子どもたちの顔が輝く。保育者が保育を続けるエネルギーはこの「輝く顔」を日々に出会うことから出てくる。わたしも「輝く子どもの顔」を見るために園長を続けている。(園長・牧師 文屋善明)

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