ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

光 1999.12.1

1999-12-01 16:12:38 | 嫩葉
光 園庭に聳え立つ十字架をライトアップするために照明器具を取りつけた。光は闇夜に建っている十字架のタワーを駆け登り、それを白く描き出す。ところが残念なことに力不足で十字架にまで達しない。光はむなしく闇夜に拡散し、天空に「十字架らしきもの」をボヤーと照らし出すのみである。がっかりした。なんとかもっと光を集中させて十字架を照らしたいものだ。 「光」という現象は非常に面白い。わたしたちは「光そのもの」を . . . 本文を読む

事故 1999.11.1

1999-11-01 16:11:40 | 嫩葉
事故 「臨界事故」と呼ばれている災害が突然多くの人々の命を脅かした。この「事故」は決して偶発的に起こった事故ではなく、その真相が明らかになるにつれ、犯罪にも近い事件であることがハッキリしてきた。要するに、「核」という生命を脅かす危険物をセメントやペンキのように安易に取り扱ったことによる人災である。不注意とか、知らなかったでは済まされない。危険物を扱うのにはそれだけの責任がある。 ウランや石油という . . . 本文を読む

十字架 1999.10.1

1999-10-01 16:10:29 | 嫩葉
十字架 目下、聖堂の建築が急ピッチで進んでいる。すでに、十字架を取り付けるための塔が立っている。地上12メートルの塔の上に縦2.5メートルの十字架が立てられる。 十字架はキリスト教そのものを示す象徴である。十字架が立っているところにキリスト教がある。もっとも、最近では男も女もアクセサリーとして十字架を胸にぶら下げているのが見られる。わたし自身は十字架を胸にぶら下げるセンスがない。というより、恐れ多 . . . 本文を読む

基礎 1999.9.1

1999-09-01 16:09:25 | 嫩葉
基礎 礼拝堂の建築工事が始まった。先ずは基礎工事。これがまた大変な工事である。掘って掘ってまた掘って、と大きなショベルカーによって10トンダンプで約20台分の土が運び出された。それでも、それは掘った土の約半分で残りは埋め戻しように園庭に山のように積み上げられた。掘り下げた一番底にコンクリートが張られ、建物の支柱を支える鉄骨のアンカーが埋め込まれ、その周りは鉄筋とコンクリートで固められた。基礎がこれ . . . 本文を読む

木目 1999.8.1

1999-08-01 16:08:05 | 嫩葉
木目 プールでは園児たちが歓声をあげて遊んでいる。とても楽しそうである。今日、プールに入れない園児たちはどうしているのかな、と思って礼拝堂をのぞくとそこではカプラ(フランス製の木片遊具)でこれまた楽しそうに遊んでいる。わたしもカプラで遊びたくなり、何枚かピースを手にして、何か園長らしいものを組み立てたいと思いをめぐらしていた。その内、カプラを手にしているだけで、楽しくなってきた。木の匂い、触覚が心 . . . 本文を読む

トイレ 1999.7.2未発表

1999-07-02 16:15:58 | 嫩葉
トイレ わたしが子どものであった頃と現在の日本人の生活空間を比較すると、台所とトイレの変化は著しい。電機冷蔵庫、電子レンジ、自動食器洗い器等々、技術革新と経済成長の恩恵は今更説明の必要がないであろう。トイレだって同じである。まだ、多少「汲み取り式」が残っているとはいえ、ほとんどが水洗化し、あるいはそれに準じるほどの設備にはなっているだろう。 これらの生活空間の変化が人間の考え方や、生き方に影響を与 . . . 本文を読む

研究 1999.7.1

1999-07-01 16:06:56 | 嫩葉
研究 何か大事件や異常事態が発生すると、必ずマスコミにその道の専門家とよばれる人々が登場して専門的な解説をしてくれる。そのとき、わたしは考える。こんなことを研究している人もいるのかと。この人はこの事件がなければマスコミにも登場しないし、彼が何を研究しているのか家族を含めてほとんど誰にも知られないで一生を終えたかもしれないと。しかし、そういう微細なあるいは突飛な諸研究の集積が人類の知識であり、その恩 . . . 本文を読む

おはし 1999.6.1

1999-06-01 16:05:34 | 嫩葉
おはし インド人の親しい友人がいる。家族で付き合い始めて20数年たつ。彼の家で彼の家族と食事をするのがとても楽しい。付き合い始めた当初はわたしたちに気遣って、ナイフ、フォークで食事をしていたが、だんだん親しみが深まると彼らは素手で食事をするようになった。彼らが素手で整えられた料理を口に運ぶ姿は実に美しい。まるで一流の奇術師のようで、見ているだけでうっとりする。彼らは料理を2度味わうという。まず、手 . . . 本文を読む

育つ 1999.5.1

1999-05-01 16:03:51 | 嫩葉
育つ すごい言葉に出遭った。出遭ったというより、向こうのほうから飛び込んできた。散歩するときはいつも最後に近くの本屋をのぞくのだが、この日も特別な目的なしに本屋で何気なく本を眺めていると、「育てたように子は育つ」(小学館発行)という言葉がわたしの目に飛び込んできて、その言葉の前でわたしは立ちすくんでしまった。早速、手にしてほとんど中身を見もしないで支払を済ませ、直ぐに家に帰り、ドキドキしながら本を . . . 本文を読む

だんご 1999.4.1

1999-04-01 16:01:24 | 嫩葉
だんご とにかく世間は「だんご」で大騒ぎ。本年の正月、まだ屠蘇気分が抜けきれない1月4日、NHKの「おかあさんといっしょ」という子供向けの番組で「だんご3兄弟」というなんとも言えない曲が発表された。いつもの「おかあさんといっしょ」の曲とは異なり、初めからおかしなイラストがおどる曲であった、という。恐らく、最初に「おもしろい」と感じたのは幼い子どもたちであった、と思われる。子どもたちはすぐに歌を覚え . . . 本文を読む

いのち 1999.3.1

1999-03-01 15:55:53 | 嫩葉
いのち 「いのち」ということを意識し始めるのは「死」を意識するのと同じことである。人間は「死ぬ」ということを知って「いのち」の大切さに気づく。これは大人だけではなく子どもでも同様である。むしろ、子どものほうが「死への恐怖」を素直に感じている。そのことに大人は気づかない。あるいは、気づかないことにしておいたほうが安心だと思っているのかもしれない。「いのち」は見たり、感じたり触れたりすることができる。 . . . 本文を読む

ここ一番 1999.2.1

1999-02-01 15:54:52 | 嫩葉
ここ一番 人生には「ここ一番」という時が何度かある。「ここ一番」というときに「ボヤー」としていると、その人のその後の人生に決定的な影響が現れる。 わたしは大相撲が好きである。1年に5回も場所があるので、楽しみが増えた反面、力士たちの「ここ一番」が均等化し面白さが減少した。均等化したということは、一回や二回の失敗は取り返せるということで、「ここ一番」が「ここ一番」でなくなるということでもある。それで . . . 本文を読む

お正月 1999.1.1

1999-01-01 15:53:34 | 嫩葉
お正月 クリスマスもさることながら、日本人にとってはやっぱりお正月です。わたし自身の子どもの頃のことを思い出しても、やっぱりお正月のことを懐かしく思います。 その頃、わたしたちは満州の新京(現在は中国の長春)という所に住んでいましたが、内地と同様まったく日本的な風習に従って門には門松を立て、床の間には鏡餅を飾っておりました。さすがにクリスチャンホームなので「しめなわ」は飾られなかったと思います。 . . . 本文を読む

聖堂 1998.12.1

1998-12-01 15:47:22 | 嫩葉
聖堂 かつて双葉幼稚園が斑鳩興留にあった頃、そこには味わい深い聖堂が立っていた。というよりも、保育活動自体が聖堂の中で行われ、うれしいことも悲しいことも、先生たちからほめられたことも叱られたことも聖堂との密接な関係の中で営まれたのである。従って、斑鳩時代の人々にとって聖堂は特別な場所であったに違いない。 この聖堂は大正15年(1926)7月6日に聖別されている。当時としてはかなり本格的な聖堂で周囲 . . . 本文を読む

台風 1998.11.1

1998-11-01 15:38:36 | 嫩葉
台風 今年の台風はおかしい。8月までは例年の半分以下で、今年は台風は一つも日本列島に上陸しないのかと、むしろそのことの方が心配であった。ところが、8月の末、園では夕涼み会や一泊保育の時になって、台風8号が接近し、はらはらさせられたが、台風の合間をぬうようにして無事に済ますことが出来て、ホッとした。ところが、8号より先に誕生していた7号が遅れて日本に接近してきた。しかし、7号に対しては不思議なことに . . . 本文を読む