ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

あぶない! 1998.10.1

1998-10-01 15:37:27 | 嫩葉
あぶない! あまりにも、あぶないことが多すぎる。自動販売機の飲料も気軽に飲めなくなったし、ラーメン屋に入っても用心しなくてはならない。しかし、いくら用心してもミサイルが飛んできたら、もうお手上げである。限られた紙面で危ないことをリストアップすることはできないが、子どもたちを取り囲む環境は最悪と言ってもよいと思う。 わたしは幼稚園の教師に求められている最もベースにある気質は危険予知能力であると思って . . . 本文を読む

男と女 1998.9.1

1998-09-01 15:18:04 | 嫩葉
男と女 日本聖公会は長い伝統を破って本年5月の総会において法規を改正し、女性にも司祭になれる道を開いた。このために10年以上にわたる激論が内部において続けられ、特にこのことについて反対して来た聖職や信徒たちには苦しい議決であった。長い議論の中で、わたしたちは「男とは」「女とは」という議論から、社会における男の役割、女の役割というについて学んできた。議論そのものが最も困難であったのは、男性も女性も共 . . . 本文を読む

おやつ 1998.8.1

1998-08-01 15:17:08 | 嫩葉
おやつ 「たかが、おやつ。されど、おやつ。」幼稚園において、おやつは特別な意味がある。 当園では、入園したての年少組の園児たちが園に慣れるまで「ちょっとしたおやつ」を出している。これは先生やお友だちとの絆を形成する重要な小道具となる。この「ちょっとしたおやつ」を選ぶのは年少組の先生の仕事である。それを与えるタイミング、質、量には、その教師の子どもたちに対する理解と技量と愛情が表現される。園外保育、 . . . 本文を読む

まんが 1998.7.1

1998-07-01 15:16:13 | 嫩葉
まんが わたしが一心不乱に本を読んでいると、その本をのぞき込んで「なんだ、勉強しているのかと思ったら漫画じゃない」と言われてしまった。確かにわたしはその時漫画を読んでいた。わたしが漫画を読むということは普通ではない。だいたい、わたしは漫画というものに興味が持てないし、あっちを読んだり、こっちを読んだりで面倒で仕方がない。この本にしても、字は小さいし、文章は断片的で流れるように読むというわけにはいか . . . 本文を読む

アーメン 1998.6.1

1998-06-01 15:15:06 | 嫩葉
アーメン 「アーメン」という言葉は、日本ではキリスト教を意味する隠語となっている。「あいつはアーメンだ」と言えば、彼はクリスチャンであるということを意味する。しかし、一般的には「アーメン」という言葉の意味はほとんど知られていない。この言葉はキリスト教では祈りや賛美歌の最後に必ずと言っていいほど付加される言葉であるが、もともとはヘブライ語で「本当に」とか「真実に」という、いわば「だめ押し」の言葉であ . . . 本文を読む

食前の祈り 1998.5.1

1998-05-01 15:14:04 | 嫩葉
食前の祈り わたしの手許に大切に保存している新聞の切り抜きがある。何新聞か不明であるが、日付は1995年5月10日で、当時、京大教育学部の教授であった藤本浩之輔先生が「子どもの周辺」というコラム欄に寄せられた「食前の祈り」という文章である。先生はキリスト者ではありませんが、先生の真摯な生き方やご家庭の風景が見える美しい一文である。このまま、誰の目にも留まらないで忘れられてしまうのは、あまりにもった . . . 本文を読む

つげ 1998.4.1

1998-04-01 15:00:54 | 嫩葉
つげ 幼稚園の門が出来上がった。思ったより立派な門になった。卒園式に間にあってホッとしている。おそらく卒園式や入園式の日には多くの園児が家族の人たちと一緒に門の前で記念写真を撮ることでしょう。そこで、園長は考える。何か西大和双葉幼稚園を象徴するような植木が門の前に欲しい。さっそく出入りの植木屋さんに相談した。わたしは一言、写真写りが良くて、「ゆっくり育つ木」と注文した。 「せんだん」も「もみじ」も . . . 本文を読む

どうぶつ語 1998.3.1

1998-03-01 14:56:38 | 嫩葉
どうぶつ語 全くうかつなことに、ギリシャの哲人ソクラテスがイソップ物語を知り、しかもその中の「羊と犬」の物語を友人に語っていることを、わたしは最近まで知らなかったのである。(クセノポン『ソクラテスの思い出』)要するにイソップ物語はそれ程古いということである。ところで、ソクラテスが語っている「羊と犬」の物語の冒頭に「動物がものの言えた頃」という言葉がある。イソップ物語にはこういう出だしの物語がいくつ . . . 本文を読む

門 1998.2.1

1998-02-01 14:55:27 | 嫩葉
門 門には、人それぞれ、いろいろな思い入れがある。端的に、門とは内と外とを分け、また結ぶ結界である。人は門を通ってある特定の領域に入り、また門を通って外に出る。普通は、何でもない通路に過ぎないが、時には出入りが厳しく制限されることもある。 わたしは西大和ニュータウンを散歩しながら、いろいろな門を見るのがとても楽しい。 門はその家の顔である。にこやかに微笑みかける門もあれば、顰めっ面をしている門もあ . . . 本文を読む

ピノッキオ 1998.1.1

1998-01-01 14:06:09 | 嫩葉
ピノッキオ 「ぼく、勉強する!仕事もする!おかあさんのいうことなら、ぼく、なんでもするよ!だって、あやつり人形の生活なんて、ぼく、もううんざりしちゃったもの!ぼく、どんなことしても、ほんとうの人間になりたいんだ」とピノッキオは叫ぶ。 1880年に書かれたカルロ・コッローディの代表作「ピノッキオの冒険」(米川良夫訳)を改めて読み直していろいろ考えさせられました。今から120年ほど前に書かれたものです . . . 本文を読む

聖書劇 1979.12.1

1997-12-01 14:05:09 | 嫩葉
聖書劇 聖書の物語を一つの劇に仕立てるという習慣は10世紀にさかのぼる。最も古い聖書劇は、「クエム・クリエティス」と呼ばれる典礼劇である。クエム・クリエティスというラテン語の意味は、「誰を捜しているの」という疑問文で、これは主イエスが復活された朝、マリア等3人の女性たちが墓を訪れたとき、天使が語りかけた言葉で、この場面を劇化したほんの数行の復活劇が聖書劇の始まりとされる。およそ1世紀間かけて、この . . . 本文を読む

ポプラ 1979.11.1

1997-11-01 14:04:02 | 嫩葉
ポプラ 9年前、西大和に住みついた頃、最初に書いた文章に、こんなことが書いてある。「幼稚園の園庭に幹の円周が5尺、高さは4、5階建てのビルを越えそうな大きなポプラの木がある。この大木が今にも倒れそうに揺らぐ。見ていると恐ろしくなる。風に吹かれて鳴る葉の音は、ここに来て初めの頃は本当に台風かと思って夜中に何回も目を覚ました。」(「大和伝道区だより」1998.5.20)このポプラの木には存在感がある。 . . . 本文を読む

ひみつ 1979.10.1

1997-10-01 14:02:32 | 嫩葉
ひみつ 大人は、なんでも話してくれて、秘密がない子どもを「よい子」といい、安心している。特に、親にとって子どもが秘密を持つということは心配の種であり、そういうことがなくいつまでも「明るい子ども」であってほしいと願っている。 しかし時には、他人に知られたくない子ども自身にとって恥ずかしいことと思っている秘密を持つこともある。その種の秘密は他の子どもたちに対する心理的距離を生じることもある。そういう場 . . . 本文を読む

おとな問題 1979.9.1

1997-09-01 14:01:05 | 嫩葉
おとな問題 絵本作家の五味太郎さんが「大人問題」(講談社)という本を出された。面白そうだなと思ってさっそく手に入れ読んだ。期待通りに面白い本であった。子供をめぐる様々な問題が取り上げられ論じられている。そこで論じられている内容は雑多で、それこそ五味さんが言うとおり、「きりがない」。細部の具体的な対応ということになると、かなり賛成しがたい点も多くあるが、「視点」は明解で、何れもほぼその通りだと思う。 . . . 本文を読む

心で見なくちゃ 1979.8.1

1997-08-01 13:59:56 | 嫩葉
心で見なくちゃ 聖書の次に大切にしている本がある。サン・テグジュペリの「星の王子さま」である。もう何回読んだか知れない。読むたびに赤線が増え、赤線の意味が分からなくなるほどである。この本のクライマックスで、キツネが「人生の秘密」を明かす。 「さっきの秘密をいおうかね。なに、なんでもないことだよ。心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ」「かんじんなこと . . . 本文を読む