ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

だんご 1999.4.1

1999-04-01 16:01:24 | 嫩葉
だんご
とにかく世間は「だんご」で大騒ぎ。本年の正月、まだ屠蘇気分が抜けきれない1月4日、NHKの「おかあさんといっしょ」という子供向けの番組で「だんご3兄弟」というなんとも言えない曲が発表された。いつもの「おかあさんといっしょ」の曲とは異なり、初めからおかしなイラストがおどる曲であった、という。恐らく、最初に「おもしろい」と感じたのは幼い子どもたちであった、と思われる。子どもたちはすぐに歌を覚え、歌い出した、と思われる。(「と思われる」の多用をお許しください。)ともかく、10日後の1月14日に発売された「NHKのおかあさんといっしょ」2月号は爆発的に売れた。さらに、3月3日にCDシングルが発売されると、たった一日で100万枚を突破したといわれている。こうなると、もはや流行というレベルを超え、社会事件であり、NHKをはじめマスコミ各社がニュースとして取り上げるしまつである。 さて、当幼稚園ではこの歌を保育の中に取り上げてもいいか、教師会で真剣に議論された。どれほど売れたとしても、あるいは大半の子どもたちが歌えるといっても、たかが「流行歌」である。積極的に取り入れることもない、という意見から、多くの子どもたちが楽しく歌うのであるから、入れてもいいのではないかという意見まで、そこから幼稚園で教えたり、歌ったりする音楽とは何か、ということについてまでも、共に考え、学ぶ機会となった。結論として、音楽のジャンルに捕らわれることなく、・芸術性、・文学性、・園児にふさわしいかどうか、という3つの視点から検討するべきであるということで意見が一致した。 それはともかく、この「だんご3兄弟」がなぜこれほど爆発的に流行るのか。これを面白いと感じた子どもたちの感性に驚く。確かに、リズムも面白いし、言葉の反復がかもし出す共感やイラストのイメージのおかしさ、「だんご」という身近な食品と「3兄弟」というイメージの結びつきなどが子どもの感性に響くのかもしれない。しかし、この歌が童謡として定着し、歌い継がれていくとは思われない。この歌にはディズニー音楽の「小さな世界」や「となりのトトロ」の「さんぽ」に感じられる深みがあるとは思われないからである。しかし、音楽とは必ずしも深みがなければならないものではなく、「歌って楽しい」という価値も見過ごしにできない。                          (牧師・園長 文屋善明)

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