木暮正夫先生の
お別れの会に行ってきました。
東京・千日谷会堂の
清楚な花の壇上で、
先生の明るく穏やかな笑顔が
迎えてくださいました。
わたしは会場のすみっこで、
みなさんのお話をききながら、
よく拝見したことのない
先生の「大きな手」のことを
想っていました。
先生の手が、つないでくださったものについて、
想っていました。
たくさんの方々がお集まりの、いい会でした。
デビュー前からの同志や仲間に
ひさびさに、あるいは、はじめて
お会いすることもできました。
いろんな方と、
先生のこと、お話したかったのに、
わたしはすっかりぼんやりで、
そのまま帰路につきました。
沢田俊子さんと、服部千春さんが、
ご一緒してくださいました。
さあ、これからですよ、と、
先生が、
おっしゃってくださっているような気がします。
東京へ行く直前に、
新しい仕事の依頼が入り
会のまえに、打ち合わせをしました。
かえってみれば、
ゲラや書類や、ありがたいお手紙が届けられ、
はやく仕事をはじめなさい
と、
先生のお声が聞こえるようでした。
先生の
いまはもう
目には見えない大きな手が、
これからも、
こどもを見つめる文学世界に生きつづける、
そんなふうにかんじた会でした。