散文的で抒情的な、わたくしの意見

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日本人のルーツ

2018年06月26日 | 歴史
日本史ブログのランキング欄なぞを見ていると、やたらと「日本人のルーツ」とか言う言葉が目立ちます。

僕はまず「ホモサビエンスの誕生」に興味があって、その流れで「日本人の成立、形成」に関する本も随分と読んできました。

本当は「日本語の成立」にはもっと興味があるのですが、それを扱った「まともな本」は「ほとんどない」と言っていいほど少ないのが現状です。

で、日本人を成立を考えてみるならば、

1、現代日本人は全てホモサビエンスである。ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)の遺伝子もほんの少し交じっているが、それを含めてホモサビエンスと言う。

2、ホモサピエンス以外の人類が東アジアにいたのは確かであろうが、その人類がホモサビエンスに変化したわけではない。

3、ホモサビエンスは5~7万年前にアフリカを出て、4万年前には東アジアに到達していた。

4、東アジアと書いているのは、日本列島が「島」になったのは1万年ぐらい前であって、それまでは陸地や氷で大陸と「つながっていた」からである。1万5千年ほど前「までに」バイカル湖あたりの北方、それから東南アジア付近の南方、さらに中国チベット朝鮮などの「大陸」からホモサピエンスが移動してきて、縄文人が形成された。DNA的には縄文人と現代日本人の間には距離があり、縄文人が我々日本人の「直接の祖先とはいえない」。ただし「文化的」には「祖先である」と言っても間違いとは言えない。

6、縄文文化を担ったのはむろんホモサビエンスである。縄文時代早期、1万2千年前ぐらいに日本は「列島」になり大陸から切り離される。切り離されても、北方からも南方からも大陸からも、人は様々な手段で日本列島にやってきていた。

7、中国方面から水田稲作技術を持った人々が日本列島にやってくる。特に中国が春秋戦国時代を迎えると、日本への流入が多くなる。紀元前8世紀から紀元後3世紀にかけてである。この水田稲作民と縄文人が交じり合い、弥生人が形成される。この弥生人が現代日本人の直接のルーツである。現代日本人のDNAには縄文人のDNAが12%ほど(他に説あり)含まれている。

8、当然ながら我々日本人とDNAが一番近接しているのは弥生人のルーツである中国人である。

「中国人がルーツだと思いたくない」「縄文人が直接の祖先だと思いたい」「日本人は単一民族だと思いたい」という「願望」や「幻想」、というか、つまりは「情熱」を持つ人がいるのは分かりますが、違います。全く違います。

ただし「日本語は孤立した言語」というのはその通りで、だから私は日本語に興味があるのですが、何の資料もないので、本格的に日本語の成立(縄文以前の)に取り組んでいる学者さんは、ほとんどいません。資料がないから研究しようがない、わけです。DNAを調べても、言語のことは分かりません。