鏡海亭 Kagami-Tei  ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石?

孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン)

生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。

第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29

 

拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、

ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら!

小説目次 最新(第59)話 あらすじ 登場人物 15分で分かるアルフェリオン

その絆、力に変えて

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幼い頃のルキアンをリューヌが見守っていたときの場面です。
が・・・「一緒に本当のお家に帰ろう」って、こんな危なそうな人に連れていかれたら、ダメですよね!(笑)
何だか、かよわい少年を堕天使が誘惑しているシーンのようですが。
実際には、上掲の画像の場面は、小説本編の中では第35話で出てきました。

以下、そこから引用です。


 ルキアンの記憶の中、いや、現実の記憶と空想とが入り交じったイメージの中。薄暗い深緑につつまれた森の奥に向かい、一本の小道が伸びる。苔むした老木の根元に銀髪の子供がうずくまっていた。小さい身体、華奢な背中いっぱいに、あどけない男の子が背負うには重すぎる孤独が、影のように染みついている。
 弱々しい、かすれた声で、幼いルキアンはつぶやく。
 ――おうちに帰りたいよぅ……。
 いつの間にか、黒い衣装に身を包んだ女が彼の前に立っている。腰まで届く長い髪も同じく闇の色、彼女の背中には漆黒の翼があった。
  ――私と一緒に、本当の家に帰りましょうね。
 翼をもった黒衣の女は、そっと手をさしのべる。
 みじめな幼子は不意に顔を上げ、何かに気づいたかのように周囲を見回した。しかし、誰もいないことを知ると、再びうつむいてすすり泣き始める。
 黒衣の女は血の気のない真白い手を伸ばし、彼の頭をなでた。だが彼女の手はルキアンの身体を通り抜ける。指先は、むなしく宙をつかむ。
 ――もう泣かないで。私の大切な……。
 ルキアンの額に、彼女は届かない口づけをした。ガラス玉のような瞳に感情の光を見て取ることはできなかったが、その背中には一抹の寂しさが漂っているようにもみえる。黒き闇の天使は翼を開き、いずこへともなく消え去った。


以上です。切ないですね・・・。

第35話「パンタシア」のルキアンは、このような鬱回想と独白を延々と繰り返したうえで、シェフィーアさんの言葉に励まされ、御子のもつ「ダアスの目」を半ば開きつつ、超覚醒します! アルフェリオンもゼフィロス・モードに初変形し、そこからのルキアンの猛攻は、ゼフィロスの「超空間感応」と「縛竜の鎖」を使ったオールレンジ攻撃(!?)で、強敵「ナッソス四人衆」の一人・パリスを圧倒、撃破するのでした。
鬱回想から超覚醒・超展開、小説『アルフェリオン』の醍醐味(笑)が詰まった第35話ですね。

何しろ第35話のタイトルの「パンタシア」というのは、この物語に出てくるキャラたちの力の核心となるものです。これには期待してしまいます。本来なら、最終回直前に出てきてもおかしくないタイトル、いや、最終回のタイトルですらありそうな感じですね。

そういった扱いに見合うほど、第35話は序盤の山場となっています。でも、その重要な回において、事実上、ヒロインみたいな役割を果たしているのが(当時はまだ敵方のモブキャラみたいだった)シェフィーアさんですから、これはもう笑うしかありません。


何だ。私を呼んだか?

いいえ、お引き取り下さい(笑)。

 ◇

こんな調子で、ネット小説ならではの「そんなのありか?」の『アルフェリオン』、引き続きよろしくお願いします。本日も鏡海亭にお越しいただき、ご声援をいただき、ありがとうございました。
最新話の第53話についても、次の更新に向けて鋭意執筆中です。

ではまた。

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