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【葛藤なき対米従属】戦闘機開発でまた言いなりか…アメリカにナメられ続けた日本の「悲しすぎる末路」~対米従属から抜け出す道はあるのか?問われているのは私たちの覚悟~

2022-12-06 06:35:24 | 日記

 


■対米従属から抜け出す道はあるのか?

~日本はどういう国として生きていくのか。問われているのは私たちの覚悟~

論座(朝日新聞)2020年11月01日『戦後日本を問いなおす』(原彬久)三浦俊章 朝日新聞編集委員

https://webronza.asahi.com/culture/articles/2020103000003.html


~~~


・アメリカの対日優位を示す山ほどの事例


同じ同盟国でも、独仏はアメリカのイラク戦争に反対したが、日本はアメリカを支持して、米艦給油や復興支援で自衛隊を出した。

このほかにも、アメリカの対日優位を示す事例は山ほどある。


基地外に墜落したばかりの米軍ヘリの事故現場に、なぜ日本の警察は近づけないのか。

なぜ首都東京上空の航空管制権を、横田基地を持つ米軍に広範囲に委ねて、日本の航空会社の飛行ルートが制限されるのか。


なぜ日本の首相はワシントン詣でを繰り返し、日本の防衛体制や防衛費に構造的歪みをもたらしてまでアメリカの兵器システムを購入せねばならないのか……。


(中略)


・勝者と敗者がつくった「戦後日本の母型」


著者がまず指摘するのは、アメリカと日本が戦勝国と敗戦国として、戦後の安全保障関係を作り上げたことだ。

その出発点を、著者は「戦後日本の母型」と呼ぶ。


そこには三つの基層がある。

第一の基層は天皇制である。


日本を単独占領したアメリカは、占領を効果的に進めるために天皇制を温存した。

アメリカが天皇制を許容したことは、日本の保守層に感謝の念を生むとともに、アメリカに対する負い目をもたらした。


第二の基層は、日本国憲法、特に9条である。

米国の狙いは、日本がアメリカにとって脅威にならないように、侵略性を除去するとともに、アメリカと同質の民主主義に改造することにあった。


第三の基層は、講和条約と同時に結ばれた日米安保条約(1960年に改定)だ。

著者はその本質を「駐軍協定」とみる。


日米安保は対等な相互防衛条約ではない。

在日米軍は日本を守るだけでなく、極東の平和と安全に寄与するために日本国内の基地を使うことが許されている(いわゆる「極東条項」)。


独立国が他国の軍隊の基地を自国内に認め、実質的にその自由な使用を認める世界でも稀有な条約になっている。

以上、三つの基層に共通するのは、国益を徹底的に追求するアメリカの政治的リアリズムだ。


こうした占領体制を色濃く残す「戦後日本の母型」の上に、日米非対称体制が築かれている。


日米安保が「駐軍協定」の性格を持つことは、他の研究者も指摘しているが、天皇制と憲法も含めて「三つの基層」という枠組みでとらえ、そこに通底するものとしてアメリカの国益の論理を見るのは、国際政治学のリアリズムの古典(E.H.カーやモーゲンソー)を深く読み込んだ原氏ならではの鋭い着眼点である。


著者の日米非対称システムの分析は、さらに一歩踏み込む。

アメリカ優位の体制が続くのは、弱者である日本がそれを受け入れているからでもある。


それは何か。

著者が挙げるのは、占領期の首相吉田茂である。


吉田は、占領軍に対峙するにあたって「敗けっ振りをよくする」ことを考えた。

しかし、不平等の極みである「極東条項」を飲んだのは吉田の外交的失策ではないか。


「敗けっ振り」をよくすることは、アメリカの目には日本人の「従順さ」「自立心の弱さ」と映り、日本の「対米追随」を定着させた、と原氏は見る。

この脆弱性を、その後の保守政権の外交も、克服できなかった。


安保を批判していた社会党も、同党が首班の村山富市政権で「安保堅持」に転じた。

村山政権は1995年の沖縄少女暴行事件で地位協定への批判がかつてなく高まったときも、改定のチャンスを逃している。


政党が保守であろうと革新であろうと、日本外交は非対称システムに屈し続けた。

従属構造を変える道は、あるのだろうか。

 

・現状に対する危機感の深さ


では、日本はどうすればアメリカと対等になれるのか。

同盟強化論者たちのひとつの見解は、日本が集団的自衛権を米領土でも行使できるようにして、真の相互防衛条約にすればよい、というものだ。


だが、ことはそれほど簡単ではない。

「アメリカの世界戦略における極東条項・地位協定の絶大な軍事的・政治的効用からすれば」、それらを手放すことはありえない、アメリカがこの権利を手放す時は、日本を見捨てるときだろう、と原氏はみる。


アメリカの外交文書をつぶさに研究し、アメリカの官僚や軍人が日米安保をどう見てきたかを知り尽くした著者の発言は重い。

日米の非対称性を改めるには、いったいどうすればいいのか。


ここから、叙述のトーンはがらりと変わる。

すくなくとも、私にはそう感じられた。


日米非対称の構造を分析する著者の筆致は、シンプルに整理され分析は鋭利である。

ところが、処方箋を論じる段になると、次から次へと課題や論点がわき出してくる。


まずは、権力に弱い日本国民の心性、主張すべきことを主張しない欠点が指摘される。

外交力の飛躍的な向上の必要性が説かれ、護憲・改憲の硬直した対立も克服せよ、という。


強力な野党の必要性、民主主義の最後の砦としての文民統制、さらには靖国問題や歴史意識、と次々に課題が現れる。

どれももっともな指摘だが、アメリカと対等になるためには、日本政治、日本社会への深い自省が必要ということなのだろうか。


実証分析をやってきた学者がここまで話を広げるのは、著者の抱く現状への危機感だろう。

その危機感の深さに圧倒される。

 

・独立の気力なきものは……


ここでは原氏の指摘のうち、特に共感した2点に触れて、この小論を閉じたい。

原氏は本書で明治の思想家、福沢諭吉の『学問のすゝめ』から以下の部分を引いている。


「独立の気力なき者は、必ず人に依頼す、人に依頼する者は、必ず人を恐る。人を恐るる者は、必ず人に諂(へつら)うものなり。常に人を恐れ人に諂う者は(中略)論ずべきを論ぜず、人をさえ見れば、ただ腰を屈するのみ」(第三編)


これは外交の話だけでない。

国内政治においても、私たちの社会生活や組織の中でも、そういう独立の気概があるのか、と問わねばならないだろう。


活力なき社会で、外交ばかりが活力を持つことはありえないからだ。

 

・日米の非対称性克服の道はマルチの構築しかない


原氏の指摘で、もうひとつ、ひざを打ったのは、アジア太平洋における多国間相互依存ネットワークの構築の提言である(著者「あとがき」)。

アジアには、北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)のようなマルチの枠組みはない。


基本は、アメリカを中心とする二国間の同盟関係からなるハブアンドスポークの安全保障体制だ。

たしかに、欧州とアジアには国際環境と歴史の違いがあり、アジアで同様の枠組みを作るのは相当険しい道のりと言わざるを得ない。


しかし、現在のアメリカ中心の体制が続く限り、アメリカの同盟国同士は横のつながりが弱い。

欧州のように同盟国同士が団結してアメリカに向き合ったり、注文したりすることはない。


それによってアメリカの優位は固定化し、またアメリカのコミットメントが崩れれば安全保障の枠組み全体が崩れる脆弱性がある。

ハブアンドスポークに依拠する日米の非対称性を克服する道は、遠い目標であるが、やはりマルチの構築しかないだろう。


~~~
対米従属から抜け出す道はあるのか?~日本はどういう国として生きていくのか。問われているのは私たちの覚悟~
論座(朝日新聞)2020年11月01日
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2020103000003.html

 

 

 

 

 

 


■対米従属から脱却するために、いま日本がやるべき「3つのこと」

週刊現代(講談社)2019.5.19

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64558


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・安保条約はアメリカの軍部が書いた


まず、問題は大きく2つに分かれる。

(1)なぜ、これほど異常な状況が生まれたのか
(2)なぜ、これほど異常な状況が続いてしまったのか


この(1)の問題をあっけなく説明してしまうのが、この人物だ。

カーター・B・マグルーダー陸軍少将。


彼が日本の戦後史における第1の盲点である。

おそらく彼の名前を聞いたことがある人は、ほとんどいないだろう。


だが「戦後日本」という国家にとって、実はこれほど重要な人物もいない。

というのはこのマグルーダーこそが、現在まで続く、日米安保条約と日米地位協定の本当の執筆者だからである。


ではなぜ他国との条約を、本来の担当であるアメリカ国務省ではなく、軍人が書くことになったのか。

その理由は旧安保条約が調印された1951年の、前年(1950年)6月に起きた朝鮮戦争にあった。


この突如始まった戦争で米軍は当初、北朝鮮軍に連戦連敗する。

その後も苦戦が続くなか米軍は、それまで一貫して拒否していた日本の独立(=占領終結)を認める代わりに、独立後の日本との軍事上の取り決め(安保条約)については、本体の平和条約から切り離して軍部自身が書いていい、朝鮮戦争への協力を約束させるような条文を書いていいという、凄腕外交官ジョン・フォスター・ダレスの提案に合意したのだった。


なので先の(1)への答えは非常に簡単だ。

日米安保条約や地位協定は、もともとアメリカの軍部自身が書いたものだった。


しかも平時に書いたのではなく、戦争中に書いた。

だから米軍にとって徹底的に都合の良い内容になっているのは、極めて当然の話なのだ。


その取り決めの本質は、下の旧安保条約・第1条のなかにすべて表現されている。

ーーー

旧安保条約・第1条(1951年9月8日調印)(要約)

「アメリカは米軍を、日本およびその周辺①に配備する②権利を持つ」

ーーー

この②の部分が日本の国土の「自由使用」、①の部分が「自由出撃」(日本の国境を自由に越えて行う他国への攻撃)を意味している。

その2つの権利を米軍は持つということだ。


そしてこの短い条文が意味する具体的な内容を、さまざまな状況別に条文化したものが、安保条約と地位協定(当時は行政協定)、そして無数の密約なのである。

いうまでもなく、そうした国家の主権を完全に他国に明け渡すような条約を結んでいる国は、現在地球上で日本以外にない。


つい最近、21世紀になってからアメリカに戦争で負けたイラクやアフガニスタンでさえ、米軍がそれらの国の許可なく、国土の「自由使用」や「自由出撃」をおこなうことなど絶対にできない。

いくら戦争でボロ負けしようと、占領が終われば国際法上の主権国家なのだから、それが当然なのである。

 

・インチキだった安保改定


ところが日本だけはそうなっていない。

その理由もまた、ひとことで説明することができる。


安保改定がインチキだったからだ。

1960年に「対等な日米新時代」をスローガンにして岸首相がおこなった安保改定により、旧安保時代のような事実上の占領状態はなくなったと日本人はみんな思っている。


ところが岸は安保改定交渉が始まる前年、訪米しておこなったアイゼンハワーとの首脳会談で、次の内容に合意していたのである。

ーーー

「日本国内の米軍の配備と使用については、アメリカが実行可能な場合はいつでも協議する」(部分)(会談後の共同声明 1957年6月21日)

ーーー

前ページの旧安保条約・第1条に書かれた、「日本の国土の自由使用」と「自由出撃」という植民地同然の権利。

それが安保改定後もそのまま存続することが、このとき確定した。


というのも岸による安保改定の目玉は、米軍の自由な軍事行動に日本側が制約をかける「事前協議制度」の創設にあったのだが、その「事前協議」の本質が「米軍がやりたくない場合はやらなくていい」ものだということが、ここで合意されてしまったからである。


その後結ばれた新安保条約、日米地位協定と、その他無数の密約は、やはりこの共同声明の1行を、細かく条文化する形で生まれたものといってよい。


そしてその過程で、日本の戦後史における2つ目の盲点が生まれる。

下の漫画の2コマ目にある「討議の記録」という名の「密約中の密約」である。


これはいわば先の共同声明の内容(事前協議制度の空洞化)を、ABCD4つの具体的な密約条項に書き換えたものといえる。

漫画にあるように、AとCが日本の国土の自由使用、BとDが日本の国土からの自由出撃についての密約である。


新安保条約調印の約2週間前(1960年1月6日)に藤山外務大臣によってサインされている。

冒頭の「(2)なぜ、これほど異常な状況が続いてしまったのか」という問いへの答えは、この密約文書ひとつですんでしまう。


ひとことでいうとこの密約は、旧安保時代の米軍の権利は、ほぼすべてそのまま引き継がれるという内容の密約だからだ。

ところがこの「日米密約の王様」ともいうべき最重要文書のことを、やはり日本の官僚もジャーナリストも、ほとんど知らない。


その理由は外務省が長らくこの文書の存在を否定し続け、2010年にようやくその存在を認めたあとも、一貫して文書の効力を否定し続けているからだ。

 

(中略)


・輝ける未来のためにすべきこと


このような構造を知ると、せっかく盛り上がりつつある地位協定の改定運動に水をかけるようで大変申し訳ないのだが、いくら地位協定の条文を変えても、新安保条約・第6条後半の「及び、合意される他の取り決め(で決定する)」という部分を削除しないかぎり、なんの意味もないことがわかる。


この短い文言のなかにはすでにご説明したとおり、日米合同委員会だけでも(安保改定以前と以後をあわせて)1600回を超える、密室での秘密合意の内容がすべて含まれているからだ。

だから地位協定を本気で改定しようとするなら、必ず新安保条約・第6条から上の下線部分を削除したうえで、改定をおこなう必要がある。


つまりそれは非常にミニマムな形ではあるが「安保再改定」にならざるをえないということだ。

「いや、地位協定の改定だけでもハードルが高いのに、安保再改定なんて絶対無理だよ」

とあなたは思うかもしれない。


けれどもそんなことは、まったくないのだ。

国会で正式に批准された「日米地位協定の条文」と、過去70年にわたって密室で蓄積された秘密合意が、法的に同じ効力をもつことを定めたこのメチャクチャな条文。


まともな親米政権をつくって「ここだけは占領期の取り決めが継続してしまったものなので、変えることに同意してほしい」といえば、断ることのできるアメリカの官僚も政治家も絶対に存在しない。

いま東アジアでは、世界史レベルの変化が起こりつつある。


昨年(2018年)3月から韓国の文在寅大統領がスタートさせた入念かつ大胆な平和外交が、その巨大な変化を生んでいるのだ。

それに比べて日本の解決すべき課題は、なんとちっぽけなことだろう。


「新安保条約・第6条の一部削除」

「日米地位協定の改定」

「日米安保の問題については憲法判断しないとした砂川裁判・最高裁判決の無効化」


この3つさえおこなえば、在日米軍を日本の国内法のコントロール下におくことが可能となり、現在の歪んだ日米関係は必ず劇的に改善する。


だからこの「最小限の安保再改定」と「地位協定改定」と「砂川裁判・最高裁判決の無効化」の3つで、まず野党の指導者が合意し、それに自民党の良識派も足並みをそろえてみてはどうか。

そして国家主権の喪失という大問題を解決したあと、またそれぞれの政治的立場に帰って議論を戦わせればいい。


逆に、ここまで私が説明してきた法的構造を理解した上で、それでもなお、上の3つに怖くて手をつけられないという政治家は、日本という国の政治指導者の座から、すぐに退場させるべきだ。

この本当に小さな変更さえおこなえば、その先に、われわれ日本人が望んでやまない、


「みずからが主権をもち、憲法によって国民の人権が守られる、本当の意味での平和国家としての日本」

という輝ける未来が、訪れることになる。


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対米従属から脱却するために、いま日本がやるべき「3つのこと」~これができない政治家は退場せよ!~
週刊現代2019.5.19
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/64558

 

 

 

 


■「安倍外交は思考停止状態の“葛藤なき対米従属”。自ら進んで愚鈍化している」

exciteニュース 2016年6月5日 週プレNEWS

https://www.excite.co.jp/news/article/Shueishapn_20150523_48231/


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憲法改正、集団的自衛権の行使容認、原発再稼働など、ここ数年、日本が直面する諸問題について「戦後の歩み」という視点から分析し、警鐘を鳴らす内田樹(たつる)氏と白井聡氏の対談本『日本戦後史論』(徳間書店)が注目を集めている。


戦後70年の節目で大きな政策転換を図ろうとする日本の「今」を、世代の異なる人気論客のふたりはどう捉えているのか?

* * *

―まずは、おふたりがなぜ日本の政治や社会が置かれている今の状況に強い危機感を感じ、怒りを露(あらわ)にしているのかというあたりから伺いたいのですが?

 

白井 ともかく起きることすべてに腹が立つので、自分が何に怒っているのかわからなくなりそうなんですが、きっかけは、やはり4年前の3・11東日本大震災です。

で、その3・11と絡めて話すと、最近、第2次世界大戦中の本土空襲に対する政府の対応について書かれた『検証 防空法 空襲下で禁じられた避難』(法律文化社)という本を読んだんですね。戦前の政府は、対米戦が始まる前から本土空襲を想定して「防空法」という法律をつくるのですが、その基本精神は「国民は逃げてはいけない」ということなんです。

なぜかというと「初期消火が国民の義務」だからです。政府は焼夷(しょうい)弾の威力をよくわかっていながら「焼夷弾なんて怖くない。国民は逃げずに都市にとどまって、勇猛果敢に火と戦え」と。学童疎開が行なわれましたが、それは若い命を救うためではなくて、あくまで「消火の足手まといになるから」というロジックでなされたのです。

しかも、「すぐに飛び出して初期消火ができるように、防空壕(ごう)は家の床下に穴を掘って造るように」としたのです。でも、家が空襲で燃えれば、防空壕に避難した人が蒸し焼きになって死んでしまうことなどわかるはず。戦前の政府は国民の命を守るのではなく、この「防空法」で彼らに逃げることを許さず、都市に人間を閉じ込めて蒸し焼きにしたのです。
この本を読んでいると、今の福島が置かれている状況を連想せずにはいられません。本当は原発や放射線がどんなに恐ろしいものかわかっていながら、安倍政権は国民や国土ではなく「政府そのもの」や「国」を守るために現実を否認してでも前に進もうとしている。やっていることは戦前の防空法と同じです。

表向き、日本という国は1945年の敗戦によって大日本帝国とはまったく違う国に生まれ変わったことになっているけれど、3・11以降、本当はそうじゃないということが明らかになった。戦時中、国民は国家の奴隷のような状態だったわけですが、今もその状態を脱していないと思うわけです。ところが、国民は自分たちが奴隷状態であることに腹も立てず、気づきもしない。
それどころか、それに気づいて怒り始めた人に対して、「バカじゃないの」と指さして笑い合うことを娯楽にする連中が増殖している。僕はそんな国民に呆れ果てています。

 

内田 現状に対する認識はほとんど同じです。でも、市民的自由と民主主義という、近代市民社会の価値観が支配的だった時期もあったと思います。

例えば、高度成長の駆動力になっていたのは「今度はアメリカに勝つ」という、戦中派の戦闘的なメンタリティでした。「軍事で負けた戦いを経済の舞台でやり返す」という気持ちが確かにあった。

その一方で、戦後日本の外交戦略は一貫して「対米従属を通じて対米自立を実現する」という屈折したものでした。アメリカから自立するためには、とりあえず徹底的にアメリカに従属しなければならないという複雑な方程式を戦後日本は選ぶことを余儀なくされた。

だから、日本の戦後は「葛藤の70年間」だったと思います。ただ、この葛藤が生産的に機能したという側面もあった。人間は葛藤の中で成長するものですから。

それがこの10年で大きく変わり、葛藤を忌避して、シンプルな物語を好む人たちが社会の前面に出てきた。対米従属と対米自立の難しい案配ができなくなった。

政治的な右傾化というよりはむしろ「精神的な幼児化」ということじゃないかと思います。建前と本音を巧みに使い分けしながら、アメリカに面従腹背して国益をじりじりと確保するという複雑な芸当をする能力を日本人が失った。

日本政府が外交能力を失い、日本人の国際感覚が鈍麻して、ベタでわかりやすいストーリーにすがりつくようになったのです。その結果、外交は思考停止状態の「葛藤なき対米従属」になっている。


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「安倍外交は思考停止状態の“葛藤なき対米従属”。自ら進んで愚鈍化している」
exciteニュース 2016年6月5日 週プレNEWS
https://www.excite.co.jp/news/article/Shueishapn_20150523_48231/

 

 

 

 


■アメリカにナメられ続けた日本の「悲しすぎる末路」

戦闘機開発でまた言いなりか…

週刊現代(講談社)2020.12.13

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78291


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・米政府に煮え湯を飲まされた過去


だが、ここからが問題である。

防衛省には戦闘機開発をめぐり、米政府に煮え湯を飲まされた過去があるからだ。


1980年代に、F2戦闘機を日米で共同開発した際、米政府は米議会の反対を理由に提供を約束した飛行制御プログラムを開示せず、日本側の開発費が高騰する一因になった。

開発終了後も、米政府は機体製造への参画を言い出して譲らず、日本政府から受け取る製造費は開発費と同じ割合の40%を主張。


日本政府が折れて希望通りに支払った結果、約80億円で調達できる見込みだったF2は約120億円に高騰した。

エンジン1発のF2が、エンジン2発のF15戦闘機より高いのだ。


これで見合うはずがない。防衛省は調達機数を当初予定した141機から94機に下方修正し、計画より早い2007年に三菱重工業での生産を終えた。

その一方で、日本の先進技術による炭素複合材の製造技術が米国に流れ、米国はF22戦闘機やF35戦闘機に転用するちゃっかりぶりも明らかになった。


F2の生産終了後、三菱重工業で行っている戦闘機の製造といえば、F35戦闘機の「組み立て」である。

米政府が日本側に戦闘機の製造技術が流れることを嫌ってライセンス生産を認めず、部品を組み立てるだけのノック・ダウン生産にとどめたからだ。


愛知県の小牧南工場で生産されているにもかかわらず、米政府はステルス技術の流出防止を理由に検査棟を立ち入り禁止とし、完成検査は日本側を締め出して米側だけで行っている。

完成検査後の機体は米政府の所有となり、米政府は防衛省の購入価格を米国から輸入するより約50億円も高い約150億円の高値をつけた。


すると、安倍晋三政権は2018年に追加導入を決めた105機を「安い方」とすることを決め、追加分のF35はすべて米政府からの輸入となり、三菱重工業での生産は行われないことになった。

 

・日本は自立した国家になれるのか


日本政府は面白いように米政府のワナにはまり、米政府の言いなりである。

その反省から、防衛省は今回の次期戦闘機の開発にあたり、「わが国の主体的判断で改修や能力向上ができる改修の自由度」を条件にひとつに入れた。


日本で開発したり、生産したりしながら、米政府の意向で満足に改修できなかった過去を打ち破ろうというのだ。

また、国内企業参画を目指し、国内産業基盤を維持するために「適時・適切な改修と改修能力の向上」と「高い可動率の確保および即応性向上の観点から、国内に基盤を保持しておくことが必要」とした。


第2次安倍政権になってから、米政府の武器商法である「対外有償軍事援助(FMS)」に基づいて、米国製武器の「爆買い」をした結果、米政府に支払いを済ませているのに武器が未納となっているケースが2017年度末で約349億円に達することが会計検査院の報告書で明らかになっている。

米政府に主導権を握られると米側の都合が最優先され、次期戦闘機が肝心なときに稼働できない事態に陥ったり、適時・適切に改修もできないようになったりしては、お話にならない。


防衛省幹部は「わが国が主導する開発プロジェクトの中で、どのような形での国際協力を活用するかがカギになる」と話す。

今回、選定されたロッキード・マーチン社は三菱重工業の下請けとして、同社や防衛省が必要と判断した範囲内の業務のみに従事する「脇役」に留め置くという。


米政府の言いなりになるだけの不適切な主従関係を見直し、自立した国家になれるのか、次期戦闘機の開発を通して、日本の覚悟が問われている。


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アメリカにナメられ続けた日本の「悲しすぎる末路」
戦闘機開発でまた言いなりか…
週刊現代(講談社)2020.12.13
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78291

 

 

 


■対米従属政治がなぜだめなのか

エキサイトニュース(2019年2月26日)植草一秀

https://www.excite.co.jp/news/article/Mediagong_27754/

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政治を刷新するには選挙という関門を通過しなければならない。

戦後の日本政治を支配してきたのは敗戦直後の一時期を除き、対米従属勢力だった。


敗戦直後の総選挙によって片山哲内閣が樹立された。

社会党党首を首班とする政権だった。


後継の政権は芦田均内閣だった。

主権者の意思によって革新政権が樹立されたのである。


片山哲内閣が樹立されたのが1947年5月。芦田内閣が樹立されたのは48年3月だ。

しかし、芦田内閣は48年10月に総辞職に追い込まれた。


背景にあるのは日本を占領した米国が、この二つの政権を嫌ったことである。

米国による占領政策は1947年に大逆転した。


「日本民主化」から「日本非民主化」に基本路線が大転換したのだ。

敗戦直後の対日占領政策は徹底した民主化路線に特徴があった。


GHQで主導権を保持したのはGS=民生局である。

財閥解体、農地解放、労働組合育成などドラスティックな政策が遂行された。


その集大成が日本国憲法の制定だ。

日本国憲法は1646年10月に公布され、47年5月に施行された。


米国の変節、転換は1947年のことだ。

1947年、米国は外交の基本路線を大転換した。


新たに基軸に据えられたのは「ソ連封じ込め」である。

日本を徹底した民主主義国家として育成する方針は排除され、日本を「反共の防波堤」にする方針が新たに示された。


ここに日本国憲法出自の秘密がある。

対米従属を批判する者が日本国憲法を擁護するのは「矛盾だ」とする見解が聞かれる。


「米国が制定に深く関与した日本国憲法を、対米従属を批判する者が守ろうとするのはおかしい」との主張だ。

しかし、この主張を示す者は、戦後史の核心を知らない。


1947年に米国の対日占領政策の基本路線が大転換している。

「逆コース」と呼ばれる。


「逆コース」前の占領政策は真摯な民主化路線に貫かれたものであり、日本国憲法は、この「逆コース」前の占領政策によって生み出された。

ところが、「逆コース」で占領政策の基本が大転換した。


「民主化路線」は「非民主化路線」に転換してしまったのだ。

「非民主化路線」を採用した「逆コース」後の占領政策にとって、日本国憲法は邪魔な存在になった。


したがって、「逆コース」後の対米従属勢力が憲法改定を叫び、「逆コース」前の民主化路線を肯定する者が日本国憲法を擁護するのは順当なのだ。

まったく矛盾していない。


「逆コース」後の占領政策において実権を握ったのがGHQのG2(参謀2部)である。
1947年から1952年にかけて、日本では奇怪な事件が多発した。

そのほとんどの背後に見え隠れしているのがGHQ・G2の工作活動である。


松本清張氏が『日本の黒い霧』で深い考察と詳細な事実関係を示している。

1948年に米国の工作活動によって吉田茂内閣が樹立されて以降、70年間にわたって、日本政治は対米従属勢力によって支配され続けてきた。


この基本構造を打破しようとする試みが何度か開花しかけたが、対米従属勢力の卑劣で不正な工作によって破壊されてきた。

1993年の細川護熙内閣の樹立、2009年の鳩山由紀夫内閣の樹立がその代表事例だが、両政権は米国=CIAの工作活動によって破壊された。


この歴史的経緯を踏まえて日本政治刷新の道筋を描かなければならない。

重要なことは、単なる政権交代では意味がないということだ。


政権交代に意味があるのではなく、政権交代によって政治の基本を変えることが重要なのだ。

このことを踏まえて2019政治決戦に臨まなければならない。


何よりも大事なことは、政策を基軸に反安倍自公陣営を形成することだ。


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対米従属政治がなぜだめなのか
エキサイトニュース(2019年2月26日)植草一秀
https://www.excite.co.jp/news/article/Mediagong_27754/

 

 

 

 

 

 

 

 

 


■なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?

・知ってはいけないウラの掟

「日本の空は、すべてアメリカに支配されている」

「自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う」

週刊現代(講談社)

2017.08.05

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52466

 

 

 

 


■憲法よりも国会よりも強い、日米「秘密会議」の危ない実態~これが日本の現実だった~

「自衛隊基地が米軍のものになる」

「すべての自衛隊基地を米軍と自衛隊が一緒に使って、米軍の指揮の下で共同演習をやる」

週刊現代(講談社)2017.10.24(田原総一朗×矢部宏治)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53252?page=5

 

 

 

 


■安倍首相の危険な最終目標 徴兵制復活、上世代に雇用奪われた若年層を戦地へ派兵の懸念

・現実味帯びる徴兵制

「安倍首相は、憲法解釈の変更という重大な決定を閣議決定でできると言ってのけた人物」

Business Journal 2014.12.13

https://biz-journal.jp/2014/12/post_8272.html

 

 

 

 

 

 


【急増!アメリカ製兵器購入、自衛隊機の部品代「言い値」で調達か?】米国から高額兵器を買いまくることを同盟強化と勘違いする愚~F35「欠陥商品」147機6兆2000億円を爆買い~

2022-12-06 06:34:37 | 日記

 

■自衛隊機の部品代「言い値」で調達か? 価格高騰最大6年で10倍に チェック部門なく「民間ならあり得ない」

東京新聞 2021年11月24日

https://www.tokyo-np.co.jp/article/144442


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自衛隊の航空機とヘリコプターのうち国産6機種の部品価格が量産開始からの6~12年で最大10倍超に上昇していたことが、財務省の調べで分かった。


直接の原因は主に原材料費の高騰や為替の変動だが、防衛省側は契約担当者ら一部を除き実態を把握しておらず、値上げの妥当性を巡る十分な検証を行わないまま支払いに応じていた可能性がある。


岸田政権は防衛費の大幅な増額を目指すが、コスト意識が低いままでは予算の無駄遣いを助長しかねない。

 

・油圧系統部品が数百万から数千万円に


財務省は6機種の1点100万円以上の部品を対象に、最新の契約価格を導入時と比較して上げ幅を算出し、15日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)分科会に報告した。


詳細な金額は非公表だが、海上自衛隊のP1哨戒機は油圧系統部品が数百万円(2008年度)から数千万円(20年度)に約4.4倍上昇。

陸海空の各自衛隊に配備されているヘリコプターは、尾翼関連部品の20年度の単価が14年度比で約10.2倍に膨らんだ。


この2機種はいずれも輸入品を使っているが、国産の場合でも海自ヘリのエンジン部品は当初の数千万円が6年後に約4.3倍の数億円となった。

6機種別に見ても、部品価格は平均1.5倍~2.4倍だった。

 

・価格上昇に中長期的視点欠く


原因としては、機種本体が国産でも部品の多くは輸入に頼っているため、為替変動の影響を受けやすいことが挙げられる。


防衛装備品は部品も独自仕様になりがちで、汎用品のように価格競争を通じたコスト抑制が難しい側面もあるというのが防衛省側の言い分だ。


一方、財務省は防衛省側が機体メーカーに下請け企業への部品発注を委ね、適正価格かどうか十分検証できていないと分析。

民生品の使用割合を高め、調達先を多様化できるよう促している。


防衛装備庁の担当者は取材に対し、価格変動の要因は「契約の都度、確認している」と説明する。

ただ確認するのは契約担当部署が中心で前回契約との比較にとどまる。


価格上昇について中長期的な視点に欠け、組織全体で情報を共有していなかったとして、改善策を検討しているという。


分科会の臨時委員を務めるSMBC日興証券の末沢豪謙氏は、取材に「日本は(価格の妥当性を)チェックする専門部署がないから『言い値』で調達することになってしまう。民間ならあり得ない方法で、相当割高になっている可能性がある」と指摘。


国の財政状況を踏まえ「賢い支出に努めなければ国民の理解は得られない」と話した。


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自衛隊機の部品代「言い値」で調達か? 価格高騰最大6年で10倍に チェック部門なく「民間ならあり得ない」
東京新聞 2021年11月24日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/144442

 

 

 

 

■【F35、1機分のお金で何ができたか―「欠陥商品」147機6兆2000億円を爆買いの愚】

ニューズウィーク 2019年4月16日

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/04/f35114762000.php


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<度重なる事故で性能が疑問視されているF35の爆買いをアメリカに約束した日本。その代償は高くつく>


航空自衛隊三沢基地(青森県)所属の最新鋭戦闘機F35Aが太平洋上で墜落したと、10日、岩屋毅・防衛大臣が記者団に語った。

同戦闘機の尾翼の一部が発見されたものの、操縦していた自衛官は、まだ行方不明のまま。


大変痛ましいことであり、筆者としても、その生存を祈りたい。

他方、F35シリーズは、以前からその安全性が疑問視されてきた上、1機116億円もする「米軍史上、最も高価な戦闘機」であることから、同シリーズを147機も爆買いしようとする安倍政権の計画にも批判の声が上がっている。

 

・懸念されていた966件の欠陥


安倍政権の兵器爆買いの問題を指摘してきた市民団体「NAJAT(武器取引反対ネットワーク)」代表の杉原浩司さんは「F35のトラブルは以前から懸念されていた」と語る。


「今年2月に国会で宮本徹・衆院議員が追及したように、F35シリーズは昨年1月の時点で未解決の欠陥が966件もあることが、米政府監査院(GAO)に指摘されていました。実際、2017年にパイロットの酸素欠乏が6回も起きるなど、F35シリーズは重大トラブルを起こしていますし、未だそれらの欠陥を改善しきれていません。F35シリーズの海兵隊仕様であるF35Bは、昨年9月に墜落事故を起こし、米国防総省は国内外の全てのF35シリーズの飛行を一時停止していました。それにもかかわらず、2012年に決めていたF35Aを42機購入に加え、安倍政権は昨年末に閣議決定した『中期防衛力整備計画』で、105機(うち42機はF35B)も追加購入するとしているのです」(杉原さん)。

 

・1機116億円のF35のかわりにできたこと


安全性に疑問が持たれる上、1機116億円という高価さからも、杉原さんは安倍政権のF35シリーズ爆買いを批判する。


「政府の給付型奨学金の予算は、2018年度で105億円とF35A1機分より少ない。今年3月に打ち切られた、原発事故での自主避難者への福島県からの住居支援の額が約80億円です。F35A1機分のお金があれば、90の認可型保育所を新設できます。F35シリーズは維持管理費も高く、運用30年で1機あたり307億円もかかります。安倍政権が計画している147機の購入費・維持管理費をあわせると、総額で6兆2000億円という莫大な金額となります。人々の暮らしや教育への支援をないがしろにしながら、トランプ政権に媚を売るために、欠陥戦闘機を爆買いすることは許されません」(同)。


野心的な軍拡を進める中国やロシアに対抗するためには、防衛費増はやむ無しという主張もあるが、杉原さんは「むしろ、逆効果」と反論する。「レーダーに映らず、強力な爆弾を搭載できるF35シリーズは極めて攻撃性の高い戦闘機で、日本の防衛戦略の基本方針である『専守防衛』の域を超えています。F35シリーズを自衛隊が大量配備することは、中国やロシアにさらなる軍拡の口実を与え、際限のない軍拡競争で日本の財政をさらに圧迫するという事態を招きかねないのです」(杉原さん)。

 

・兵器爆買い、トランプのさらなる要求を招く


安倍政権のF35シリーズ爆買いの背景には、安全保障とは別の動機もあるようだ。


防衛省や自衛隊の動向に詳しい半田滋・東京新聞論説兼編集委員に筆者が聞いたところ「米国のトランプ大統領は日本の自動車に関税をかけようとしています。それを防ぐため、F35シリーズやイージス・アショアなど米国の兵器を爆買いしているのです」という。「これに味をしめたトランプ大統領が来年秋の大統領選での再選に向けて、日本へさらに法外な要求をしてくるかもしれません」(同)。

 

・カナダはF35購入を白紙に


トランプ大統領のご機嫌をうかがうために、あまりに高価かつ安全性にも疑問が生じているF35シリーズを爆買いするべきなのか。


カナダも、トランプ政権から貿易摩擦にからみ圧力を受けているが、F35シリーズについては、65機を購入する計画を白紙にし、今年5月に改めて次期戦闘機の入札を行うとしている。


その入札は、必ずしもF35にこだわらず、ユーロファイタータイフーン(英独伊等の共同開発)や、ラファール(フランス製)、グリペン(スウェーデン)も含めて行うのだという。


日本としても、今回の事故の原因を徹底的に検証するとともに、人々の生活や教育への支援をないがしろにしている中での兵器爆買い自体を見直すことが必要なのではないだろうか。


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【F35、1機分のお金で何ができたか―「欠陥商品」147機6兆2000億円を爆買いの愚】
ニューズウィーク 2019年4月16日
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/04/f35114762000.php

 

 

 

 

■アメリカ製兵器 もっと買え? | 特集記事 | NHK政治マガジン

・急増するアメリカ製兵器の購入

NHK「政治マガジン」2017年11月14日

https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/1486.html


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・急増するアメリカ製兵器の購入


では、防衛装備品の購入の現状はどうなっているのか。

日本がアメリカから装備品を購入する場合、多くのケースで使われるのが「FMS」という調達方法です。


「Foreign Military Sales」=「対外有償軍事援助」と訳され、企業ではなくアメリカ政府との取引で装備品を購入します。

取引先は、商社やメーカーではなく、「アメリカ海軍省」や「アメリカ空軍省」になります。


この調達方法の動向を見ることで、アメリカとのおおよその取り引きの増減が把握できます。

防衛省のまとめによりますと、「FMS」による調達額は、平成23年度は589億円でしたが、昨年度・平成28年度は、4881億円。

5年間で8倍以上に急増しています。


すでに、安倍政権が発足して以降、アメリカから購入する装備品は大きく増えているのです。

どんな装備品を、「FMS」で購入してきたのでしょうか。


昨年度の内容を見てみます。


・最新鋭ステルス戦闘機「F35A」 6機 1091億円
・新型輸送機「V22」オスプレイ 4機 754億円(※関連経費含む)
・新早期警戒機「E2D」1機 260億円
・新空中給油・輸送機「KC46A」 1機 231億円
・大型無人偵察機「グローバルホーク」 3機分の一部 145億円
(※価格はいずれも契約時)


最新鋭の高額な装備の導入が全体額を押し上げていることがわかります。

今後もアメリカ製の装備品を購入する見通しです。

来年度・平成30年度予算案の概算要求に盛り込まれた主な装備品です。


・戦闘機「F35A」 6機 881億円
・新型輸送機「V22」オスプレイ 4機 457億円
・最新の迎撃ミサイル「SM3ブロックⅡA」など657億円


さらに、地上配備型の新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基も導入する方針で、防衛省関係者は「1基800億円としても2基で最低1600億円。


最新鋭のレーダーを採用すれば、価格はさらに上がる」としています。

この背景について、防衛省は日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることがあるとしています。


核実験を強行し、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮や海洋進出を強める中国に対応するためには、アメリカが持つ高性能のミサイル防衛システムやレーダーに捉えられにくい戦闘機など最新鋭の装備を導入する必要があるというのです。

 

・「FMS」の長所と短所


ただ、急増する「FMS」による装備品の購入には、メリットとデメリットがあるといいます。

メリットは、「FMS」での調達によって、ミサイル防衛システムや、最新鋭の戦闘機など、軍事機密性の高い装備品が入手できることです。


一方で、「FMS」では、価格をアメリカ政府が決め、提供する時期や契約内容も変わる場合があることが条件となっていて、主導権をアメリカ側に握られる側面があります。

さらに、装備品を購入したあとの補修や整備も、多くの場合アメリカに送り返して行う必要があります。


防衛装備品の輸入が増えることは、国内の防衛産業にも影響を与えます。

防衛省によりますと、防衛装備品の輸入の比率は、平成23年度には、7.4%でしたが、平成27年度は、20.9%、昨年度・平成28年度には23.3%にまで増えています。


防衛省が、去年、防衛産業に関連する企業を対象にアンケートを行ったところ、回答のあった72社の7割余りにあたる52社が、「部品を作っていた下請けの企業などが事業から撤退したり、倒産したりした」と回答しました。


国内の防衛産業が縮小すれば、日本の防衛関連企業が外国資本によって買収される可能性も出てきて、情報の流出リスクも高まります。


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アメリカ製兵器 もっと買え? | 特集記事 | NHK政治マガジン
・急増するアメリカ製兵器の購入
NHK「政治マガジン」2017年11月14日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/1486.html

 

 

 

 

■米国から高額兵器を買いまくることを同盟強化と勘違いする愚

GLOBE+(朝日新聞)2018.06.27

https://globe.asahi.com/article/11641134


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・気前よく高額兵器を買いまくる日本


奇妙なことに、国産兵器の輸出解禁に踏み切った安倍政権下で、アメリカはもとより国際武器市場への日本製兵器の輸出がさして成果を上げていない半面、アメリカからの高額兵器の輸入が増加の一途を辿っている。


たとえば、2011年度に防衛省がアメリカから対外軍事有償援助制度(FMS)を通して輸入調達した金額はおよそ600億円であったものが、15年度にはおよそ4,500億円、16年度にはおよそ5,000億円。12年度から16年度の5年間の総額は約1兆3,900億円に上っている。


すでに輸入調達が始まり引き続き購入することになっているV-22オスプレイ中型輸送機をはじめ、F-35A戦闘機、SM-3ブロックIIA弾道ミサイル迎撃用ミサイル、さらに1セットで1000億円以上もするイージス・アショア地上配備型弾道ミサイル防衛システムなど、今後もアメリカ製超高額兵器の輸入調達は目白押しだ。


それに加えて、トランプ大統領が「引き続き日本はアメリカ製戦闘機を追加購入する」と公言してしまったからには、現在日本国防当局が策定中の中期防衛力整備計画には、トランプ大統領ならびに安倍首相の意向を忖度して、アメリカが日本に売却したがっているF-35戦闘機(F-35AあるいはF-35B)の追加調達を盛り込まざるを得ないことになろう。


・戦略なき兵器の収集


安倍政権は、中国海洋戦力の飛躍的強化や、北朝鮮弾道ミサイル脅威のさらなる伸展といった日本の周辺軍事情勢の深刻化に対応するため、日本の国防力を充実強化させると強調している。


しかしながら、そのような政策目標を推進するための具体的防衛戦略を打ち出しているとは言えず、「日米同盟の強化」を繰り返すのみだ。

その「日米同盟の強化」にしても、軍事戦略的観点からみると、何ら具体策を提示しているわけではない。


すなわち具体的かつ実現可能な軍事戦略や作戦概念が欠落しているがため、日本国防当局はアメリカから超高額兵器を購入することで、安倍政権が繰り返す「日米同盟の強化」を推し進めていると見せかけているのである。


要するに、アメリカ側の歓心を買うことで日米同盟が強化されるもの、と思い違いをしている、あるいは自己欺瞞をしているのではないかと考えざるをえない。


たしかに、自衛隊がアメリカ軍と共通の兵器を使用することで、日米両軍の相互運用性が高まり、日米合同演習や、万が一にも自衛隊が実戦に投入された場合には日米共同作戦での両軍の連携がスムーズになる可能性が高まることは確かである。


しかし、それは戦略レベルや作戦概念レベルでの日米同盟の強化というわけではない。

日本側が戦略的思考を欠いていたならば、単に自衛隊の米軍への従属が強化されることを意味するだけである。


このように、アメリカ側の日米同盟への関心をつなぎ留めておくために、そしてその副次的効果としてアメリカの対日貿易赤字も解消させることができる、といった目論見でアメリカから超高額兵器を輸入調達するという姿勢は、「防衛戦略の必要性からではなく、はじめに調達すべき“防衛装備品”ありき」という軍事的には極めて歪な構造になっている。


そして「戦略なき兵器の収集」といった構造は、アメリカからの高額兵器輸入に限らず、国内防衛産業からの調達にも繰り返されており、即刻抜本的に改革が必要な日本防衛の脆弱点と言えよう。


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米国から高額兵器を買いまくることを同盟強化と勘違いする愚
GLOBE+(朝日新聞)2018.06.27
https://globe.asahi.com/article/11641134

 

 

 

 

 

■菅外交は、アメリカの「お友達」を選ぶのか「仲間」を目指すのか

日刊SPA! (2020年11月12日)

https://nikkan-spa.jp/1714166


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・菅外交は、アメリカの「お友達」を選ぶのか、「仲間」を目指すのか

 

安倍晋三前首相が居なくなって、国会論戦も落ち着いてきた。

相変わらず「いつもの野党」は学術会議で責め立てるが、かつての「反安倍」VS.「反・反安倍」のような感情的な対立は影を潜めた感がある。


安倍内閣の頃は、野党が一言でも「モリカケ」を聞こうものなら、テレビはそこだけを執拗に流していた。


野党幹部も、政権のスキャンダルを徹底攻撃する姿勢を良しとしたし、安倍応援団もそうした野党に宗教戦争の如く反撃するのが己の使命であると信じ込んでいるかのようだった。不幸な状況だった。


ところが今は、余裕がある。

菅義偉首相が「全集中の呼吸で」などと大ヒット漫画『鬼滅の刃』のセリフを引用すると話題となる。


本来、国会とは、与野党ともに国の為に穏やかに話しあう場である。

ようやく、「アンチ」と「アンチへのアンチ」以外の議論が介在する余地が出てきた。


野党でも国民民主党は学術会議に一言も触れず、与党に対して提言を行う形で国民に選択肢を示している。

かなり健全ではないか。


さて、識者の間では想定されていた事態だが、アメリカ大統領選挙が泥仕合と化している。


ドナルド・トランプ政権が存続すれば政策は継続されるが、ジョー・バイデンに交代すれば新たな方策を日本も考えねばならない。

ここで安倍政権の外交を振り返りつつ、菅内閣が何を引き継ぎ、何を改善したいかを考えたい。

 

・トランプは中国に対決姿勢


まず、トランプは台頭する中国に対決姿勢を示してきた。

これに関しトランプの暴走との誤解があるが、違う。


トランプは議会で超党派を組んで中国と対決している。

仮にバイデン政権になっても、温度差はあろうが、方向性は変わらないだろう。


そもそも、アメリカ民主党といえども、強すぎる中国は好まない。

ただ全面的な対決姿勢かというと、トランプですら違った。


かつて、ロナルド・レーガンはソ連を潰すと宣言、自らの任期8年では果たせなかったが、後任のジョージ・ブッシュの時代に実現した。

レーガンとブッシュは、景気回復を成し遂げた後、軍拡競争を挑み、国際協調体制による包囲網を構築、あらゆるインテリジェンスを駆使して、ソ連崩壊に導いた。


では、今の中国が滅び際のソ連のような状態かと言えば、違う。

習近平の共産党支配は強固であるし、経済力はアメリカに追い付け追い越せの世界第二位の実力、外交的にはむしろ攻勢をかけているほどだ。


このような中国を潰す力は、今のアメリカには無い。

だからこそトランプは、中国に圧力をかけて、政治的経済的取引を有利に持ち込もうとしていたのだ。


バイデンも、基本路線は変わらない。

中国の方は、仲間がいないトランプよりも、国際協調による対中包囲網を実現しかねないバイデンこそ警戒しているとか。


もっとも中国は、それを黙って見ているほどお人よしではないが。

 

・首輪のついた「弱い日本」から「自立した強い日本」への道は、軍事力を裏付ける経済力の回復だ

 

さて、こうした流れの中で安倍外交はなにをやってきたか。

孤立するトランプの友達でいた。


ただ、それだけだ。

この場合の「友達」とは「仲良し」であって「仲間」ではない。


「仲間」とは何か。

いざという時に、一緒に武器を持って戦う存在のことである。


たとえば、イギリスはアメリカの政権が共和党だろうが民主党だろうが、アメリカの戦いには兵を派遣して戦ってきた。

もちろん、時に独自の判断でアメリカについていかない時もあるが、「原則として一緒に戦う仲間」である。


翻って安倍外交はどうだったか。

トランプは、日本に対等の同盟国にならないかと持ち掛けてきた。


その為に自主防衛を容認する発言をした。

ところが安倍首相は早々に拒否した。


軍事抜きの外交を選んだ。

確かに孤立するトランプは日本を無下にすることはなかった。


では、それが日本の国益となっただろうか。

安倍政権は単に、日本がマトモな軍事力を付けることを嫌がる勢力と戦うのを回避しただけではないか。


では、日本がマトモな軍事力を付けることを嫌がる勢力とは誰か。

国内においては財務省である。


財務省は財布の紐を締めるのが仕事である。

国家予算つまり国の支出は、大半が福祉と地方へのバラマキに消えている。


そのバラマキを支える為に増税と緊縮財政に走っている。

そんな中で、防衛費は額が大きくて抵抗力が小さい。


福祉や土木を削ろうものなら族議員から業界団体までが束になって抵抗してくるが、防衛に関心を持つ国民や政治家は少ない。

財務省からしたら、「防衛費を削れなければ、何を削るか」なのである。


今までの歴代アメリカ大統領は、強い日本を本質的に忌避し、首輪をつけた状態に置いておいた。

では、それが今後のアメリカの国益になるのか。


バイデンが「弱い日本」を首輪につないでおきたいのか、それとも「自立した強い日本」を望むのか。

我が国は、後者こそが日本だけでなくアメリカの国益になるのだと説得すべきであろう。


そして強い日本となるには裏付けが必要だ。

安倍内閣のGDP0.95%の防衛費では合格最低点に達していない。


平時で2%が標準である。

本気で中国を潰すなどと考えるなら、7%も視野に入れねばなるまい。


ただ、精神論だけ言っても裏付けが無ければ意味がない。

では、その防衛費を増額させる財源はどこからひねり出すか。


経済成長以外にありえない。

安倍内閣は8年も政権を独占しながら、景気回復すら達成できなかった。


それどころか2度の消費増税により景気回復を腰折れさせていたところに、コロナ禍である。

今でこそ巨額の給付により国民経済は何とか支えられているが、ではいつまでこれを続けるか。


それとて、今すぐ金融緩和をやめてしまえば、リーマンショック以上の大不況が押し寄せてくるのだ。

 

・米中対立の中で、我が国の選択肢は二つしかない


コロナ禍を収拾、そして景気回復を成し遂げねば、外交などできはしないのだ。

古い格言に「外交と軍事は車の両輪」とある。


軍事抜きの外交など、発言力は十分の一だ。


もし菅内閣が本気で外交をやるならば、防衛費GDP2%程度の軍事力を持たねば話にならないし、その為にはコロナ禍とデフレ経済を早々に退治しなければ、軍事力の裏付けとなる経済力が回復しない。


米中対立の中で、我が国の選択肢は二つしかない。


一つは翻弄されるだけの存在。


もう一つは自分の力で生きる国となること。


さて、菅義偉首相の選択はどちら?


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■菅外交は、アメリカの「お友達」を選ぶのか「仲間」を目指すのか
日刊SPA! (2020年11月12日)
https://nikkan-spa.jp/1714166

 

 

 

 

 

■米兵器を大量購入 対米追従で膨らむ負担

東京新聞 2020/9/5

https://www.tokyo-np.co.jp/article/53329


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対日貿易赤字への不満を示すトランプ氏に自動車の輸入関税引き上げを見送ってもらうため、長距離巡航ミサイルやF35戦闘機といった攻撃的な米国製兵器の大量購入も相次いで決定。


周辺国を射程に収めるミサイルや、レーダーに映りにくいステルス性能で他国の領空侵入も想定するF35は敵基地攻撃能力を先取りするような兵器だ。

自衛隊幹部は「現場で必要性を議論する前に、トップダウンで買ってから使い道を考える本末転倒のやり方が多かった」と明かす。


制度面では2014年に憲法解釈を変更し、歴代内閣が禁じてきた集団的自衛権の行使を容認。

15年の日米防衛協力指針(ガイドライン)再改定では、自衛隊が海外で米艦防護や支援をできると申し合わせ、国民の強い反対を押し切って安全保障関連法を成立させて法律上でも可能にした。

 

・購入額は最大7000億円に


首相は辞任前に敵基地攻撃に関する方向性を示すことに固執するが、攻撃的な米国製兵器の購入で能力の確保に向けて見切り発車していたのが実態だ。


米軍の偵察衛星などとの連携強化が欠かせない敵基地攻撃能力の保有を決めれば、日米の一体化はさらに加速する。

警戒感を強める周辺国に軍拡の口実を与え、かえって緊張を高めて地域を不安定化させかねない。


米国製兵器の購入などでトランプ氏との「蜜月」を誇った首相だが、自動車問題も解決できたとは言い難い。

トランプ氏が次期駐日大使に指名したケネス・ワインスタイン氏は8月5日の米上院外交委員会で、日本との貿易交渉に関して「特に自動車分野でさらに前進が必要だ」と強調した。


首相主導の爆買いで、米政府を通じた「対外有償軍事援助(FMS)」での兵器購入予算は増加。

第2次安倍政権の前には最大で1600億円だったが、15年度以後は3500億~7000億円の間で高止まりしている。


負担増の避けられない対米追従を続けるのか、次期政権は重荷を背負っている。

 

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■米兵器を大量購入 対米追従で膨らむ負担
東京新聞 2020/9/5
https://www.tokyo-np.co.jp/article/53329

 

 

 

 

 

 

 


■なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?

・知ってはいけないウラの掟

「日本の空は、すべてアメリカに支配されている」

「自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う」

週刊現代(講談社)

2017.08.05

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52466

 

 

 

 


■憲法よりも国会よりも強い、日米「秘密会議」の危ない実態~これが日本の現実だった~

「自衛隊基地が米軍のものになる」

「すべての自衛隊基地を米軍と自衛隊が一緒に使って、米軍の指揮の下で共同演習をやる」

週刊現代(講談社)2017.10.24(田原総一朗×矢部宏治)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53252?page=5

 

 

 

 


■安倍首相の危険な最終目標 徴兵制復活、上世代に雇用奪われた若年層を戦地へ派兵の懸念

・現実味帯びる徴兵制

「安倍首相は、憲法解釈の変更という重大な決定を閣議決定でできると言ってのけた人物」

Business Journal 2014.12.13

https://biz-journal.jp/2014/12/post_8272.html


【F35戦闘機の購入費をコロナ財源に!】防衛費1.1兆円、コロナ対策に回すと…~コロナ対策より防衛費に予算を割く愚行~

2022-12-06 06:34:08 | 日記

 


■F35戦闘機の購入費をコロナ財源に…

現代ビジネス(講談社:2020.4.23)

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72081?imp=0


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・戦闘機より国民の生活


新型コロナウイルスの感染対策に充てるため国防費の削減を決めた韓国政府に対し、防衛費を1円も削ろうとしないどころか、追加費用まで計上しようとする日本政府。「だれのための国防なのか」、そう疑いたくなる愚策が連続している。


韓国は、日本より早く新型コロナの感染が広がったが、韓国政府が素早く対応し、日本ではいっこうに増えないPCR検査もドライブスルー方式まで採用して国民の不安に応えた。

すでに韓国内の感染禍は終息の方向にある。


韓国政府は16日、新型コロナの感染拡大に伴う緊急災害支援金の財源確保のため、追加補正予算案を編成し、国防費を9047億ウォン(約795億円)削減して財源に充てることを閣議決定した。


削減するのはF35戦闘機、イージス艦の戦闘システムの購入費などで、韓国国防部は「本年中に予定した支払いを来年に延ばすこととし、米政府と協議中だ」とコメント。国防部は国際原油価格の下落により、節約できた燃料費2120億ウォンも緊急災害支援金の財源に回すことを明らかにした。


国防費の削減をめぐり、韓国の国内世論はさまざまだが、韓国政府は結局、「戦闘機より国民の生活」を選んだことになる。

一方、日本の防衛省はF35の「爆買い」をやめようとはしない。

日本政府は20日、1人10万円の給付を盛り込んで組み替えた補正予算案を閣議決定した。財政支出は48.4兆円と過去最高になるが、防衛費削減の話は出ていない。

 

・休業補償に回せば、どれほど助かるか


日本は、韓国が削減したのと同じタイプのF35戦闘機の導入を進めているが、議論らしい議論を経て導入したのは、最初の42機分だけだ。


残り105機の導入は、安倍晋三首相がトランプ米大統領に「バイ・アメリカン(アメリカ製を買え)」と迫られ、2018年12月、「防衛計画の大綱」を閣議決定するのに合わせて、「閣議了解」という異例の形で政治決定した。


追加導入する105機について、防衛省は「F15戦闘機の後継機」と説明しているが、そもそも開発元の米国でさえ、F15戦闘機の退役時期を決めていない。日本ではまだ使えるF15戦闘機を廃棄してF35戦闘機を導入することになる。


これを「不要不急」といわずして、何といえばよいのだろうか。

2020年度の防衛費に計上されたF35戦闘機は、米空軍版のF35Aが3機281億円、垂直離着陸ができる米海兵隊版のF35Bが6機793億円で、両タイプを合計すると9機1074億円になる。平均すれば1機119億円である。


このうちの1機でも2機でも購入を先送りして財源の足しにすれば、新型コロナ感染拡大を防ぐため、店舗に休業を要請しながら補償金を支払えない財政不足の都道府県がどれほど助かることだろうか。


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F35戦闘機の購入費をコロナ財源に…
現代ビジネス(講談社:2020.4.23)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72081?imp=0

 

 

 

 


■コロナ対策より防衛費に予算を割く愚行

日刊ゲンダイDIGITAL(2020/08/15)作曲家:三枝成彰

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/277330


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世界の有名な歌劇場といえば、ミラノのスカラ座、パリのオペラ座、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場だ。


世界のクラシック愛好家はもちろん、音楽に詳しくない観光客も引きつけるオペラの殿堂である。

その運営が危機的状況に追い込まれているようだ。


先日帰国したイタリア在住のオペラ歌手によると、スカラ座は潰れそうなほどの危機に瀕しているという。

またイタリアの劇場では、数年前から歌手たちへのギャラの未払いもあると聞いている。


ヨーロッパでは主要な音楽祭の多くが中止や規模縮小となった。

スカラ座も2月のキャンセル以降、公演ができない状態。


9月から来シーズンを開始すると決めたが、予定通り実現できるのかは不透明だろう。

ドイツでは、3人以上の合唱団の活動は禁止され、違反すれば罰金を取られるそうだ。


もっともドイツでは、州によって細かな違いはあるものの、芸術家に対して補助金を拠出している。総額1200億円規模の支援だ。

日本でもフリーランスの芸術家1人に20万円、20人以上の団体に最大150万円という支援策を決めた。


むろん十分なレベルとはいえないが、ほかの個人向けや個人事業主向けと比べて格段に劣るわけでもない。

いずれの支援策も、そもそも満足できるような内容ではないのだ。


もちろん、いくら国債を発行するにしても財源が無尽蔵にあるわけではない。

バランスを考えるのは大事だろう。


だとすれば、防衛費を見直すべきである。

いたずらに増やすばかりになっているが、いったい日本の「敵」が世界のどこにいるというのだろう。


いくら軍事費を増やしたところで、北朝鮮が本気でミサイルを撃ってくるはずがない。

もしもミサイルを発射すれば、自らが破滅するだけだ。


最近は中国とアメリカが険悪になっている。

中国は日本の尖閣諸島にも、盛んにちょっかいを出してくる。


だからといって、米中間に戦争が起きるはずがないのだ。

軍事力をもって尖閣諸島を攻め落とすつもりもない。


やれば国際社会から猛烈な非難を浴びることは目に見えている。


秋田と山口に配備するはずだったイージス・アショア計画(いずれもハワイとグアムの米軍基地を守るためだったといわれている)も断念したことだし、アメリカから言い値で大量に戦闘機や武器を購入する現状も見直すべきだ。


日本は、カネのかけどころを間違っている。


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コロナ対策より防衛費に予算を割く愚行
日刊ゲンダイDIGITAL(2020/08/15)作曲家:三枝成彰
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/277330

 

 

 

 


■防衛費1.1兆円、コロナ対策に回すと…

東京新聞 TOKYO Web 2020年7月26日

https://www.tokyo-np.co.jp/article/44846


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核兵器予算を新型コロナウイルス対策に回せば、必要な医療をどれだけ提供できるか―。


非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が、米英仏3カ国の核軍備費を基に試算したところ、多くの命を救うための医療態勢を整備できることが浮き彫りになった。


感染拡大で医療崩壊が懸念される国が少なくない中、軍事費を削減してコロナ対策に充てる国も出てきた。(柚木まり)


ICANは、主な核保有国のうち比較的情報が得やすい米英仏で、核兵器に使われた昨年の費用などを用いて試算した。

 

・米の核関連3.8兆円は22万人分の給与


核大国の米国は、コロナの感染者と死者がいずれも最多。


核の小型化を進める核兵器関連予算351億ドル(約3兆8000億円)を医療費に置き換えると、集中治療室(ICU)のベッド30万床と人工呼吸器3万5000台を用意でき、看護師15万人と医師7万5000人の給与をまかなえる。


英国が新しい原子力潜水艦システムの構築などに使った72億ポンド(約1兆円)は、ICUのベッド10万床や4万人の医師の給与などに相当。


フランスは2025年までの7年間の核軍備予算から、19年分を45億ユーロ(約5600億円)と推計すると、ICUのベッド10万床や医師1万人の給与などに充てられる。


これとは別に、日本で防衛費を当てはめるとどうか。ICAN国際運営委員の川崎哲あきら氏の試算では、20年度の防衛予算のうち、戦闘機購入や護衛艦「いずも」の事実上の空母化など新規契約分の1兆1000億円は、ICUのベッド1万5000床と人工呼吸器2万台に加え、看護師7万人と医師1万人の給与に相当する。

 

・韓国、国防費1600億円を削減


実際に、軍事費を削減してコロナ対策に回す国も出ている。


韓国は今年の国防予算の3.6%に当たる計約1兆7700億ウォン(約1600億円)を削減。


米製戦闘機の導入費などの予算を、全国民対象の給付金や中小企業支援などコロナ対策の財源とした。


インドネシアやタイ、フィリピンなどでも同様の動きがある。


核兵器廃絶を目指す科学者でつくる「日本パグウォッシュ会議」副代表で千葉大の栗田禎子よしこ教授(中東現代史)は「どの国も社会保障や医療費の財源確保が待ったなしだ。核兵器の近代化や軍拡に一銭も出している余裕はない。核廃絶に向けてかじを切るチャンスだ」と指摘している。


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防衛費1.1兆円、コロナ対策に回すと…
東京新聞 TOKYO Web 2020年7月26日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/44846

 

 

 

 

 

■防衛費拡大 加速化 理解得られるか

朝日新聞 2021年12月27日

https://www.asahi.com/articles/DA3S15155573.html


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厳しさを増す安全保障環境や軍事技術の進展への対処は必要だが、防衛費拡大のペースを速めることに、国民の理解がどれだけ得られるか。


政府は日本の経済・財政の身の丈も踏まえ、軍事力のみに頼らない総合的な安保戦略の下、規模ありきではない、真に効果的な防衛力の在り方を探るべきだ。


岸田政権になって初めて編成された来年度当初予算案で、防衛費は前年度比583億円増の5兆4005億円と、8年連続で過去最大を更新した。


今回の特徴は、防衛省が、先の臨時国会で成立した今年度補正予算と来年度予算案を一体の「16カ月予算」として組んだことだ。


「防衛力強化加速パッケージ」と銘打ち、その合計は6兆1744億円と初めて6兆円台となり、対国内総生産(GDP)比も1・09%と、当初予算の目安の1%を超えた。


補正予算は本来、当初予算の作成後に生じた災害などの「緊要な経費」を賄うものだ。

防衛費に限らず、財政法の趣旨を逸脱した計上がまかり通っているとはいえ、哨戒機やミサイルなど、主要装備品の新規取得を盛り込んだのは異例のことだ。


岸防衛相は会見で「一体編成で大幅な増額を実現した」と強調した。

4月の日米首脳会談の共同声明で、米国に「防衛力の強化」を約束し、先の衆院選で「GDP比2%以上も念頭に増額を目指す」と公約した自民党からの後押しもある。


内外に規模拡大をアピールしたい思惑が先行しているのではないか。

本当に必要な経費であれば、当初予算に堂々と計上すればいい。


補正予算の審議は極めて短期間に限られ、専門性の高い外交防衛関係の委員会で吟味されることもない。

国会による厳しいチェックを避けるような手法を続けてはならない。


今回の予算案では、研究開発費が前年度比1・4倍の2911億円に増えたのも特色だ。

航空自衛隊のF2戦闘機の後継機の開発には858億円が計上された。


将来的には兆の単位を見込む大型プロジェクトで、エンジン部分は英国との共同開発に向けた実証事業が近く始まるが、計画の具体的な全体像はいまだ示されていない。

膨らむ社会保障費や新型コロナ対応などで、財政事情が一層厳しさを増すなか、防衛費への手厚い配慮が続く。


6年前と比べ、その増加額は、公共事業費の約3・4倍、文教・科学振興費の約4・8倍となる。

一方で、部品調達などのコスト削減の努力は十分とはいえない。


限られた予算をどう配分するか。

年明けの国会での予算審議では、その費用対効果や優先順位を徹底的に議論してほしい。


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防衛費拡大 加速化 理解得られるか
朝日新聞 2021年12月27日
https://www.asahi.com/articles/DA3S15155573.html

 

 

 

 


■なぜ日本はアメリカの「いいなり」なのか?

・知ってはいけないウラの掟

「日本の空は、すべてアメリカに支配されている」

「自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う」

週刊現代(講談社)

2017.08.05

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/52466

 

 

 

 


■憲法よりも国会よりも強い、日米「秘密会議」の危ない実態~これが日本の現実だった~

「自衛隊基地が米軍のものになる」

「すべての自衛隊基地を米軍と自衛隊が一緒に使って、米軍の指揮の下で共同演習をやる」

週刊現代(講談社)2017.10.24(田原総一朗×矢部宏治)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/53252?page=5

 

 

 

 


■安倍首相の危険な最終目標 徴兵制復活、上世代に雇用奪われた若年層を戦地へ派兵の懸念

・現実味帯びる徴兵制

「安倍首相は、憲法解釈の変更という重大な決定を閣議決定でできると言ってのけた人物」

Business Journal 2014.12.13

https://biz-journal.jp/2014/12/post_8272.html