娘が沢山のお花とプレゼントを抱えて夜遅く帰宅した。
「ただいま」「お帰りなさい、お疲れ様」
日頃何気なくかわしている会話だが、昨夜は特別の意味が込められていた。
昨年春、就職して1年9か月お世話になった会社を昨日で退職した。
1月1日に、旦那様の居るロンドンに向かう。
親が50年かかっても教えられないことを職場で学ばせて頂いた。
ひ弱で体調をよく崩し、ご迷惑ばかりかけていた娘。体力気力を振リ絞るようにして
出勤していく姿も、気が付けば日毎に逞しさを増し「仕事が楽しいの」と言うようになった。
仕事場の上司の方、お仲間の忍耐強い支えと、愛情の中で育てて頂いたと確信している。
「もう無理、もうダメ」食卓に顔を埋めよく泣いていました。
自分の非力が不甲斐なかった様です。『会社でも泣いているのかしら?』と心配でした。
お給料をいただいて「学ばせて頂いた」「育てて頂いた」はないと思うのですが、
本当にありがとうございました。1年9か月では、何のお役にも立てなかった事と…、
申し訳ありません。
頂いた御恩を、いつか、どこかで、誰かにご恩返しできる人生を娘にはこれから
しっかり歩んでほしいと思います。