「世代」の違いなど

私たちが青春の時期、1960年代だが、「戦後世代」などとよばれた。そして大なり小なりあの戦争(1945年8月に日本がドイツやイタリアなどとグルになって戦い、敗北し、国連の活動などに引きつけられてもう二度とああいう戦争はしない、そのためにみんな団結しなければ…)といった空気のもとで生きてきた。だから平和とか民主主義とか人権とかが非常に新鮮な言葉だったし、日本人ならみんなが共有できる共通の価値だった。

国民のさまざまな運動(政治的文化的な)があった。60年安保とか70年安保など、今となっては死語になったかも知れない出来事が自分たちの貴重な価値観を形成する要素だった。

そして今、私などがまだ生きていて語り合える旧友と会ったとき、でてくる言葉は、昔の青春期の「肩組み合って『明日の世』を語り合った」ことなどが思い出話になる。

今、戦後(1945年以降)に成長してきた世代を「X世代」「Y世代」「Z世代」などとよぶ。特に、最近はZ世代が話題になりかけているようだ。

Z世代というのは、1995年以降の生まれをいうのだとか。この世代はいうまでもなくインターネット世代だ。情報は、好きなことはいくらでも求めることができる。新聞とか印刷物よりも、スマホに代表される携帯パソコンを駆使していつでもいくらでも必要な情報を手に入れることができる。

私たちが体験したみんなで議論をし、意志を確認して、世のため人のためになることをみんなで取り組んでいこう、などという思想はおよそ持ってもらえない人たちではないだろうか。

新聞が売れない、本を買う人が減った、車中でも専らスマホだ。その昔、歩きながら本を読んで勉強した二宮金次郎などは異次元の人(しかし金次郎の像をもっている小学校がまだあるらしい)だ。

こういう状況を危惧する私など、日本と世界の未来が心配でならない。自分の利益になりそうなことはやるが、社会全体の利益とか政治的問題とかへの関心はどうなるのだろうか。

最近の日本のオソマツ政治家など、こういう世代交代の側面を少し以上反映しているのではないか、と心配だ。
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