来し方、行く末に思いを続けて…
日記 … Kametarou Blog
三浦綾子作 「銃口」1(作者のこと、昭和初期の日本社会のことなど)
かつて、和寒町のとなり(行政では和寒町に属するがJR駅では隣)に塩狩駅があるが、この駅の近くにある「塩狩峠記念館(三浦綾子旧宅)」に行ったことがある。
三浦綾子という人は、旭川市出身の作家で、彼女は朝日新聞公募の小説に「氷点」が入賞し一躍作家としてデビューした。1966年にベストセラーとして非常に有名な作品になった。作家としてのスタート作品の「氷点」は、この年にスタートの「笑点」ネーミングの元ネームだったとも言われているらしい。
彼女は1999年77歳で死去するのだが、晩年は体調をくずし、夫の三浦光世が綾子の創作の口述筆記に専念する。彼女はたくさんの著作を残している。この人の著作を読んでみようと思い、まず図書館からかりたのは「銃口」上下だった。今回はこの小説に関連して。
この小説は昭和の初めから戦後にかけて、日本がどのように戦争への道を進めたか、そして戦中から戦後にかけての日本社会の動きなどを背景にして教育と学校を舞台に物語は展開する。
そして、主人公北森竜太71歳のとき昭和は終わった(1989.2.24)。彼は「本当に終わったと言えるのかなあ。いろんなことが尾をひいているようでねぇ…」としみじみと述懐することで、この小説は終わる。日本の社会と日本人、そして身近な子どもをめぐる学校教育の悲劇の歴史の一端を、まさに総合的にドラマ化した小説だったと感銘をあらたにした。
主人公の竜太が今でいえばまだ高校時代(昭和の初めころ)、「巌頭の感」などを知り、多感な人生を予期させられる。これは、おおよそ次のようなこと(1903年5月22日)。この「巌頭の感」とは、北海道出身の藤村操という旧制の第一高校(今の東大教養部が中心)に在学していた学生が、日光市にある華厳の滝に飛び込み自殺をした。その藤村の遺書が非常に有名だ。その骨格は「人生不可解なり、自分は煩悶し終に死を決するに至る」との文章を滝近くの樹木の皮を剥いで書き残した、と言う事実。
また、昭和のはじめ、特に北海道では開拓事業を進めるためにも非人道的な労働を強制することが日常だった。それは、タコ、囚人労働などであるが、朝鮮人などを強制的に拉致し、道内各地で強制労働に従事させていたが、この「タコ労働」から逃亡した朝鮮人の男(金俊明)を竜太のうちでかくまったことなどを体験する。(何十年も経ってからのこの金という人との再会もある)。
三浦綾子という人は、旭川市出身の作家で、彼女は朝日新聞公募の小説に「氷点」が入賞し一躍作家としてデビューした。1966年にベストセラーとして非常に有名な作品になった。作家としてのスタート作品の「氷点」は、この年にスタートの「笑点」ネーミングの元ネームだったとも言われているらしい。
彼女は1999年77歳で死去するのだが、晩年は体調をくずし、夫の三浦光世が綾子の創作の口述筆記に専念する。彼女はたくさんの著作を残している。この人の著作を読んでみようと思い、まず図書館からかりたのは「銃口」上下だった。今回はこの小説に関連して。
この小説は昭和の初めから戦後にかけて、日本がどのように戦争への道を進めたか、そして戦中から戦後にかけての日本社会の動きなどを背景にして教育と学校を舞台に物語は展開する。
そして、主人公北森竜太71歳のとき昭和は終わった(1989.2.24)。彼は「本当に終わったと言えるのかなあ。いろんなことが尾をひいているようでねぇ…」としみじみと述懐することで、この小説は終わる。日本の社会と日本人、そして身近な子どもをめぐる学校教育の悲劇の歴史の一端を、まさに総合的にドラマ化した小説だったと感銘をあらたにした。
主人公の竜太が今でいえばまだ高校時代(昭和の初めころ)、「巌頭の感」などを知り、多感な人生を予期させられる。これは、おおよそ次のようなこと(1903年5月22日)。この「巌頭の感」とは、北海道出身の藤村操という旧制の第一高校(今の東大教養部が中心)に在学していた学生が、日光市にある華厳の滝に飛び込み自殺をした。その藤村の遺書が非常に有名だ。その骨格は「人生不可解なり、自分は煩悶し終に死を決するに至る」との文章を滝近くの樹木の皮を剥いで書き残した、と言う事実。
また、昭和のはじめ、特に北海道では開拓事業を進めるためにも非人道的な労働を強制することが日常だった。それは、タコ、囚人労働などであるが、朝鮮人などを強制的に拉致し、道内各地で強制労働に従事させていたが、この「タコ労働」から逃亡した朝鮮人の男(金俊明)を竜太のうちでかくまったことなどを体験する。(何十年も経ってからのこの金という人との再会もある)。
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