スゴイ電気代の値上げ (1)

電気代の値上げで多くの人が嘆きの声を出している。21年前に結婚したわが娘一家も「夜間電気を利用したら料金は安いですよ」と電気会社のPR言を信用してオール電化住宅にしたが、今「泣き」の言を吐き出した。

私が定期購読している唯一の雑誌「紙の爆弾」4月号にある青木泰という人の文「電気料金値上げの根本原因」を紹介しよう。

現在の日本の電源構成は、再生可能エネルギー(太陽、地熱、海水、風力など)20%、火力76%、原子力4%。
この最大エネルギーを占めている火力発電の資源は、天然ガス50%、石炭40%、石油10%などだ。

電気料金値上げの主な理由は、天然ガスと石炭の値上げによる。
その理由は、① ロシアのウクライナ侵攻による米・EU・日本などの制裁措置、② 天然ガスへの切り替えが中国を中心に進み、この値上げに拍車がかかった。③円安の影響。22年初頭では1$が110円だったが、今は135円になっている。

そもそも日本は、原爆被爆の悲壮な体験をもち、また2011年の東日本大震災での福島第一原発の深刻な事故(これによる直接の死者数は2名だったというが、その後の作業員などの原発関連死者数は少なくとも1300名を超えているという。この数字はネットで報告されている数字だが)などから、原子力利用は「可能な限り依存度を低減する」方針を表明している。
そして言うまでもなく、再生可能エネルギーを主力電源化にするという原則が日本の進路だった。

青木氏の論の紹介にもどろう。
「原発事故を受け、再生可能エネルギーへの転換は、国家政策として不可避だった。ところが、自前の再生可能エネルギーの開発・拡充に力を入れず、いまだに電力構成の2割に過ぎない。ここに今回の値上げの根本的理由がある」。

日本政府は、みずから表明してきた再生可能エネルギーの活用を主要な方向にするという道筋を事実上キャンセルしてきているのだ。
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