自燈明

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四十七番 恵慶法師

2014年05月20日 | 百人一首

八重葎 しげれる宿の 寂しきに 人こそ見え 秋は来にけり

幾重にも葎が生い茂った屋敷で、ただでさえ寂しい所に、持ち主だった人は姿を見せないが、それでも秋はやって来たことだなあ。

八重葎しげれる宿の寂しきに 「八重」は、何重にもの意。「葎」は、ツル性の雑草の総称。「しげれ」は、ラ行四段の動詞「しげる」の命令形。已然形とする説もある。「の」は、同格の格助詞。「に」は、場所を示す格助詞。順接の確定条件を表す接続助詞や逆接の確定条件を表す接続助詞とする説もある。
人こそ見えね 「こそ」と「ね」は、係り結び。「人」は、訊ねてくる客。「こそ」は、強意の係助詞。「ね」は、打消の助動詞「ず」の已然形で「こそ」の結び。「こそ~ね、…」という形で下に続く場合、逆接の関係を表し、「~ないが、…」の意となる。
秋は来にけり 「人こそ…」と並列。「は」は、区別を表す係助詞。「けり」は、今初めて気づいたことを表す詠嘆の助動詞。

えぎょうほうし (生没年不詳)
恵慶。平安中期の歌人。中古三十六歌仙の一人。播磨国の講師(国分寺の僧)と伝わる。
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