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九十四番 参議雅経

2014年12月07日 | 百人一首

み吉野の 山の秋風 さ夜更けて ふるさと寒く 衣打つなり

吉野の山から秋風が吹き、夜も更けた。昔は都だったこの里に、遠くから衣を打つ音が寒々と聞こえてくる。

み吉野の 「み」は、美称の接頭語。「吉野」は、大和国(現在の奈良県)中部にある地域。
さ夜更けて 「さ」は、接頭語。
ふるさと寒く 「ふるさと」は、古里で古都の意。かつて、離宮があった。「寒く」は、ク活用の形容詞「寒し」の連用形でありことから、「ふるさと」の述語であり、「衣うつなり」にかかる修飾語でもある。
衣うつなり 「衣うつ」は、衣を打って布を柔らかくしたり、光沢を出したりすること。「うつ」が、タ行四段活用の終止形であることから、「なり」は、伝聞推定の助動詞「なり」の終止形。

さんぎまさつね (1170~1221)
藤原〔飛鳥井〕雅経 (ふじわらのまさつね,あすかいまさつね)  鎌倉初期の歌人。九条頼経の子。蹴鞠に優れ、飛鳥井流の祖となる。『新古今和歌集』の撰者の一人。
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