弥生パンダの独り言

今日も元気に

猫の修行 根子岳

2012-03-08 | 日記
これは熊本県阿蘇山の1つ根子岳です。
この根子岳は、猫が年をとると修行のため登るという言い伝えがあります。



幼い頃、この話を祖母から聞かされ、当時飼っていた猫ちゃんがどこにも行きませんようにと勉強机の下に箱を用意し、閉じ込めていた記憶があります。もちろん閉じ込めていたのがすぐにバレて叱られていましたが。。

そんな幼い頃の記憶で鮮明に残っているのが、ブッチという名の雑種のオス猫。
ブッチが5歳くらいになったときフッと行方知れずになり、家の周り、遠くで行きそうな場所、茂みの捜索をしても見つからず家族は死んだんだろうと諦めていました。
行方知れずになって1年がたったころ、家の塀のところで鳴いている身体が少し汚れた犬のような大きな猫が。

そうです!ブッチです!
家にいたころより一回りも二回りも大きく逞しくなり、大きな声で家に向かって鳴いているんです。
ブッチが帰って来た!と大喜びし急いで家に入れようとしますが、ブッチは私達から一定の距離を置いて身体に触らせようとせず、家に入ろうともしません。
私たちが家の中に入り、玄関のドアを開け中からブッチと呼んでも家の中には入らず。

仕方ないので、ブッチがかつて使っていた食器に食事(当時はご飯に鰹節、いりこ、煮魚をまぶしたもの)を盛り、水も一緒に置いて様子をみましたが、食べる気配も家に入る気配も一向になし。
しばらくそのままにして何度も家の中からブッチと呼び掛けていましたが、ブッチは大きな一鳴きをしてそのままどこかへ姿を消してしまいました。

もしかして帰ってくるかもしれないと、いつも出入りしていた窓を開け食事も窓下に置いていましたが、大きな一鳴きを最後にブッチの姿を二度と見ることはありませんでした。

ブッチを一番可愛がっていた祖母は寂しそうに
ブッチは1つの修業が終わり、更に修業を積むために最後の別れに来たんだよと。
別れの挨拶にきた時の身体の逞しさ、大きさ、貫禄といい、修行しているというのも納得がいくようなブッチでした。

40年以上の前の話ですが、この根子岳で修行が終わったブッチは元気に過ごしているのかな?と阿蘇に行くたびに思い出します。
ちなみに家から阿蘇まで車でゆうに2時間はかかる距離です。また、ブッチという名の猫ちゃんにはつくづく縁があるんだなと。

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