サガハイマット(九州国際重粒子線がん治療センター)についてフォーラムがあった。開業医はたいていアホだが研究職のドクターはさすが頭がよかった。それについてはいずれ書く。
少しだけ紹介。東大の中川恵一准教授とは、話していて参りましたと感じ、打ちひしがれてしまった。理Ⅲとは僕の到底及ばない壁だ。くやしいがバカだから引き下がるしかない。常に僕より安易な例を引き、専門用語に酔うこともなく、分かってもらおうという態度で、かつ正確な言葉を使った。
相手の理解の速度を見てくどくならぬよう留意した。東大は行く価値のある大学だ。ノブレスオブリージュを見た。
ダラダラ数式や用語をならべ何を自慢したいのかよく分からないアホがいる。僕らの世界では最初から相手にされない屑だが、政府は目ざとく落下傘人事をする。跳ね飛ばされた実力者は辺鄙な国立大で飼殺しになる。
でもそれも小さいことだな。タレント、草野仁が講演をした。以下に書いた彼の話しは、彼が引用した例とは異なる。そんなに細かく記憶できない。しかし、彼の伝えたかった願いは正確に書いた。
子供のころの夢は、かなわないものだ。こう切り出した草野は、笑顔の奥に願うような、「がっかりしてはいけない。」という言葉を秘めていた。
そんなに夢がかなうなら、みんな宇宙飛行士かケーキ屋さんになる。ところがそれでは世の中は成立しない。ケーキだけ食って糖尿になって死ぬか。
みんなやむなくほかの仕事に就く。さらに他の仕事についても、配置転換、転勤が待っている。やむなく長距離恋愛になる。破たんする。きまりきっている。とくにかわいい子をつかまえると嫌がらせのように転勤させられる。人事課も小市民だ。
住宅を建ててもそうだ。5分で燃える家を35年かかって返済する。それでもマイホーム、と思った瞬間単身赴任だ。
しかし、ここからが大事なところだ。最初の希望、つまり宇宙飛行士は、なりたい自分であったわけだが、自分にあっていたとだれが言えよう。
倉庫係の伝票整理になったと、人は悔やむ。おれより学歴のない私立しか出てないあいつが秘書課だ。が、そこでボヤいていては人はそこで終わる。
与えられたところで限界まで頑張ったか。もし頑張っても納得できないのなら迷うことはない。脱出だ。ためらうお前は努力が足りない。東京本社から鹿児島支店に来るのは左遷か。「薩摩おごじょ」は薩摩の宝石だ。東京はあっていたか。鹿児島はあわないか。行く前から分かるはずない。
就職や転勤や配転や業態転換などにより、仕事の内容は変わる。いかに希望のところに就職したことが無意味だったか。その新しい環境になれていきつつ自分に合う仕事を探すべきだ。
最初のリクルートで人生を決めてはいかん。