アホは「それは事実か」ということに異常にこだわる。アホの中では、事実が推理され複合し新たな原理へと向かったことがないからだ。
いわば、事実はどうだっていいんだ。
おとなしく控えめにしていないアホは、論破されたのに気づかずグジグジ同じことを何度も言う。僕は仕事をしていた頃、この手のバカに手を焼いた。3流大出身と言うコンプレックスの裏返しは実にしつこい。
等号が抜けている、不等号が逆だ、Logの底がない、計算違いがある・・・ 確かに事実には違いない。だからなんだ。 だからおまいらはアホなの。大勢の流れの本質を読め。下らん事実に拘泥したらひらめきが消える。だから検算なんてやってられない。それが僕の能力の限界でもある。が、本質は見落とさないようにしている。
ローレンツが予測を立てるとき小屋いっぱいになるほど計算用紙を使った。つまりほとんどまともな計算はなかった。だが彼の受けたノーベル賞を当然でないという人はいない。ローレンツは、ライデン大学の誇りであると同時にオランダの誇りだ。
オランダに行けば張りぼて風車なんか見ないで、ライデン大のモースコレクションを見よ。無料。日本文化の粋(すい)がある。
この本物たちに比すれば、大宰府にはきわめて俗物、正しく言うと飢餓にあえぐ低脳がいる。
大宰府の、中心に近いある地点で工事をしていたら水脈にぶつかり水が出た。追加工事費についてちょっとした争いになった。つまり噴出した地下水を関係者同士、押し付けあった。
ところがよく調べるとその水が温かかった。温泉だ。
するとこんどはその地下水(温泉)の取り合いになったのだ。そのときの根拠が面白い。あれほど根拠らしきものを並べて業者と地主と施工主と市がが、相互に相手に押し付けようと争っていたのに。活動的な馬鹿は節操がない。取り合いが始まった。
俺が見つけた。というかと思うと別の人間は、俺の土地だ、と繰り返し、奪い合いは法廷闘争になった。
神は馬鹿をからかった。その温泉らしきもの、だんだん冷えてもとの水になった。
水では一儲けできない。のどから血を吐くほど自己主張していた当事者は、すぐに黙った。
水も止まった。