「山海を開発し世界に通ず」そして目指すは一等国だ。という明治の気迫にあふれた書だ。井上馨。
三井物産を作った人だ。
この頃、明治政府も経済界も極端な人材不足だ。政界と財界は未分離で双方で活躍した人は多い。この書は僕の好きな三井港クラブにある。井上は有言実行の人である。書のとおり縦横無尽に飛び回り一等国日本を夢見た。
三井港クラブは20年ぐらい前から市民に開放され結婚式場になっているが実にもったいない。西郷や伊藤の書もある。悲しいかな百姓より貧しい下級武士には書の素養が無い。
きちんとした家柄の井上には下手だがバランスの取れた字が書けた。
この三井鉱山に生涯をかけ、日本のために尽力した人がいる。時代は少し下るが、団琢磨その人だ。鉱山鉄道やデービーポンプの設置は鉱山の能率を画期的に引き上げた。水没坑道の水をたちまち吸い上げた。現在大牟田市はこの鉱山鉄道を廃止し、三井はポンプを炭鉱記念とか言って体よく廃品にした。
団は、鉱山技師から三井鉱山の会長にのし上がった人。家系からは優れた人が続々と出ている。岩倉遣欧使節団に同行しそのままハーバードに残った人だ。鳩山由起夫とも遠縁である。團伊玖磨(ダンイクマ)もいる。
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干満の激しい有明海のため工夫した。写真の向こう側の海は干潮時完全に干上がる。手前の港には何艘もの大型船がいる。異様な風景だ。
この閘門の優秀性は、一度もオーバーホールをしていないところにある。メンテだけで100年以上を生き、水圧ボンプも故障したことが無い。グラマンの攻撃にもびくともしなかった。
上に書いた港倶楽部は市民に開放されて民進党や共産党は喜んだ。だが、つめに泥をつけて、長靴をはいて、軽トラで、来るところでは絶対無い。
差別といわば言え。文化とは差別の無いところに成立したことは無い。そんな文化いらないか。そんなら人間やめて土中にもぐってカブトムシの幼虫になれ。価値あるものに感激する心こそ文化の原動力であり人間の構成要件である。
案の定、大勢が押し寄せて,伊藤の額も西郷の額も井上の額もタバコの煙に黄変している。暖炉は使用不能となりお上のお手植の松に気づく人はいない。
いくなら今のうちだ。
これは僕のうちにある同時代の一輪挿し。