今日は、秋の山中湖旅行記は中休み。
直木賞作家の木内昇さんの
小説「新選組 幕末の青嵐」を読んだ。

新選組のことを取り上げた小説を読むのは、実は初めて。
なぜ読む気になったかというと、
現在、日経新聞(夕刊)で連載されている
新聞小説「万波を翔ける」を読んで良かったので、
木内さんの他の作品を読んでみたいと思ったからである。
「万波」もよいが、本作品も良かった。
新選組の話というより、ひとりひとりの発する言葉が良い。
本当にそういっていたかは実際にはわからないので、
木内さんが発するものなのだろう。
◆鵜殿鳩翁(P70)
「自分が欠ければみな往生するだろう、
どこかでそう思い込んでいた。けれど、
結局組織など、人ひとりが欠けたところで、
なんの影響もないのである。」
◆同上(P78)
「経験は積んできたかもしれないが、
感覚はその場その場に置き去りにしてきて
しまったようだ。
中略
組織内での評価に振り回されるだけで
目一杯の日々だった。でも、そんな評価は、
もしかすると人生においては些末なこと
なのかもしれない。」
◆芹沢鴨
「自分の頭の上の蠅も追えぬ連中が
仲間同士で囁き合う『世が間違っているのだ』
という負け惜しみなど虫酸が走る。
欲しいものがあれば、力尽くでものにすればよい。
それが駄目なら、そのときは腹を切ればいい。
世を変えたいのであれば、偉くなるしかない。
そんな単純なことを、見識だの常識だのに
照らしてややこしく考える連中の気が知れない。」
◆永倉新八(P224)
「いくら人がよく、人望が厚いからといって、
才覚のない者に重要な仕事を任せれば、
いずれ隊は破綻する。
ならば、その人物を降格させるか、
傍目に明らかな閑職に追いやるかと考えるのは普通だが、
そういう芸のないことを土方は決してしなかった。
中略
本人ひとりが、じんわりと気付くよう、仕向ければよい。」
◆沖田総司(P225)
「剣を使うとき考えちゃ駄目だ。考えると深読みする。
深読みというのは大抵間違った答えを出す。
考えないで反射で動かないと、見誤る。」
◆土方歳三(P526)
「自分ではなにもしないくせに、口先ばかりで
勝手なことを言っている奴を一番軽蔑しているんだ。
そういう人間に限って、『やればできた』と言う。
あとになってから言うんだ。
でも俺たちはちゃんと一歩を踏み出したろう。
無理だと言われたことをやり遂げた。
俺たちはなにも、恥ずべきことはないんだ。」
では、今日のおまけ。
今日はポカポカ陽気であったので、日向でのんびり。






直木賞作家の木内昇さんの
小説「新選組 幕末の青嵐」を読んだ。

新選組のことを取り上げた小説を読むのは、実は初めて。
なぜ読む気になったかというと、
現在、日経新聞(夕刊)で連載されている
新聞小説「万波を翔ける」を読んで良かったので、
木内さんの他の作品を読んでみたいと思ったからである。
「万波」もよいが、本作品も良かった。
新選組の話というより、ひとりひとりの発する言葉が良い。
本当にそういっていたかは実際にはわからないので、
木内さんが発するものなのだろう。
◆鵜殿鳩翁(P70)
「自分が欠ければみな往生するだろう、
どこかでそう思い込んでいた。けれど、
結局組織など、人ひとりが欠けたところで、
なんの影響もないのである。」
◆同上(P78)
「経験は積んできたかもしれないが、
感覚はその場その場に置き去りにしてきて
しまったようだ。
中略
組織内での評価に振り回されるだけで
目一杯の日々だった。でも、そんな評価は、
もしかすると人生においては些末なこと
なのかもしれない。」
◆芹沢鴨
「自分の頭の上の蠅も追えぬ連中が
仲間同士で囁き合う『世が間違っているのだ』
という負け惜しみなど虫酸が走る。
欲しいものがあれば、力尽くでものにすればよい。
それが駄目なら、そのときは腹を切ればいい。
世を変えたいのであれば、偉くなるしかない。
そんな単純なことを、見識だの常識だのに
照らしてややこしく考える連中の気が知れない。」
◆永倉新八(P224)
「いくら人がよく、人望が厚いからといって、
才覚のない者に重要な仕事を任せれば、
いずれ隊は破綻する。
ならば、その人物を降格させるか、
傍目に明らかな閑職に追いやるかと考えるのは普通だが、
そういう芸のないことを土方は決してしなかった。
中略
本人ひとりが、じんわりと気付くよう、仕向ければよい。」
◆沖田総司(P225)
「剣を使うとき考えちゃ駄目だ。考えると深読みする。
深読みというのは大抵間違った答えを出す。
考えないで反射で動かないと、見誤る。」
◆土方歳三(P526)
「自分ではなにもしないくせに、口先ばかりで
勝手なことを言っている奴を一番軽蔑しているんだ。
そういう人間に限って、『やればできた』と言う。
あとになってから言うんだ。
でも俺たちはちゃんと一歩を踏み出したろう。
無理だと言われたことをやり遂げた。
俺たちはなにも、恥ずべきことはないんだ。」
では、今日のおまけ。
今日はポカポカ陽気であったので、日向でのんびり。





