中島京子さんの「長いお別れ」を読んだ。
この作品は、認知症になった父親と
3人の娘、母親(妻)、孫たちの話である。
アメリカでは、少しずつ記憶を失くして、
ゆっくり遠ざかっていくから、
認知症のことをLong goodbyeというらしく、
本作の題名は、そこからきている。

認知症となった東昇平が孫にいう。
「このごろ、いろいろなことが遠いんだよ」
いずれ自分もこういう日がくるのかなと思う。
いろいろと考えてしまう作品であったが、
大変だなとか、悲しいなと感じつつも、
認知症になっても誰だかわからなくなっても、
妻の曜子の顔を認めると、
ぱっと笑顔を作る昇平の姿などは心が温まる。
巻末(文庫版)には、
川本三郎さんの「帰ってゆく父」という
解説があるが、一読の価値がある。
本作は映画化され、5月末から上映される。
長女の麻里役(原作は茉莉)には竹内結子さん、
次女の芙美役(原作は三女)には蒼井優さん、
父親の東昇平役には山崎努さん、
妻の曜子役には松原智恵子さんと、楽しみ。
では、ここからはうちの一人娘をご堪能。



甘えん坊さん。

ふたりでお外を見ています。

今日はここまで。