犬山で、忘れられないもう一つの思い出は、石あげ祭りでも有名な尾張富士です。
子供のころ、父に連れられ何度か登ったことがありますが、麓から山頂までゴロゴロ土が続き、フーフー言いながら登った記憶があります。麓に浅間神社があり山頂に奥社があります。
祭りは8月の第一日曜日に行われます。石あげの由来が看板に書かれています。
標高275mの山頂に向かいます。最初からゴロゴロ土で、果たして頂上まで登って行けるかどうか。
行けるところまで行ってみようと思いました。
昔は登る人も多かったけれど最近はめっきり少なくなったようです。登って行く人の姿を見たのは私を除いてたった2人。
あと少し、あと少し、と言い聞かせ何とか頂上に辿り付きました。
山頂の奥社。昔は、神職の方が常駐していたそうだが、今は無人。
次は下りです。今から又この険しい山道を降りなければ、と思っていたところ別のルートから登ってきた人がいました。尋ねてみると、距離は長いけれど道幅も広くなだらかということを知り、帰りはそのルートで降りることに。
この別ルートは後年作られたようでした。往きの山道と比べるとずいぶん楽です。途中、途中に句碑がいくつか置かれています。
その中の一つに目が留まりました。作者が母と同名です。
子供のころ、まだ若かった両親と一緒に登ったこの尾張富士で、今日このように母の名前を見つけたことに何か不思議な因縁を感じました。死者の姿は生者には見えないけれど、いつもそばにいるのではないだろうかとそんな気がします。
優しい色合いと香りのつつじが、疲れを癒してくれます。
こちらはニガナ
ハート形の葉をした小さなスミレが群生していました。
帰り道はなだらかで苦も無く降りてこられましたが、やはり尾張富士の真骨頂は往きに登ったあのゴツゴツ岩を登ることではないでしょうか。次回もし又登る機会があれば、もう一度、昔ながらのあのゴロゴロ土で覆われた道を選ぶでしょう。