夢色

集めてるもの 見たもの 書きたいものを 思いついた時に。
基本ネタバレ注意。
火月 神の気まぐれ よろずメモ。

Call

2006-12-09 | か行

君があれほど送り続けた心に
僕は気付いてあげられなかった
流れることに
流されることに
慣れてしまった僕は
気付く事を恐れてしまった
けれどもし
君が僕を
それでもまだ僕を
求め続けてくれるなら
今一度 君の手を取ることが
叶うのだろうか・・・


瞬く

2006-12-09 | ま行

ざわめきの中
一瞬だけくっきりと見えた世界が
真実
かちりと鍵がはまり込むように
次のまばたきで 再び揺らいで


その瞬間 つかむ何かで
全てが決まるから
油断しないで  目をみはっていて


Voyage

2006-12-09 | は行

満月が冴え渡り
目は醒め切って
扉が薄く開く
鈴がかすかに震え
小さく音を出した

湧き上がる泉に沈みゆけば
逆らわないで その引力に
そこから私は
私を探す旅に出る
身体は溶けて
意識は流れ着き
寄せ返す波に包まれて

明るい夜
私は散り広がり

深呼吸と共に イメージは糸を紡いで
繭となり 私を暖める
突き上げる衝動が
言の葉 書き綴り
私は私を求める
何処で途切れ
何処へ続くのか
真白なノートは次々と捲られ

私の瞳は
何処を映すのか

絶え間なく訪れる欲求のまま
私は私を探しあぐね
大きな箱を覆い隠す靄の蔓を
手で探り そっと掻き分ける

『私の鍵は
私の手で開けるわ』

心地よい疲れを連れて
月の光から浮上する

長い夜
私だけの時間

静かな夜
そこにあるのは私だけ

喉につかえた意識の断片を
自分の手で連れ出して

ページも終わりに近付く頃
私は安堵の溜息を小さく洩らす

私が私に
回帰する瞬間

穏やかな眠りの森へと誘われて
夜明けには密かに息づく私の足跡

It's my secret voyage…