自然観察のことを 単に 自然や生き物たちが好きな人たちの 趣味とか楽しみ という程度にしか 考えていなかったとしたら、それは大きな間違い です。
自然観察は 今の環境危機の時代に 生きる私たちにとって 、自然環境やその中で生きている 生き物たちと親しみ 、一定レベルの 理解や愛着を持つための 手段 なのです。 それは環境学習だとか 自然体験学習と位置付けることもできるかもしれません。
地球温暖化にしても 海洋プラスチックごみ問題にしても それによって 地球の環境を 壊したり汚染したりして 多くの生き物たちを死へ 追いやったり生態系を壊していることに問題があります。 けれどもそれは 温暖化やプラスチックゴミに 限られた話ではなく 色々な形で 私たちは 自然を壊しています。 温暖化やプラスチックごみ問題が 解決されたとしても 他の問題が たくさんあったら 同じことのはずです。
特に温暖化が環境問題としてよく取り上げられるのは こうした他の問題から 目を そらせる ためのよう に感じられて なりません。
私たち日本人は もともと 縄文時代から 自然環境と共存した持続可能な ライフスタイル、 社会を 持っていた 農耕民族です。 戦後の高度経済成長が 過ぎても 昭和の時代が終わるまでは 横浜でもこうした暮らしが残っていました。 そしてこうした暮らしがあったからこそ 自然や生き物たちに対する一定の理解や愛着が 示されていました。
ところが 令和になってからは 一変してしまった感じがあります。 一変したというよりそれまで 少しずつ変化してきたものがいっぺんに吹き出したのかもしれませんが 、私たちの多くは 自然や生き物たちを 汚いとか気持ち悪いとかばかり言うようになり、まるで ゴミや危険物 のように扱うようになってしまったのです。
これは非常に残念なことですし、 温暖化ガスの排出よりもむしろ深刻な問題に思います。
私も長年自然観察会などを行なってきて、このように時代の変化を感じていますが、 これからも自然や自然と共存することの大切さを自然観察会を通して お伝えしていきたいと思います。
大切なことなので最後にもう一度。
自然観察は 今の時代に生きる私たちが 自然や生き物たちと 接して、 理解や愛着を持つようになりための 手段です 。 それは 自然と共存する 持続可能な社会づくりのためには 欠かせない 土台となる不可欠なものです。 みなさんが自然観察をとおして この地球上で 色々な生き物たちと ともに、 この時を 同じ 地球の環境で 一緒に生きていることに 嬉しさや喜びを 感じられますように。