今年も終わりなので、今ある自転車達の雑感を書いてみます。自転車絡みだと快適性&趣向性No1を自負していたランドナーを里子に出したのが一番大きかったかな。
今私が自転車に求めているのは、たぶん快適で有る事。快適っていうのは凄く曖昧で、速い事が快適なのか、疲れない事が快適なのか、乗り心地が良い事が快適なのか、楽しい事が快適なのか…。基本的に用途と車体と乗り方がマッチしているか否かで感じ方が大きく異なります。
最近STIの鉄ロードに乗り始めて思うのは、意外にもランドナーより快適と思う事があるという事。快適性はランドナーが一番って、少なくともこの2年間はそう思ってました。これは安楽って要素が強かったのですが、実際のところ移動距離が伸びてきて、より長い距離を走りたいって想いが強くなったのが理由だと思う。自分の乗り方が常に同じで車体との摺り合わせが出来ていれば基本的に自転車は一台で良い筈ですが、山道に舗装路、平地と登り、近場や遠出、レース用に練習用、ノンビリとガッツリ等々、物欲以外にも自転車を複数台持ちたい理由は多々ある訳で、私の場合、仮に全てが揃う様な贅沢な環境にあったとしてもそんなに器用に漕ぎ分けられる訳じゃないってのも少し分かってきた。
車重について想うこと。ウチのカーボンロードは7.5kg、鉄レーサーが8.9kg、アルクロモリのハイブリッドレーサーは10.4kg、今は手放してしまいましたが、クロモリのランドナーが15kg超級でした。重いから遅い、重いから登れないというのは勿論ありますが、一定のスピードに乗ってしまえばそれを維持する上では以外と楽だったりします。素人の登坂で重要なのは重さよりもギア比で、実際のところランドナーでの激坂はカーボンロードより楽と感じることすら有ります。
乗り手が同一でも1ヶ月有れば体型や体力は変わる訳で、そういう意味ではコンディションによって車体に対するイメージや感覚は随分左右される。もう一つ、とても大切な要素の一つが車体の容姿で、もちろん格好良い事に越したことはありません。不相応に高価なモノを使ってみたいって物欲も大いに肯定派です。乗ってなんぼ、それは当然。走るための機材ですから。乗らずとも楽しい、それも自転車って思います。
ランドナーは基本的にノンビリロングライド。スピードに乗ってしまえば以外にも早くて30km前後の巡航も充分に可能でしたが、低圧で太いタイヤと楽なポジションを生かした安楽という意味での快適性では15kmから20km前後の巡航がベスト。この速度域なら何処までも行ける感覚がありました。ただ、そういった感覚とは裏腹で時間的に移動範囲が限られます。また、ご近所ポタ用にも向かないかもしれません。これは車重によるところが大きくて、ちょこちょこ立ち寄ったり、短い距離をウロウロって感じで使うと、むしろその重さがネックになります。それ位、重いです。でも、全てを凌駕して佇まいを眺めているだけで幸せになれる自転車でもありました。
アルミとクロモリのハイブリッドレーサー。良くも悪くも無味な印象。アルミでもない、鉄でもない、本当に味の無いフレーム。硬くは無いので疲れ辛いと思いますが、鉄独特のしなりが有る訳ではなく、今のアルミバイクの様な剛性感がある訳でもありません。どちらかと言うと柔らかいというか、芯が無いというか、とことん優しいという表現も有りかもしれません。私ですと巡航速度域は20km後半から30km位といったところ。STIの現代鉄ロードと比べると中速域以上では明らか進まない印象。逆に、無味で優しい感じこそが長所と魅力で、1986年といった時代や当時のロードレーサーらしい容姿など、思い出や古いパーツ達を楽しみながら乗ってこその自転車。問題は、私に当時の思い出が一切無くて、憧れだけがやたらと強いって事かなぁ(笑)
STIの鉄ロードは、ウチでは今一番楽しい自転車。鉄独特のバネもありますが、硬いんじゃなくてコシが強いって感じで楽しい。ホリゾンタルの容姿はドツボ。あと少し大きなサイズ展開が有れば尚良かった。
最後にカーボンロード。ウチのは初心者向けのコンフォートモデルですが、それでも断トツの走行性能。フレームを含めた全てのパーツが圧倒的に違いますが、「楽に遠くに」を一番確実に実現してくれる自転車。難点はスローピングフレームの見た目ですが、最近は少し「機能美」という見方が出来るようになってきて、以前ほど嫌では無くなってきた。
さて、来年はどうなっているでしょうか?