何度も練習して、ホイール組みの種類と手順が少し分かってきました。JIS組みとイタリアン組みの違いは繰り返し組んでみる実践と、記事に残そうとまとめていく過程の中で漸く理解出来ました。やっぱり技術が必要なのはスポーク組みの後に行う振れ取りと、スポークの張り加減。一時的に振れをなくすことは簡単に出来るけど、馴染み出しをしても振れない状態へ持っていくのが大変で時間もかかる。スポークテンションが適正均一になっていない事とニップルの締め加減が原因と思うので、出来ると思えるにはまだまだです。
2016年1月1日追記:元々、「初めてのホイール組で思った事」ってタイトルでUPしていた備忘録ですが、何度か作業していくうちに変化した感覚を忘れないように「追記」しました。正誤はともかくとして、私が組み易いようにって備忘録ですのであしからず_(._.)_
以下、振れ取りに関して忘れない様、(現時点での)私なりの備忘録。少しづつ更新しながら自分のモノにしていきたい。
※全てのニップルを完全に緩めた状態からの作業。
1.全てのニップルを完全に緩めてある状態から、ある程度均一に張っていく。最初は指で締め込んでいき、次に、ニップル回しではなくマイナスドライバーを使ってリム裏側から行なうと微妙な感触が判り易かった。いずれもニップルのネジ山を見ながら少しずつ均一に行い、一度に一カ所を締めず、数周に渡って行う。明らかに他のスポークとバランスが悪くなる位に締め込み過ぎてしまう場所があれば、その場所は多少緩くなっても他のスポークとのバランスを優先し、締め過ぎない。
※2016年1月1日追記:新品のリムなら問題無いと思いますが、私は精度の怪しい中古品レストアも多いので、基本は縦フレを取る事を重視。スポークが「ガタガタしない」くらいまで均一に閉めたら、まずは一旦縦フレを「完全に」やっつけます。場合によってはテンションにばらつきが出て、そんなリムは最後まで均一には仕上がりませんが、あとで締めていく段である程度は解消されます。「同じ張り具合」に引っ張られると、真円のホイールは組めません。「使える」リムと「使えない」リムの差は正にココ。
ホイール組みで最も大切なのは、交錯している4本を一組として作業を行うこと。細かい調整に入ると近接する2/4本でも作業しますが、大前提は一方を閉めたら同じだけ逆を緩める。これは最後まで変わらない。最後の最後、本当の微修正は反フリー側単体のスポークでも行いますが。
2.全てのスポークでリムとニップルのガタが無くなった辺りから、振れ取りに入る。(注1)この時点でしっかり「糸張り」をしておくと圧倒的に作業し易い。おおよそのセンターを出しつつ、横振れを左右5mm位まで、ざっくり取る。リムの精度にもよるので左右の振れが大きくなければこの工程は不要。次に縦の振れ。
(注1)糸張りをしてセンターを見る方法。
ノギスでオーバーロックナット寸法を正確に測り、その半分の数値を「リムセンター」としてハブに印を付ける。ハブに付けた印の上を通る様にリム対角線上に糸を張り、糸の通る位置とハブに付けた印によってセンターを見る。きちんと行えば、センターゲージが不要なくらい正確にホイールセンターを見る事が出来る。最後の仕上げまで有効なので振れ取り作業の邪魔にならない様にしっかりと糸張りを行うと良い。
写真(上)は実際に糸を張った様子。左がセンターを合わせる前で、右がセンターを合わせた後。
3.縦振れを一度完全にやっつける。ただし、どうせ後でまた出る位のつもりで余裕を持ってとりかかる。一度に沢山取ろうしないのが大切。一箇所を動かすと必ず別の場所が振れるので、全周に渡って少しずつ行う事が、最終的にバランスよく仕上がる一番の近道。縦振れはある程度スポークの張りに余力がある状態から入る。その為、前段の横振れ作業時には締めた分の逆を緩めるといった方法を基本とする。センター移動の際も同様。
2016年1月1日追記:基本は隣接する4本を一組として作業。微修正の段では2/4本(近接する4本のうちの2本)でも作業する。
4.横振れを左右2mm以内位まで取る。2016年1月1日追記:
5.センターを合わせながら、横振れを完全にとる。「振れ取りは締めながら行ない、決して緩めない」なんて記述も見ましたが、初心者にはまず無理。そういうイメージで作業するときも有りますが、気付かないうちにテンションマックスってパターンに嵌り、スポークやニップルを駄目にしたり、最悪の場合リムの破損に繋がる。
2016年1月1日追記:基本は、締めた分緩める。これをやらないと、テンションがかかってきた時にバランスが失われる。また、せっかくやっつけた縦フレが再発する。締めた分緩めるをしっかり実践することで、全体のバランスが保たれ易い(ホイールを苛める際→外してグイグイやる際、グニャグニャにならない)。また、一旦しっかり調整した縦フレを保ち易い。
6.センターが出て、縦横のフレがある程度の状態となったら、スポークのテンションを上げていきます。何度も書きますが、それぞれの作業を別個に行うのが成功への「鍵」。縦フレは縦フレ。横フレは横フレ。センター出しはセンター出し。で、テンションを上げていく作業もしかり。
一度に締めず、1/8回転を1周が1クール。この作業は好みのテンション(張り具合)になるまで何度も行いますから、1クール毎に「スタート地点」を変えると良い。例えば、1周目はバルブ穴側から、2周目はバルブ穴の対角線上にあるロゴシール側から、3周目は再度バルブ穴側からといった具合。1~2周作業する度に、フレの状況を確認する。テンションがかかってくると同じようにニップルを廻しているつもりでも、少しずつ作業ムラが出てきます。フレが出たらその都度やっつけます。
7.仕上げ。
希望するテンションに近い状態になったら、馴染出しを行う。馴染み出しと振れ取りは繰り返し(振れが出なくなるまで)行う。そして、馴染出しはやり過ぎない。ホイールを膝に立てかけて両サイドを両手で押さえ、グイっと押し込む位で、基本的にパキパキっといったネジの戻る音が聞こえる位の強さで充分。それと、交錯するスポークをニギニギする作業を忘れずに実施。
2016年1月1日追記:しっかり組めたホイールは、グイグイと相当に負荷を与えても捩れたり(よじれたり)歪んだりしない。近接するスポーク4本一組、または2本一組を最後まで貫けば、変な歪み方はしないようになる。
最後の調整は、横振れと縦振れの両方を確認しながら作業するようになる。横振れは必ず縦振れを意識しながら(縦振れの幅を見ながら)作業を行い、横振れを「締めることで寄せるのか、締めた分を緩めて寄せるのか、緩めて寄せるのか」を考える必要がある。これが理解出来ると、縦横同時に解決出来る様になる。
2016年1月1日追記:上記6.の記載は、あまり気にしない方が良さそう。「締めた分緩める」方法をしっかり抑えていれば、縦フレは許容範囲(最初に調整した状態に近い範囲)のまま作業できる。ここで一方だけを緩めたり締めたりと、横フレと連動させながら作業を行うと最後の最後でドツボに嵌って行く可能性大。最後のタイミング(微調整)で横フレと縦フレはもちろん両方見ますが、その作業は基本的に別々に行った方が良い。(プロは知りませんが…)
7.私の場合、一応縦横共に0.5mm以内が目標。0.3mmとか、それ以下は狂いの無いリムと技術と結構な時間が必要。サンデーライダーは0.5mmで充分。止め時が大切。
2016年1月1日追記:バランスよく組めるようになると、後半の微調整の段や、仕上がった状態での触れ方が変わりました。なんて言うんでしょう、チョコチョコ動かないと言いましょうか、「バシッと」した感じと言いましょうか…。
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