『ぼくは12歳―岡真史詩集』は作家の高史明さんと奥さんの岡百合子さんが、1976年
にまとめた息子さんの本。その中の一片です。
ちっこい家
ぼくは
でっかあ~い家より
ちっこ~い家の方が
スキだ
しょうじやガラス
たたみなどに
なんとなく
人間のアイが
人じょうが
こもっている
でっかい家の
こおりのような
つめたさがない……
僕も大きい家より小さい家の方が好きです。大きい家は設計するのも大変です。一度、開
業医の先生のご自宅を設計させて頂いたのですが、最初に「僕は貧乏な設計士で、良い暮
らしをしたことのない人間ですが、それでもよろしいですか?」とお聞きしてから設計にと
りかかったのですが、やはり最後は大変でした。洗面所に髭剃りのための拡大鏡がないと
いうのです。東京のホテル・オークラには附いていたと、、、。でも、僕はホテル・オー
クラなんて、もちろん泊まった事はないんです、、、。(虎杖浜の1泊500円に泊まろ
うとして、下駄箱のロッカーの50円に、あーだの、こーだの、の人間なんです、、。)
僕が高校生の頃、中兄の本棚には何故か、『二十歳の原点』、『青春の墓標』、『わがい
のち月明に燃ゆ』、『海軍主計大尉小泉信吉』などの本が並んでおり、僕が買ったのは
『ぼくは12歳―岡真史詩集』だけでした。でも僕が親なら、子供の本棚にこんな本ばかり
並び始めたら、ギョッとして考え込んでしまいそうです、、、。
「喪われた悲哀」と「愛されない能力」 その10 につづきます、、、。
にまとめた息子さんの本。その中の一片です。
ちっこい家
ぼくは
でっかあ~い家より
ちっこ~い家の方が
スキだ
しょうじやガラス
たたみなどに
なんとなく
人間のアイが
人じょうが
こもっている
でっかい家の
こおりのような
つめたさがない……
僕も大きい家より小さい家の方が好きです。大きい家は設計するのも大変です。一度、開
業医の先生のご自宅を設計させて頂いたのですが、最初に「僕は貧乏な設計士で、良い暮
らしをしたことのない人間ですが、それでもよろしいですか?」とお聞きしてから設計にと
りかかったのですが、やはり最後は大変でした。洗面所に髭剃りのための拡大鏡がないと
いうのです。東京のホテル・オークラには附いていたと、、、。でも、僕はホテル・オー
クラなんて、もちろん泊まった事はないんです、、、。(虎杖浜の1泊500円に泊まろ
うとして、下駄箱のロッカーの50円に、あーだの、こーだの、の人間なんです、、。)
僕が高校生の頃、中兄の本棚には何故か、『二十歳の原点』、『青春の墓標』、『わがい
のち月明に燃ゆ』、『海軍主計大尉小泉信吉』などの本が並んでおり、僕が買ったのは
『ぼくは12歳―岡真史詩集』だけでした。でも僕が親なら、子供の本棚にこんな本ばかり
並び始めたら、ギョッとして考え込んでしまいそうです、、、。
「喪われた悲哀」と「愛されない能力」 その10 につづきます、、、。