北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

『中門』と女性原理

2014-11-26 18:55:10 | 日記
その、朱南哲さんの「韓国の伝統的住宅」の中に、次のような記述があります。


   女子は中門から外に出ることが出来ず、必要があって中門を出入り

   する時には、それに対する便法として被衣(かつぎ)をかぶるように

   した。


大門でも小門でもなく、「中門」なのです。日本でも絵巻物などを見ると、平安時代の

女の人は寝殿造りの庭で何か行われているのを見るときに、御簾(みす)越しに扇子で顔

を隠しながら見たようです。現代でも中東には女性は家の外では顔を隠さなければいけ

ない国があるようです。(女子サッカーか何かの競技でも特例があったようです。)


もう一度、辛氏家の平面図に戻ります






「内房」とあるのは「主屋」と呼ばれて、女性達の住んでいる部分で、囲われている庭は

「内庭」、付属する女性専用トイレは「内厠」と呼ばれているようです。

「舎廊房(サランバン)」とあるのは「舎廊棟(サランチェ)」呼ばれて、主人(男性)の住ん

でいる部分で、囲われている庭は「舎廊庭(サランマダン)」、付属する男性専用トイレは

「外厠」と呼ばれているようです。

(子供は数に入っていないのでしょうか?だいいち男の子と女の子の区別など無かったのか

もしれません。子供はどこでも出入り自由?この辺りは『子供の誕生』を参照か、、、?)


「中門」を入ると、そこは「内庭」で女性達の庭です。台所(釜屋)もあります。「キムチ

小屋」は「主屋」の後ろ側(後庭)でしょうか?(韓国では門付けの時、キムチの甕や味噌置

き場を御祓い?するようなのです。それにしても「後門」と言うのは何だか怪しい、、、

日本で言うと、西行法師の「北面の武士」の「北面」のような、、、。)


おそらく「内庭」に付属している「房」が女性の使用人などの部屋で、「中門」の手前の

「行廊庭」に付属している「房」が男性の使用人などの部屋と思われます。(女性の

「房」の数の方が多い、、、男はどこでも食べていけと言う事か、、、。)


このあたりは、朝鮮・韓国における儒教文化の強さの現れでしょうか?






追記  『内』の字は女性と関係があるのかも知れません。寝殿造りの中門の脇の『内侍所』

     は、女性の技芸者?の為の建物だったようですし、『内儀』は「おかみさん」の事

     でしょうし、『お姉さん』の「ねえ」も「ない」と似ていませんか、、、?






















 
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