北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

地蔵盆と七夕 その4

2015-05-25 02:56:59 | 日記
古文の教科書にもある『奥の細道』の冒頭の文章に「道祖神」が出てきます。


   月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。舟の上に生涯をうかべ、馬の

   口とらえて老をむかふる物は、日々旅にして旅を栖とす。古人も多く旅に死せ

   るあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、

   海浜にさすらへ、去年の秋江上の破屋に蜘の古巣をはらひて、やゝ年も暮、春

   立る霞の空に白川の関こえんと、そゞろ神の物につきて心をくるはせ、道祖神

   のまねきにあひて、取もの手につかず。もゝ引の破をつゞり、笠の緒付かえて、

   三里に灸するより、松嶋の月先心にかゝりて、住る方は人に譲り、杉風が別墅

   に移るに、

      草の戸も住替る代ぞひなの家

   面八句を庵の柱に懸置


「道祖神」から外の世界は、このブログの『アジールの入り口としての「中門」』の中で

「アイヌ神謡集」について書いた、「悪い知らせが待ち構えていたかも知れない」、行き倒

れて、そのまま死んでも仕方のない世界だったのかも知れません、、、。その「道祖神」

の「まねきにあひて」これから旅に出ようというのです。


でも考えてみたら、「道祖神」って「道」の「祖(おや)」の「神」でしょうから、文字

通り、「原初の道」、「道の始まり」の神様なのかも知れません、、、。それがどうして

「男根」が出てきたり、「猿田彦」が出てきたりするのかは、良く判りません、、。天狗

の鼻も大きいし、、、。


昔の若い男女は、当時はラブホもなかったので、村はずれや集落の境で、青空の下、夜は

寒いだろうに、草叢の上などで事に及んだのでしょうか?


 村上春樹さんの「UFOが釧路に降りる」に

  
  店を出ると、三人は近くにあるラブホテルに行った。町の外れに、墓石を作る

  石材店とラブホテルが交互に並んでいる通りがあって、シマヲさんはそのうち

  のひとつに車を乗り入れた。西洋の城を模した奇妙な建物だった。てっぺんに

  三角の赤い旗が立っている。


と書かれているのは、苫小牧市から支笏湖に抜ける国道276号線がモデルで、私も走った

ことがありますが、「石材店とラブホテル」どころか、火葬場も苫小牧市立病院もあって

、その都市の郊外というか周辺に、人間を「仕込んで」、「オギャー」と生まれて、焼い

て最後は墓石立てるまで、確かに全ての施設が揃っているんですね、、、。日本の現代の

地方都市は、大概どこでも、このような都市の構造になっています。



なんだか、中世鎌倉などの日本の中世都市の構造とたいして違わないような、、、。



写真は、札幌在住の直木賞作家桜木紫乃さんの小説「硝子の葦」のドラマに出てきた

ラブホテル「ホテルローヤル」の夜景です。




「ホテルローヤル」の写真が小さくてさみしいので、、、


東北自動車道の郡山インターチェンジの近くに、高速が突然、ラブホテル群のど真ん中に

突っ込んでいく地点があります。芭蕉翁も、さぞ驚かれるでしょう、、、。



4分頃からです。



この動画は下りですが、深夜に上りで郡山ICから近づくと、ラブホのクラゲの海です。













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