北海道函館市の建築設計事務所 小山設計所

建築の設計のことやあれこれ

多木さん

2014-10-02 16:20:03 | 日記
その人の、事務所兼アトリエは、東横線祐天寺駅の北口商店街を、中世鎌倉街道の方に

向かって行って、左側の古いマンションの1階の奥にあった。(近くには、吉村先生の

「森井邸」があった。神田紀代子さんの担当。)真壁智治さんから(当時、真壁さんは何故

か銀色か金色でスプレーされた?自家製作業ブーツ?を履いていました。)、「新宿をテー

マにした展覧会を多木さんと言う方達とやるけど、手伝いしてみない?」と誘われて、わ

けも判らず、お手伝いした、、。

その当時の超有名建築家の住宅の写真を撮っている方で、デザインの評論もしているらし

い、、、、くらいしか知らなくて、部屋に入ると確かに、酢酸かなにかの、写真の暗室の

のような匂いがしていた。作業も終盤になって、展覧会のためのシルクスクリーンを印刷

することになって、印刷と言っても、巨大な謄写版のようなもの(なぜか多木さんは持っ

ていたのです、、、)で、布のスクリーンの上のインクを、これまた巨大な「へら」の

ようなもので、二人がかりで、端から端まで「こすく」のです。これを何故か、多木さん

と自分の二人でやる事になってしまって、自分では、思いっきり力を入れて「こすいて

る」つもりなのに、多木さんの側は綺麗に印刷されているのに、自分の側は何回やっても

かすれてしまう、、、。要は、力が足りないだけの話。情けない、、、。でも、多木さん

は、怒ったりしない、、、。「もう一回、やってみようか」何回もやり直す、、、。何枚

も高いシートを無駄にさせてしまった、、、。

それから、多木さんの『ことばのない思考』(事物・空間・映像についての覚え書)を買っ

て読んでみたが、頭の悪い自分には、その記号論的な難しすぎる文章は、さっぱり解から

ない、、、、。力も無くて、頭も悪い、、、。どうしようもない、、、、。

多木さんって、多木浩二さんです。後年、評論の分野を天皇論にまで拡げられて、評論家

と言うよりも思想家のような方でした。(東大の美学って、やっぱり凄いんだ、、。そう

言えば、何となく、その感じは、若い頃の林達夫さんに似ていなくもないかも、、、。)
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